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CME保育士コラム

パート勤務で知りたい!所得税・社会保険料はどうなる?年収の壁とは?

正社員よりも働きやすい「パート」という働き方。

保育園でもパートとして働く人はたくさんいます。実際にパート就業者向けの求人も多いので、「通勤しやすい場所か」「時給がいいか」などの希望条件も満たしやすく、保育園で働きたい人の選択肢としてメジャーな働き方です。

 

とくに近年は、ワークライフバランスや多様な働き方が可能な社会に向けて、社会保険の加入対象の拡大などパート就業者でもより手厚い補償を受けられるよう、国の制度も変わりつつあります。

 

「育児や介護などで正社員として働くのは難しいけど、好きな仕事は続けたい」

「保育士資格は持っていないけど、子どもと関わる仕事がしたい」

 

このような保育園でパート勤務をしようと考えている人に、今回は、所得税や社会保険の給与待遇など転職活動や職場復帰に役立つ情報をお伝えしていきます。

 

パート就業者の社会保険

それでは、ここからパート就業者の社会保険についての説明です。

 

社会保険とは、健康保険・雇用保険・厚生年金保険・労働者災害補償保険(労災保険)・40歳以上が加入する介護保険から構成される公的な保険制度の総称のことです。一定の条件を満たす会社すべてに加入義務があるので、正社員で働く人のほとんどは社会保険に加入しています。

それが先述の通り、近年、社会保険の加入対象の拡大のための制度が改正され、多くのパート就業者が加入対象に該当するようになりました。以前からパートで働いている人も、改めて確認してみましょう。

 

なお、社会保険のうち、労働者災害補償保険(労災保険)は事業所が強制加入しなければならないものです。業務中や通勤途中などで起こったケガや病気、障害、あるいは死亡した場合に給付金が支給される制度で、従事者の負担はありません。

 

他の社会保険については、わかりやすく加入要件ごとに次のように分けました。

 

 

◆厚生年金保険・健康保険・介護保険

この3つはセットです。年金保険だけ入る、ということはできません。

 

パート就業者でも以下の要件を満たす人は、社会保険に加入する必要があります。

・1週間の所定労働時間と1カ月の所定労働日数が、同じ会社の同様の業務に従事する正社員の4分の3以上

 

これはたとえば、正社員が週40時間の月20日程度勤務する保育園において、週30時間の月16日以上働く人は、パート従事者であっても社会保険加入に加入しなければならないということです。

 

さらに2018年10月以降、次のように適用範囲が拡大されました。

 

・所定労働時間が週20時間以上である

・月額賃金8.8万以上(年収105.6万以上)である

・勤務期間が1年以上の見込みである

・学生ではない(通信制や夜間制の学生は対象となる)

・従業員規模501人以上の会社で働いている

・500人以下の会社の場合、労使によって合意がなされている

 

これらの要件を満たし加入したとき、何が変わるのかそれぞれ説明していきます。

 

〇厚生年金保険

年金制度は国民皆年金であり、「2階建て」年金の構成をとっています。全国民共通の国民年金(基礎年金)と、サラリーマンなどを対象とした被用者保険(厚生年金)です。この厚生年金に加入すると、年金を多く支払っているぶん将来もらえる年金も国民年金(基礎年金)のみを支払っている人と比べて多くなります。

 

この老齢年金の他にも、支給要件はありますが、「遺族年金」と「障害年金」についても基礎年金に加えて厚生年金分が上乗せされます。

遺族年金とは被保険者が亡くなったときに遺族に支給されるもの、障害年金とは傷病によって所定の障害の状態になった者に支給されるものです。

 

〇健康保険・介護保険

介護保険は、40歳以上の者が加入するもので、健康保険とあわせて医療保険とも言います。そして、年金保険と同様に国民皆保険の仕組みをとっています。社会保険に加入せず、配偶者等の扶養に入っていない人は、自身で国民健康保険に加入し、市町村から送付される納付書で保険料を納めなければなりません。

 

受診したときに窓口の支払いが3割になるのは、この制度があるからですね。出産したときに、一律42万円の出産育児一時金が支給されるのも健康保険からです。他にも、高額療養費の適用や埋葬料(葬祭費)の支給などさまざまあります。

 

社会保険に加入するメリットは大きく2つ。傷病手当金と出産手当金です。

傷病手当金とは、病気やケガの療養のために4日以上仕事を休むときに一定金額が支給される制度。もうひとつの出産手当金とは、産前産後休暇中に給料が発生しない人などを対象に給与の2/3が支給される制度です。

 

 

◆雇用保険

雇用保険の加入要件は次の通りです。

 

・31日以上引き続き雇用される見込みである

・1週間の所定労働時間が20時間以上である

 

先ほどよりわかりやすい要件ですね。雇用保険は、労働者の生活や雇用の安定など労働者を対象にした給付と、働く意欲のある求職者への給付を行う制度のことです。

具体的には、失業手当・就業促進手当・教育訓練給付金・育児休業給付金・介護休業給付金などがあります。

 

 

ここまでを整理すると、

▶正社員の労働時間や日数の4分の3以上就業するなら、社会保険へ加入

上記を満たさない場合でも、

▶週20時間以上の就業なら、雇用保険に加入

▶さらに賃金など他の要件を満たせば、健康保険・年金保険・介護保険に加入

つまり、

▶労働時間が週20時間未満の人はいずれの社会保険にも加入できないため、配偶者の扶養に入るか、国民健康保険と国民年金に自分で加入して納める必要がある

ということです。

 

 

よく聞く年収の壁とは?

配偶者の扶養に入っている人、もしくは父親か母親の扶養に入っている人にとっては、この扶養をはずれるべきか迷う人は多いでしょう。

 

現在、配偶者の扶養に入っている人は、すでに配偶者の給与と配偶者の会社から社会保険料が支払われています。そのため、パートで働いたら時給分そのままが支給されますが、扶養をはずれるとその給与からさまざまな税金が差し引かれることになります。

 

よく「〇〇万円の壁」と聞きますが、一定年収以上の給与をもらうと自己負担する必要がでてくるときに「壁」と言われています。

およそいくらの年収を超えると扶養からはずれるのか、配偶者の税負担が変わるのか、それが次の通りです。

 

◆100万円の壁・・・住民税が課せられる

◆103万円の壁・・・所得税が課せられる

◆106万円の壁・・・社会保険の加入要件を満たす場合は、扶養からはずれる

◆130万円の壁・・・扶養からはずれるため、自身で国民年金と国民健康保険に入るか勤め先の社会保険に加入する必要がある

◆150万円の壁・・・配偶者の所得から控除できる「配偶者特別控除」の額が段階的に減る

◆201万円の壁・・・「配偶者特別控除」の適用外となる(一切の控除ができなくなる)

 

配偶者控除は、2018年より、『世帯主の年間の合計所得金額が1,000万円(給与収入のみの場合は年収1,220万円)以下である』という項目が追加されています。

したがって、配偶者が高所得者の場合は、そもそも控除を受けられないということです。

 

一方で、これまで配偶者控除を気にして103万円までの年収に抑えていた人にとっては、改正後は150万円まで控除が受けられるようになっています。

 

扶養の範囲で働きたい人は、配偶者等の所得や考えてシフトに入る必要がある人もいるかもしれませんね。家族手当が支給される会社に勤めているならば、その要件を確認しておくことも必要です。

 

 

「パート」でも働き方はさまざま

今回は、パート就業者の働き方を社会保険や配偶者の扶養の側面から解説しました。

 

配偶者の扶養内で働くことを重視する人もいれば、社会保険に加入した時のメリットを重視する人もいるでしょう。何を重視するかによって、同じ「パート」でもその働き方はさまざまです。

 

「出産しても働き続けたい」と考える人にとって、扶養をはずれてでも社会保険に加入するメリットは大きいと言えますが、今後出産の予定がない人にとっては扶養に入ったままの方がいいのかもしれません。

 

仕事探しにおける自身の現状を見直し、正社員とパート従事者で業務内容にちがいがあることも考えながら、改めて「育児と両立したいからパートで探そう」「パートでも扶養の範囲で働く方がいいな」など、働き方の希望を明確にしていきましょう。