人間関係でお悩みの保育士さん必見!解決法をプロが伝授
保育の仕事そのものは楽しくても、人間関係の悩みを抱えてしまうと、保育士さんは少しずつ働くことが辛くなってきます。なかなか改善しない現状に苦しくなって、職場から逃げ出したくなりますね。
今回は、人間関係の問題を解決する方法と、職場の人とうまく付き合うためのコツをお伝えします。悩んでいる保育士さんの気持ちが、少しでも楽になるといいですね。
人間関係に悩む保育士はたくさんいる
保育士は子ども相手の仕事だから、職場の人間関係も「和やか」という世間的なイメージがありますね。もちろん、問題がなく雰囲気の良い職場はたくさんありますが、全体的にみると人間関係に悩んでいる保育士さんの占める割合はとても高いのです。
退職理由に「人間関係」を挙げる保育士は多い
人間関係の悩みは、保育士が仕事を辞めたくなる原因のトップ3に入ります。給料や勤務時間など「労働条件」を退職理由に挙げる保育士さんも多いですが、その背景には「人間関係の問題」が隠れていることも多いのです。
職場の人間関係にずっと悩み続けた結果、心身の限界を感じて、最終的には退職へと追い込まれてしまう保育士さんも少なくありません。
保育士を苦しめる「人間関係の悩み」とは
人間関係にストレスを感じている保育士さんは、具体的にどんなことで悩んでいるのでしょうか。ストレスの元になっている相手を、「上司」「同僚」「保護者」と3つのパターンに分けて説明しますね。
1.上司(園長・主任)の人間性に耐えられない
上司(園長・主任)にストレスを感じる職場では、そのほとんどが「上司の人間性」に問題があるケースが圧倒的に多いです。
職員同士の人間関係はうまくいっているのに、横暴な園長がいると、穏やかな気持ちで働くことが難しくなります。保育士さんを悩ませる「上司の問題行動」とはどんなものでしょうか。
①パワハラをする
たとえば、下記のような行為は「職場のパワハラ」と言われるものです。上司が、自分の立場を利用してパワハラ行為をする職場は、保育士さんにとって居心地の良い場所ではありません。
(パワハラ行為の例)
- 怒鳴る
- 暴言が多い
- 脅迫をする
- 何度もしつこく怒る
- 人前で厳しく叱る
- 物を投げつける
- 仲間外れにする
- セクハラ行為をする
職場のパワハラは日常的に繰り返されることが多く、現場の保育士はいつ怒鳴られるかビクビクしています。あまりにもひどいパワハラに耐えかねて、保育士さんが集団で退職するという事例もありましたね。
②仕事を押しつける
自分に責任があるのに、保育士に仕事を丸投げする上司(主に主任)がいます。管理的な仕事、トラブルの対応、人事に関すること、保育士の指導、事務作業など、本来なら主任が担当する仕事を保育士に押しつけます。
保育士さんは日常の業務だけでも大変なのに、余計な仕事をさせられたために残業が増えてしまいます。自分はさっさと退勤して、押しつけられた保育士さんが辛い思いをしていても気遣うこともない上司には怒りを感じます。
③保育方針についていけない
園の保育方針に疑問を感じた時、保育士さんの葛藤が始まります。見栄や虚栄心が優先する園長は、特に信念もなく新しい行事や教育をどんどん取り入れます。園児や保育士の負担になっていても、構わずに自分の意思を押し通します。
また、表向きには「子どもの自主性を尊重する」とアピールしていても、実際は行事ばかりで、自由に遊ぶ時間が少ないという保育園もあります。保育士さんは、自分が共感できる保育方針だと思っていたのに、園長に対して裏切られたような気持ちになります。
2.「同僚」との関係が良くない
保育士さんとの関わりが最も深いのは「同僚」です。それだけに、一度こじれると修復が難しく、お互いを誤解したままでいるケースも多いですね。
保育士は子ども相手の仕事なので、お互いの「保育姿勢」にはとても敏感です。時には、同僚に対して批判的な気持ちをもつこともあり、何らかのきっかけで関係が悪化することもあります。
次は、保育士さんと関係が悪化している「同僚」の問題をご紹介します。
①嫌がらせをする
嫌がらせをするのは「先輩保育士」に多く、何かと目の敵にして批判し、下記のような「いじめ行為」をすることもあります。
(同僚のいじめ)
- 挨拶をしない
- 仲間外れにする
- 悪口を言う
- 陰で中傷する
- 一緒に仕事をしない
- バカにして笑う
- 悪質ないたずらをする
いじめ行為は仲間がいることも多く、リーダー的存在の保育士が中心になって嫌がらせをします。妬みや逆恨みなど、自分本位な感情がきっかけになることもありますが、「ターゲットは誰でもいい」という無差別的ないじめもあります。
上司や他の職員に気づかれないように嫌がらせをする同僚は、表と裏の顔を使い分けているので、保育士さんの悩みに共感してくれる人がいないのが辛いですね。
②複数担任の保育士とうまく付き合えない
自分以外の保育士と協力しながら保育をする「複数担任」の場合は、人間関係の問題が発生しやすくなります。
保育士同士が「力関係」を争っていたり、お互いに思いやりが欠けていれば、クラスの雰囲気はギスギスしたものになり子どもたちにも影響します。
クラスの雰囲気が悪くなくても、ひとりの同僚が自分に敵意を向けてきたり、一方的に無視することもあります。自分に原因があるケースもありますが、多くの場合は「同僚の人間性」に問題があって、社会人とは思えない幼稚な行動を繰り返します。
③保育士同士の派閥がある
保育士の人数が多くなってくると「派閥」のようなものができます。リーダーの人格が良くないと、他のグループの悪口を言ったり、仲間の奪い合いをすることもあるので、保育士さんにとっては大きなストレスです。
グループ行動が苦手な保育士さんは、派閥そのものだけでなく、リーダーにすり寄る同僚に対しても不快感をもつので、個人的に関係が悪化することもあります。
保育士同士の派閥がある保育園は「仕事がしづらい職場」です。子どもが保育士たちの不穏な空気を察し、現場は楽しい雰囲気ではなくなります。
④職場恋愛が「人間関係の問題」になることもある
保育士同士の恋愛を禁止している職場は多いですが、仕事をしているうちにお互いを好きになって、こっそり付き合い始めるケースは実際にもありますね。
恋愛していることが「仕事へのモチベーション」につながるというプラス面もありますが、関係がうまくいかなくなると、相手も同じ職場だけに「人間関係の問題」へと発展します。保育士さんは仕事に集中できなくなるので、最終的にはどちらかが退職してしまうケースもありますね。
⑤苦手な後輩に振り回されている
職場の人間関係がうまくいっていたのに、新しく後輩が入ってきたらストレスが増えてしまったという保育士さんもいますね。個性の強い後輩保育士は、下記のような問題行動によって職場の秩序を乱すことがあります。
(よくある後輩の問題行動)
- 敬語を使えない
- 人の話を最後まで聞かない
- 思ったことをすぐ口にする
- 自分勝手
- 自分の意見ばかり言っている
問題のある後輩保育士は「職場の空気」を読むことも難しいので、上司や同僚から注意されても心から理解して改めることは少ないようです。「うるさい人だ」と疎まれて、時にはパワハラをされたかのように受けとることもあります。
3.「保護者」の対応に悩んでいる
職場の人間関係のうち「上司・同僚」については、一般の会社員の悩みとも共通する部分がありますが、保育士さんならではの人間関係といえば「保護者」があります。子どもと同じように保護者も十人十色で、相手によっては保育士さんの「悩みの種」になることもあります。
子どもに接するのは苦にならないのに、保護者の対応は苦手だという保育士さんは多いですね。保育士にとって「保護者支援」は大切な仕事のひとつなので、うまく付き合えない自分はダメな担任だと落ちこんでしまう保育士さんもいます。
次のような保護者は「関係構築」が難しく、保育士さんの苦手意識は更に強くなります。
①クレームや批判が多い保護者
保護者に関する悩みで一番多いのが「クレームや批判への対応」です。保育園または担任保育士に対する下記のような「苦情・改善要求」は、保育士さんにとって自分の誠意が問われる高いハードルでもあります。
(保護者からのクレーム例)
- ケガをさせた子どもの親に謝ってほしい
- 先生の目が行き届いていない
- 他の子どもばかりを可愛がっているのでは?
- 自分の要求に応えてほしい
- 担任を替えてほしい
保育士へのクレームは、子どもが入園して6か月程度の期間に集中します。保育園生活に慣れてくると自然に減ってきますが、保護者の苦情や批判によって傷つけられることも多いので、仕事が嫌になる保育士さんもいます。
②保育士を見下している保護者
若い保育士に対して「嫌味や皮肉」を言う保護者がいます。クレームなら保護者が求めていることを理解できますが、嫌味や皮肉の多い保護者の場合は、どのような反応をすればいいのか悩んでしまいます。
時には、とても意地悪なニュアンスで、若いことや独身であることを見下したような発言をすることもあります。その度に保育士さんは傷つき、保護者に対して心から打ち解けることができなくなってしまいます。
③保育士と話したがらない保護者
保育士と目を合わせず、送迎の際には逃げるようにその場を去っていく保護者は、何故そのような行動をするのでしょうか。保育士を避けたい理由が気になって、悩んでしまう保育士さんもいます。
送迎時に会話をするチャンスがないので、保護者と保育士の距離はなかなか縮まらず、信頼関係を築くのに苦慮します。保育士さんにとって、保護者が何を考えているのかわからない状況はストレスにもなりますね。
保育士さんが体験した「人間関係の悩み」
現場で働く保育士さんの声を聴いてみましょう。これからご紹介する3つの悩みは、保育業界ではよくある話ですが、当事者である保育士さんにしてみれば、人間関係の悩みは「出口の見えないトンネル」のようで、精神的にも参ってしまいます。
1.「先輩が口をきいてくれません」(24歳・女性)
3歳児のクラスを2人で担任していますが、もうひとりの保育士(先輩)が口をきいてくれないので悩んでいます。
最初のうちは「仕事上の会話」をしていましたが、1か月ぐらい経つと全く口をきいてくれなくなりました。自分が悪いのかと悩み、他の同僚にも相談しましたが、先輩を怒らせるようなことはしていないと思います。
子どもたちに対しては普通に話しているのに、同じ担任の私とは口をきかないなんてありえないと腹が立ちます。そのうち、深く考えるのも嫌になり、先輩なんかどうでもいいと思うようになりました。クラス替えのある新年度が待ち遠しい今日この頃です。
2.「園長のパワハラで体調を崩しています」(35歳・女性)
子育てのために仕事を辞め、ブランクを経て30代半ばになってから復職しました。働き始めてから1年、この保育園に就職したことを後悔しています。男性園長によるパワハラがあって、仕事に集中できないのです。
何か意見を言うと頭から否定され、言わないでいると「ベテランなのに言うことはないのか」と強く叱責されます。パワハラは一日に何度もあるので、「今、何で怒られているのか」とわからなくなることがあります。
最近は体調にも影響があり、家族にも心配をかけているので、退職しようと考えています。あの園長がすんなり辞めさせてくれるか心配ですが。
3.「クレームが多い保護者の対応に悩んでいます」(22歳・女性)
今年度から4歳児をひとりで任されたので、自分としてはすごくはりきっていたのですが、経験が少ないせいか数人の保護者からクレームがきて困っています。
私が贔屓しているとか、対応が冷たいとか、他の先生と比べて批判します。園長や主任にまで「担任を替えてほしい」と訴えている保護者もいます。クレームを入れている保護者同士が情報を交換しているようで、今度は複数で苦情を言いに来るのではと、毎日怯えています。
保育士さんのお悩みがスッキリ!解決法をご紹介
人間関係に悩む保育士さんの気持ちが、少しでも軽くなるような解決法をお伝えします。効果は個人差がありますが、自分にできそうな方法は一度試してみることをおすすめします。
上司(園長・主任)とうまく付き合う方法
上司(園長・主任)との間には上下関係があるので、どんなに問題がある相手でも「従う姿勢」を見せることがポイントです。ダメ上司にうまく従う方法を覚えておけば、落ちついて対処することができます。
①園長の言うことを否定しない
パワハラをする園長の特徴は、保育方針がグダグダで、自分に自信がないことです。保育士たちになめられているのではないかと、いつも不安なのです。そんな気持ちの裏返しで、自分は保育士たちより上なのだと、思い知らせるためにパワーを誇示します。
ダメな園長は保育士たちを説得する力がないので、賛成意見以外は受けつけません。保育士が思ったことを言って、それが気に入らないと「否定された」と受けとめます。イエスマンしか認めない園長は、何を言っても無駄なのです。
無理にお世辞を言う必要はありませんが、余計なことは言わず「そうですね」と曖昧に同調するようにしましょう。自分の「反抗的な気持ち」や「呆れている気持ち」を、園長には見せないよう表情や態度には気をつけたいですね。
②「すみません」でごまかしてもいい
上司から注意や叱責をされた時は、言い訳や事情を話すよりも先に「すみません」と言ってしまいましょう。
「すみません」はとても便利な言葉で、怒っている相手にとりあえず言うことで、反抗していないという姿勢を見せることができます。
何でもすぐ怒る上司は、その場の事情を知りたいわけではなく、自分のパワーを誇示できるチャンスを狙っているのです。保育士から「すみません」と言われることで、上司は「従わせた」という自尊心が満足します。
③押しつけられた仕事は全部やらなくてもいい
上司は「仕事を押しつける相手」を選んでいます。仕事が丁寧な保育士を信頼して、大事な仕事を任せています。だからといって、押しつけられた保育士さんにとっては、自分の仕事ができなくなるので困ったものです。
上司に仕事を任されたら、「最後までできないかもしれません」と最初に断っておくと、中途半端に終わった時の予防線になります。それでもいいと言われたら、無理なくできる所まで済ませて、あとは「すみません」と謝って上司に戻しましょう。
保育士さんに任せても、あまり頼りにならないことがわかれば、仕事を押しつけることも少しずつ減ってきますよ。
「同僚」とうまく付き合う方法
同僚との人間関係では、苦手なタイプの人とうまく付き合うための「心構え」が必要です。少なくともお互いに気心が知れるまでは、下記のポイントを意識して仕事をしましょう。
①一緒に悪口を言わない
同僚に誰かの悪口を聞かされたら、自分も一緒になって言うのは絶対に避けましょう。たとえ同じことを思っていたとしても、悪口を言い合うグループに入らないようにします。
悪口ばかり言っている同僚は、少しでも同調すると「〇〇さんが言っていた」と言いふらし、いつの間にか「悪口の首謀者」に仕立て上げることもあるので危険人物です。
悪口への対処法は、「そうでしたか」「自分は鈍感なので」「うーん」など、肯定でもなく否定でもない、気持ちがわかりづらい曖昧なリアクションを見せることです。
②保育観の違いを正そうとしない
保育士は、自分と同僚の保育観が違うと感じた時、相手に対して否定的な気持ちが芽生えます。仕事で意見が合わないことがあると、相手の保育観を根本から正したくなり、つい批判的な発言をしてしまいます。
保育観とは、人間性のベースとなっている価値観が影響するので、頭ではわかっていても変えることは難しいものです。同僚の保育観を受け入れつつ、自分の気持ちに折り合いをつけながら仕事をするようにしましょう。
③なるべく笑顔を向ける
たとえ、口を利かないような同僚や、嫌味を言う同僚でも、なるべく笑顔で接するようにしましょう。態度が悪い人に対して、同じような態度で接するのは「保育士らしい行動」とはいえません。
気持ちのコントロールが必要ですが、口角を上げて表情だけでも笑顔にしていると、モヤモヤが少しだけ軽くなります。
笑顔(太陽)の暖かさを感じることで、意固地な同僚(旅人)の態度が軟化するかもしれません。童話「北風と太陽」を信じて、嫌な同僚でも笑顔を向け続けましょう。
「保護者」とうまく付き合う方法
保育士さんにとって、苦手な保護者と関わるのは大きなプレッシャーです。できれば避けたいと思うのも当然のことです。自分はどうすればいいのか、何か方法はないのか、答が見えてこない状況は本当に辛いですね。
解決法を模索する前に、一旦立ち止まって考えてみることをおすすめします。下記は、保護者との関係を前進させるためにとても重要なことです。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
①人と接するのが苦手な保護者もいる
保護者の中には、保育士とあまり接したがらない人もいます。なんとなく避けているようにも見えるので、担任の保育士さんは「何か気に入らないことがあるのでは」と悩みますが、実は「人と接するのがとても苦手」という事情が隠れていることもあります。
人と接するのが苦手な保護者は、保育士との会話にも「極度の緊張感」があります。本人にとって負担の少ないコミュニケーションの仕方を提案して、少しずつ関わりを深めていくようにしましょう。
②クレームの背景を考える
保育士は、ついクレームに対する問題解決ばかりを気にして、時にはモンスター扱いすることもありますが、保護者の「本当の気持ち」や「クレームを入れる背景」を考えてみることで真実に近づくこともあります。
たとえば、下記のような問題を抱えていることが原因で、クレームという行動につながっていることがあります。
- 相談できる人がいない
- 夫が子どもに無関心
- 友だちがいない
- 義母のプレッシャーがきつい
- 初めての子どもだから何もかも不安
保護者の「本当の気持ち」や「クレームを入れる背景」を理解できれば、相手に寄り添った支援をすることができます。保育士に親しみをもてるようになれば、クレームの数はきっと減っていきますよ。
人間関係をうまく乗り切るためのコツ
人間関係に問題のある職場では、自分の意識を変えることも重要です。次に紹介する「考え方のコツ」を意識することで、割り切って仕事をすることができます。
1.聞き役にまわる
雰囲気の悪い職場では、積極的に自分の意見を言っただけで、生意気で図々しいと嫌われてしまうこともあります。保育士さんは「聞き役」になることを意識して、厄介な同僚との打ち合わせをやり過ごすようにしましょう。人間関係に問題のある保育園では、自分をフルに発揮することは期待できません。
2.「人間関係も仕事のうち」と考える
人間関係と仕事を切り離して考えると、上司や同僚に余計な期待をしてしまいますが、問題のある人と関わるのも仕事のうちだと考えることで、気持ちを割り切ることができます。
相手が良い方向へと変わることを期待していると、いつまでも悩み続けることになります。職場の人間関係はあくまでも仕事なのだと、気持ちを整理しましょう。
3.「いつか退職する」という目標をモチベーションにする
いつか辞めることを心の中で決めていると、「いつまで我慢すればいいのか」という絶望感から抜け出すことができます。また、いつでも辞められるという気持ちが自分を楽にして、気の済むまでがんばってみようというモチベーションになります。
解決法を試しても変化がなかった時は
人間関係の悩みを解決する方法やコツを実践してみても、あまり効果がなかった時は、今後のキャリアについて検討するチャンスだと考えましょう。
このまま今の職場で働き続けるとどうなるか
これから先も今の職場にずっと居続けると仮定して、人間関係の問題がクリアになる見込みはあるでしょうか。下記のポイントを参考に、今後の保育園について想像してみましょう。
- 園長のパワハラはなくなりそうか
- 園長の方針に共感できそうか
- 同僚が退職する可能性はあるか
- 同僚の態度や行為は改まりそうか
- 保護者との信頼関係は築けるか
- 職場の雰囲気は改善されるか
「人間関係の悩みは今後も解決されない」と判断したら、今の職場に見切りをつけて転職することをおすすめします。今までがんばってきた自分を、そろそろ労わってあげましょう。
今すぐ退職した方がいいケースもある
人間関係のストレスを抱えている人はたくさんいますが、中には、すぐにでも退職または休職した方がいい保育士さんもいます。下記のサインがあったら、既に体調を崩している可能性があるので、医師や専門家に相談してみましょう。
- 身体が疲れていても眠れない
- いつもイライラしている
- 自分はダメな保育士だと思う
- 仕事のことを思うと涙が止まらない
- 子どもたちを可愛いと思えなくなった
- 食欲がない
- 保育園に行くのが億劫で辛い
保育士さんが体調を崩してしまったら、休職・退職・転職のタイミングについては、主治医の先生と一緒に考えるようにします。
転職して悩みが解決する保育士は多い
仕事を辞めて転職先が本当に見つかるのか、不安を感じている保育士さんもいるでしょう。転職をおすすめする理由は、世の中に「保育人材のニーズ」がたくさんあるからです。
一般的な保育園だけでなく、「企業内保育」「小規模保育」「株式会社の保育園」など、新しいタイプの保育施設がどんどん増えているので、保育士さんの転職先の選択肢が広がっています。
新しい保育園に移り、穏やかな職場環境の中で、安心して働く喜びを実感している保育士さんはたくさんいます。「もっと早く転職すれば良かった」との感想も数多く聞かれます。
人間関係が良好な職場を見つけるには
人間関係で退職した保育士さんは、職場選びに失敗したくないという思いが特に強くなります。雰囲気の良い職場かどうか「求人票」だけで確認することは難しいので、下記の方法で転職すればミスマッチを避けることができます。
できるだけ多くの保育園情報を集める
気になる保育園を見つけたら、そこで実際に働いた経験のある保育士さんの情報をたくさん集めましょう。友人知人のネットワークを使って、より多くの保育士さんから保育園の実態を聞くようにします。保育園への評価が一致すれば、かなり信用できる情報となりますね。
まずは派遣で働いてみる
最初から正職員で採用されると、後で人間関係の問題がわかっても辞めづらくなります。先に派遣として働いて、職場の雰囲気を確かめてから正社員になれる「紹介予定派遣」という転職の仕方があることを覚えておくといいですね。
転職サービスに相談する
「転職支援サービス」に登録して、保育士専門のエージェントに相談しましょう。保育士の求人情報をたくさん持っているので、希望に合った職場が見つかります。人間関係で退職したことをふまえて、職場の雰囲気が良い転職先を紹介してくれますよ。
人間関係でお悩みの保育士さんへ
保育士さんが人間関係の問題を解決する方法と、職場の人とうまく付き合うためのコツをご紹介しました。
職場の人間関係を改善するために、最善の努力をしても状況が好転しなかったら、保育士として自分のキャリアをどう判断するのか考えることが重要です。
人間関係に悩み続けるということは、自分の人生を振り回されるということです。自分を大切にして、自分にとって良い方向へと進むことで、今までよりもっと質の高い保育ができるようになりますよ。