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CME保育士コラム

保育施設別の給料・勤務時間・仕事内容の違いをプロが解説

「保育士=保育園で働く人」というイメージをもつ方は多いでしょう。しかし実際は、保育士が働く職場は多岐にわたっています。

「児童福祉施設」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
児童福祉施設とは、児童福祉法に基づく施設のことで14施設あります。保育士は、その多くの施設で働くことができます。

まず、保育所保育士の仕事内容から見ていきましょう。

仕事内容は大きく分けて3つあり、主要な業務は「保育」です。
朝の会→午前の活動→昼食→午睡→おやつ→帰りの会→お迎えまでの自由保育…という基本的な流れのもと、担任となるクラスの年齢・月齢や発達状況に合わせて保育を行います。

会話ができない0歳児は、ミルクの頻度から家庭で食べさせたことがある食材、落ち着く環境(横抱きが好き、お気に入りの決まった毛布でないと眠れない、など)など、入園前にしっかりとヒアリングを行い、より保護者と情報を共有しておく必要があります。

また、言葉を獲得していく1歳児には、伝えようとしている言葉をくみ取ると同時に、「お外に行きたいんだね」「お花が咲いているね」などと言語化してあげることで言葉の獲得を促し、他の子どもとの関わりが活発になっていく2歳児には、相手の思いに気付けるように保育士が適切に仲立ちします。

午睡中には、0・1・2歳児は5~10分毎に呼吸チェックを行うことが必要で、休まる時はほとんどありません。

そして、「保育」をする上で最も重要なのが養護的視点。
例えば、朝の受け入れ時に昨日までと変わったところは無いか視診を行いますが、子どもの表情・様子から家庭状況の異変に気付くことがあります。
その他、朝の受け入れ時の視診では、怪我をしていれば家庭内か園内で負ったものかを明確にすることでトラブルを防いだり、虐待が疑われるような場合には、通告義務を果たすなども保育士に期待される役割の一つです。

ですが、「最近、元気なく登園することが多いな」と思った子どもの保護者に「変わりありませんか?」と声掛けしてみると、実は保護者の仕事が通常より忙しくなり「家庭で過ごす時間にも余裕がない」と話しがあったり…、保護者との会話や連絡帳からだけでなく、あらゆる側面から子どもの状況を把握することは、一辺倒に関わるのではなく一人ひとりの発達や家庭事情に則した関わりをするうえで、とても重要になってきます。
もちろんその逆もあり、保護者との会話がきっかけで園生活での子どもの様子を注視するきっかけになることも。

ここで、2つ目の仕事内容として説明する「保護者への子育て支援」にもつながります。
連絡帳や送迎時の会話など「日常の保育を活用した支援」から各世帯の状況に配慮した「個別の支援」まで、職員間で家庭の問題や支援の役割を共有しておくことが大切です。

上記のケースで言うと、「仕事が忙しい時期に限り、保育園への持ち物に不備があったとき、園で貸し出せる物であれば口頭で伝えるのは2回に1回でとどめておこう」または「〇〇ちゃんも保育園で頑張っていることを積極的に伝えていくことで、お母さんの気負いを和らげよう」などが、保護者への子育て支援にもなります。

他にも、虐待の疑いなど保育園内だけで抱えられない問題に直面した時は、自治体の家庭相談室や児童相談所などの関係機関と連携し、要保護児童対策地域協議会で検討するなど、適切な対応を図らなければなりません。
そうなる前に、保育士は日々のやり取りの中で信頼関係を築くことに努めたり、定期的に家庭訪問を実施したりする保育園もあります。

3つ目の仕事内容は、「クラス運営と園行事の準備と運営」。
担任となるクラス運営が円滑に進むためには、下準備が何より重要です。保育園によって異なる保育理念や指針に則って、年齢ごとに保育の全体的な計画を作成します。その他、年間・月間・日間ごとの保育案や、一人ひとりの個別計画と記録、保育活動の指導案など、クラスを運営するために作成する書類は大量です。
日々の保育をより良いものにするために、PDCAサイクルのもと常に振り返る必要があるのです。

クラスの運営だけでなく、同時に園行事の準備と運営を行うのも保育士の仕事の一つ。
入園式・運動会・発表会・遠足・卒園式など、季節感を味わえるよう年間を通して様々な行事が企画されているところがほとんどです。それらの行事が円滑に進むよう、本番当日までに下見や事前打ち合わせ・練習を重ねます。

保育園の利用者は、核家族の増加や障害児保育の利用者増加、外国人世帯の増加などにより、年々、多様化・複雑化していっています。夜間対応保育園や24時間保育園の需要がある背景には、そのような事情を抱えた子どもや保護者が多いということ。
児童相談所や児童発達支援センターなど、他機関で連携していく機会も以前に比べて増えつつあります。

保育園

保育園とは、親の就労や家庭状況により、保育を必要とする子どもを主に日中に預かり保育する施設のこと。保育士が働く代表的な職場です。

保育園には、認可保育園と認可外保育園があり、名前の通り自治体から認可を受けている保育園か否かの違いですが、認可を受けるためには様々な最低基準をクリアする必要があります。
受け入れ人数に対する必要な保育面積、給食室や静養室などの設備基準、保育士の人員配置基準などがその一例です。

それから、受け入れる人数や対象児童の年齢、運営主体などによって、「公立保育園」「私立保育園」「小規模保育園」「事業所内保育園」の4種類に分かれますが、最初に認可外保育園について詳しく説明していくこととします。

認可外保育園

認可外保育園とは、先述の通り、自治体による認可を受けていない保育園のことです。最低基準をクリアする必要がないため、法的には無資格者でも働くことができます。

しかし実際は、保育事故のリスクを減らすためにも保育士の資格所持者を採用する認可外保育園が多いのが現状です。

というのも、認可外保育園の中には、自身の園の方針のもと敢えて認可を受けないところもあるためです。

認可保育園は、入園申請と入園認否は自治体を通して行われ、利用者は保育料の負担が同等となるよう所得基準に応じた保育料が徴収されます。同じ保育園内に、共働きで世帯年収がかなり高い世帯がいる一方で、生活保護を受けている世帯もいるという場合もあるのです。しかし、認可保育園は福祉施設であるという位置づけから、低収入世帯の負担増とならないよう保育料以外で必要になる教材費等は最小限に抑える必要があります。

それに比べて認可外保育園は、保育料を独自に設定することができる上、ネイティブによる英会話教室や専門コーチによる音楽・体操指導など、乳児のうちから高度な教育を取り入れることで幼稚園や認可保育園との差別化を図るところもあります。

つまり、認可外保育園は自由度が高いために、園の保育方針や保育者に求める専門性はピンキリ。
給料も、徴収する保育料を設備・教材等の必要経費にまわす必要があるため一概には言い難いですが、概ね手取り給与15~30万と差が大きいのが特徴です。

勤務時間は認可保育園と同様のところが多く、概ね「早番(開園前~16時まで)」「中番(9時~18時)」「遅番(11時~閉園後まで)」の3パターンのシフト制で回します。

次に、受け入れる人数や対象児童の年齢、運営主体などによって異なる保育園4種類についてです。

公立保育園

公立保育園は、市町村などの各自治体が運営し、0~5歳児までの子どもを受け入れる認可保育園のこと。自治体が設置しているため、公立保育園は全て認可を受けています。各保育園の特色がないのが特徴です。

給料・手当は、公的施設である分、私立保育園よりも少し優遇されているため待遇の満足度が高く、保育士の在籍年数も比例して長い傾向にあります。

給料は地域差があるものの、新卒の額面で20~22万のところが多いです。

勤務時間は、概ね「早番(開園前~16時まで)」「中番(9時~18時)」「遅番(11時~閉園後まで)」の3パターンのシフト制。
一部の公立保育園では土曜保育を実施していないところもあり、平日だけ勤務する保育園もあります。

私立保育園

公立保育園以外の保育園を言い、同じく0~5歳児までの子どもを受け入れています。最も多い運営主体は社会福祉法人。法人の理念に則した保育理念・保育指針によって、同じ保育園でも特色が様々です。

園内菜園を設け、種植えから収穫作業を通して食に感謝の心をもてるようになる「食育」に力を入れる保育園、リトミックなどのリズム遊びを積極的に取り入れ、自己表現と身体能力の向上を目指す保育園、など…。
自分が理想とする保育像に合わせて、就職先を探すことが可能です。

新卒の手取り給与は、公立保育園とほぼ同じ額面20~22万。しかし、在籍年数を重ねるにつれて俸給アップに差が付き、平均在籍年数が20年の主任保育士クラスになると約10万円も給料に差がつくというデータもあります。

また、勤務時間についても公立保育園と同じところが多いです。土曜保育は全ての私立保育園で実施されており、夜間対応・24時間保育園になるとシフトパターンがさらに多く、意識的に職員間の情報共有に努めるよう求められます。

小規模保育園

0~2歳児の子どもを受け入れる保育所で、受け入れの定員は19人以下と定められています。定員が少ないため園行事は小規模、行事の数も少ないところが大半です。5歳児までを受け入れる私立保育園のように、準備にかなりの時間を要することはほとんどないと思って大丈夫でしょう。
しかしその分、一人ひとりの発達や環境に合わせた丁寧な関わりが求められています。

また、社会問題として認識されるようになった保育所の待機児童問題は、その多くが0~2歳児です。そのため、その年齢を受け入れる小規模保育園は問題解決の一助を担っています。

実際、後で説明する事業所内保育園でも、子どもを保育園に入れられない社員のために小規模保育園を設置している会社は少なくありません。「事業所内保育園×小規模保育園」で、待機児童数を減らし復帰しやすい会社づくりを目指しているところが増えてきています。

給料は、平均的な相場では手取り18~20万ですが、認可を受けている小規模保育園か否か、また運営主体によって異なります。
無認可よりも認可園の方が、中小企業よりも社会福祉法人の方が、社会福祉法人よりも大企業の方が、給料面で見たときに優遇されています。

勤務時間については、私立保育園と同様に「土曜保育ありの早番・中番・遅番の3パターンのシフト制」が基本です。

事業所内保育園

事業所内保育園とは、企業や病院、個人が経営する保育施設のこと。
運営側に保育や福祉のノウハウがない場合もあり、一から作り上げていく必要があるため大変な一方で、自分のやりたい保育が実現しやすいでしょう。

給料は、やはり運営主体によって差があります。
病院の事業所内保育所の場合は、夜勤や急患対応のスタッフのために24時間預かるところもあるため、夜間手当などが加算される影響で給料が高いところが多いです。

病院だけでなく、事業所内保育園の勤務時間は、その事業所の勤務時間に合わせます。
つまり、土日勤務の事業所であれば保育園も土日に勤務する必要があるということ。預かり子どもの背景が見えやすいので、柔軟な保育が特に求められます。

認定こども園

内閣府が設置した幼保連携型の教育・保育施設。
保育を必要としない子どもと必要とする子どもを一緒に預かることで、保育の受け皿を増やすことが目的です。

保育士の資格だけでなく幼稚園教諭の資格も必要ですが、特別措置として、就労開始後に足りない資格を取得することが認められています。
幼稚園は、近年、急速に認定こども園化が進んでいます。とは言っても、昨年の保育料無償化の後押しもあり、受け皿がまだ足りず保育士の需要も高い職場と言えます。

仕事内容や給料、勤務時間は、私立保育園とほぼ同様です。

児童相談所

児童相談所は、児童に関する総合相談窓口が基本的な役割です。その他、児童と家庭の抱える課題に応じて継続的なカウンセリングや面談を行ったり、最適な施設への入所措置や、入所措置が決定するまでの一時保護施設としての役割も担っています。

ここでの「保育士」としての仕事は、一時保護された子どもの保育を日夜行うこと。
一時保護は、原則、最大2週間までです。施設入所を控えた子どもや、親などの虐待から緊急保護された子どもなど、いずれにせよ今後の生活に不安を抱えている子どもばかりが入所しています。受容的共感の姿勢で、子どもたちの不安を受け止める必要があります。

勤務体制は24時間で、日勤(8時~17時)を基本として、定期的に夜勤があります。
給料は、額面20万円に夜勤手当や処遇手当など手当てが加算され、手取りは20万円~の自治体が多いです。

放課後児童クラブ(学童クラブ)

小学生のうち留守家庭児童を対象に、学校の放課後や土日、夏休みなどの長期休暇に子ども預かる施設です。子どもの宿題をみたり一緒に遊んだりする中で、生活習慣の確立や健全な育成を図ります。

ここで働く「放課後児童支援員」は、資格要件に「保育士資格を所持しているもの」とあるため、実際に多くの保育士が働いています。

また、自治体から委託された民間業者や社会福祉法人が行う「公営の施設」と、一般の民間業者による「民営の施設」がありますが、給料は「民営の施設」で手取り16万円~。
ただ、資格や経歴加算があるところも多いようです。

児童館

児童館は、地域の親子の居場所づくりに努め、子どもの健康や情操を豊かにすることを目的とした施設のこと。児童厚生施設とも言います。「児童の遊びを指導する者(児童厚生員)」として、保育士資格で働くことが可能です。

児童厚生員は、子育て情報を提供したり支援活動の広報・周知に努めます。
また、子どもが意欲的に遊びたくなるような、または再来館したくなるように本やおもちゃを取り揃えたり、イベントを開催したりします。このイベントに来る人数などは、地域のニーズを掘り起こし次の支援活動につながるきっかけにもなり得ます。

最も重要な役割は、子どもやその保護者の居場所を見つけることです。
来館した親子とコミュニケーションをとりながら、児童館に期待していることを汲み取り、「同年齢の子をもつ親子を紹介する」というのはその一例。
設置数が多い児童館は、地域の子育て支援ニーズを把握しやすく、公的支援のつながりではなく地域とつながりをもつ窓口となることが期待されています。

9時~18時の日勤を中心に、児童館の開館時間によってシフトで変動し、給料は約17~18万円です。

病児・病後児保育施設

医師の診察を受け、風邪など軽度の病気で経過観察中の「病児」や、病気から回復して間もない「病後児」のうち保育を必要とする子どもに対し、日中の保育を行う施設です。
医師が常駐している小児クリニックに併設されていることが多く、対象年齢は、基本的に生後6カ月~小学校6年生まで。受け入れた子どもが病児保育室内で感染しないよう、必要な時は別室で保育したり、食事や排せつのタイミングをずらすなどの配慮をします。

また、処方された薬を服薬させたり、頻繁に検温したり、ミルクや食事、午睡の状況など一日の様子を事細かに記録したプリントを、迎えに来た保護者に渡します。
利用する児童やその病状は様々で、中にはアレルギーをもつ子もいますが、持参する昼食のお弁当や服薬等を取り違うことが無いよう、常に最新の注意を払うことが大切です。

勤務時間は、予約を受け付ける8時~17時・9時半~18時半などのシフト制。給料は17~20万円です。

母子生活支援施設

DV被害や精神病、経済的事情など様々な理由により、安定した生活を送ることが難しい母子世帯(離婚予定の母子も含む)を保護するとともに、退所後に自立した生活を送れるよう生活基盤を整えていく施設です。全国に232ヶ所あります。

ここでの主な職種は「少年指導員」と「母子支援員」ですが、「少年指導員」は仕事内容の特性上、保育士が多く務めています。
また、施設内に入所する未就学児の預け先として保育室を設置しているところもあり、そのような施設は「保育士」として働くこともできます。

各世帯の問題・環境に合わせて作成する自立支援計画のもと、子どもと母親それぞれへの支援を職種間で連携・共有しながら世帯全体の自立に向けて支援していく必要があります。

保育士の主な仕事内容は、就労や病気の母親に代わって日中に保育を行うこと。作成した保育計画を踏まえて、製作・音楽・運動などの「遊び」を取り入れ、その中で社会性や自己の確立を促していけるよう適切な声掛けや介入を行います。このような保育士の役割は、外部の保育園と共通する部分ですが、母子生活支援施設の保育士の業務の特徴は、より個々の家庭状況に配慮した保育や支援が求められることです。

例えば、仕事の都合で保育室が開く早朝に子ども預けたいとき、事前の申し出で人員を配置します。また、連絡帳から家庭での食生活に心配があると分かると、保育室内の様子を基に食事のアドバイスを行うだけでなく、手軽に作れて栄養も取れる食事を母子の居室で実際に一緒に作ったり食事介助の仕方を伝授します。

「少年指導員」は、平日の下校後や週末の日中に子どもたちが集まって過ごせる場所を提供し、一緒に遊んだり宿題を見たりする中で子どもたちと関係を築くことが最も大切です。
また、不登校児や学習室に来るのが苦手な子どもへも、居室へ連絡・訪問したり登下校に付き添ったりします。中高生は進路にも関わってくるため、学校の先生とも頻繁に連絡を取り合い、学校と施設それぞれの様子を伝えあうことで、支援に穴が生じないよう情報を共有します。
他にも、支援する子どもに発達障害児もいれば知的障害児もいます。最も多いのは、被虐待児です。児童相談所や児童発達支援センター、医療機関と連携をとりながら各機関の役割のもと、対象の子どもへ支援していくことが重要です。

母子生活支援施設は、母子で入所するという施設の特徴から外部の保育園や入所施設と比べて世帯へ介入しやすく、「育児の心配は、助言を行うだけでなく一緒に取り組む」ことができます。しかし、あくまで退所後の自立した生活を過ごせるように支援する必要があるので、なんでもやってあげればいいという訳ではなく、「適切に」介入することが望まれます。

勤務に、施設が閉門する時間から翌朝開門するまでは休息をとれる「宿直勤務」があり、食直勤務に加えた早番・中番・遅番のシフト制で勤務します。
以下はその一例です。
(8時~17時、9時半~18時半、10時~19時、11時~20時、13時~22時、6時~15時)

給料は、新卒給与で約20万円というところが多く、そこに宿直手当や特殊業務手当などの各種手当が加算されます。

乳児院

全国に136ヶ所あり、児童養護施設と同様に、保護者がいない子どもや環境上養護が必要な子どもが入所します。
原則、乳児が入所しており(特別な事情がある場合は、小学校就学前まで入所可能)、
退所の年齢になると児童養護施設に移行するケースが多いです。

生まれた助産施設を退院したまま入所するケースも多く、職員は24時間体制で子供たちを養育します。食事・入浴・着替え・排泄などの基本的な生活面の介助はもちろん、大量の洗濯や広い施設内の掃除も行い、まさに一般家庭での家事と育児を職員間で役割分担しながら取り組みます。

中でも重要なことは、施設内感染を未然に防ぐための努力を怠らないこと。具体的には、おもちゃや施設内・衣類を清潔に保つために、意識的に頻繁におもちゃや手すり等の消毒をし、着替えさせたりします。さらに、軽度の症状でも悪化する前に病院に連れていき、施設内では職員間で服薬の管理を適切に行うことも重要です。感染症の子どもが出た場合は、別室に隔離して保育をすることで、大勢の乳児を預かっていても感染が広がらないよう十分に配慮しています。

近年、施設で育つ子どもでも家庭を体験することの重要性が認識されるようになり、乳児院でも少人数で施設外の住宅で生活する「グループホーム」や、養子縁組などが行われるようになってきているのも特徴です。年齢が小さいほど家庭に馴染みやすいとされているため、里親の希望者が施設に来所することも比較的多く、その際の対応を行うこともあります。

給料は、新卒初任給は約20万円。
勤務時間は、夜勤を含む24時間のシフト制です。

児童養護施設

乳児を除く、保護者がいない子どもや虐待や親の病気など環境上養護が必要な子どもが入所する施設のことです。全国に603ヶ所あります。

母子生活支援施設と同様、児童福祉施設である上に社会的養護施設に位置付けられているため、一人ひとりに自立支援計画を作成しなければなりません。
自立支援計画とは、簡単に言うと、当事者である子ども・子供を取り巻く保護者や関係機関の意見を踏まえて、今後の支援方針を計画したものです。
この自立支援計画を前提に、いろんな職種や関係機関があらゆる側面から支援を行い、子どもの自立退所を目指していきます。

具体的に、どのような支援を行うのでしょうか。
未就学児へは、保育士が乳児院同様、施設内保育を基本として身の回りのあらゆる支援を行います。

小学校に入学すると、養育を中心に行うのは「児童指導員」という職種です。とは言え、保育士資格により採用される人がほとんど。男女別の居室エリアに分かれたり施設外の人との関わりが出てきたり、施設内の担当保育者以外との関係性を築いていく中で、身の回りのことは自分でできるよう年齢に応じて自立できるよう養育します。

中高生にもなると親との関係性が明確になり、将来を見据えた付き合い方や自立・進路目標が定まってきます。そのときに、退所後の生活について様々な選択肢や手段、関係機関などの情報を提示しながら、最終的に子どもが自己決定できるように援助していくことが大切です。

また、児童養護施設でも、家庭的な環境の中で生活体験を積み社会的自立を促進することを目的とした「グループホーム」が活用されており、保育士または児童指導員が配置され、一緒に調理したり買い物したり家庭のイメージが具体的に持てるように支援していきます。

その他、「ショートステイ事業」の受け皿としての役割も果たしています。「ショートステイ事業」とは、母子家庭の母親が入院するなど養育が一時的に困難となった場合に、7日間を上限に施設外の子どもを預かる事業です。預かる子どもの保育は、保育士を中心に行われます。

給料は、乳児院と同じく、新卒初任給は約20万円。
勤務時間は、夜勤を含む24時間のシフト制です。

児童自立支援施設

窃盗や性非行、浮浪・家出などの不良行為をした(するおそれのある)子どもや、家庭環境などの理由により生活指導等が必要な子どもが入所・通所し、一人ひとりの状況に応じて必要な指導と自立のための支援を行う施設です。
全国に58ヶ所あり、児童養護施設など他の施設では対応が難しくなったケースの受け皿としての役割も併せもっています。

児童相談所や家庭裁判所からの措置で入所するケースが多く、14歳以上は少年院に送致されることが主のため、入所児童は基本的に14歳未満です。小中学生は基本的に施設内の学校に通うことになりますが、学校以外の時間は農園作業やクラブ活動を行うこともあります。

児童自立支援施設の主な職種は、「児童自立支援専門員」と「児童生活支援員」。どちらも保育士等の資格で求人が出ています。

仕事内容は、「生活指導」「学習指導」「作業指導」の3つを柱として、自立に向けた支援を行うこと。
「生活指導」では、その場や相手に適切な態度・言葉が遣えるよう指導したり、基本的生活習慣の確立を目指して健康管理などを行います。
「学習指導」は、そのままの意味です。高校進学を希望する子どもが増えてきている近年の傾向から、出身校と連携しながら学習指導を行います。とは言っても、入所児童の特徴として、発達障害を抱える子どもや学力の遅れが見られる子どもが多いことが知られており、基礎学力の定着を基本としています。
「作業指導」とは、農作業や施設内の清掃作業を通して達成観や人に感謝される喜びを味わい、子どもの行動の改善を目指すことです。

給料は、18~20万円。
児童相談所等による措置施設ということからも公的施設の側面が強く、自治体によって給与に差があります。

勤務時間は、夜勤を含む24時間のシフト制です。

児童心理治療施設

全国に46ヶ所あり、家庭環境や学校の友人関係などにより社会生活の適応が難しくなった子どもが短期間入所・通所し、その情緒障害を治す施設です。
児童相談所の措置により利用する施設でもあり、近年は、保護者等による被虐待児が増加傾向にあります。

ここでの仕事内容の特徴は、生活そのものが治療であるという考えのもと、生活指導、心理治療、学校教育が一体となって子どもとその家族を支援すること。

児童心理治療施設に入所する子どもは、心に深い傷を負っています。自己肯定感が低く、他者や社会に対する不信感が強いことが特徴です。そのため、「できなかったことよりもできたこと」に着目するストレングス視点での支援が重要になってきます。
例えば、「不登校児の子どもが朝食の時間に起きたが登校できなかった」場合、「登校できなかった」ことよりも「朝食の時間に起きた」ことを認めてあげることが重要です。

基本的な生活習慣の確立や学校教育より、子どもが安心して生活できる環境づくりが一番に求められます。

給料は、初任給で約18~20万円。
勤務時間は、夜勤を含む24時間のシフト制です。

以上、保育士が働く保育施設の説明です。

保育所保育士と施設保育士で、仕事内容は大きく異なります。保育所だけでなく、施設においても人材不足問題は深刻です。多くの求人が出ているうえ、職場に定着する前にすぐに辞めてしまう…ということもよく聞きます。

これを読んだ方が保育士資格を有効活用できる職場に出会うきかっけとなれば幸いです。