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CME保育士コラム

ピアノが苦手な方向け!転職時の実技試験で活躍する楽譜のご紹介

民間業者の参入が進んでいる保育業界でも業務の効率化が重視されるようになり、ここ10年程の保育園の動向として、ピアノにこだわらず、BluetoothやCDを使って音楽活動を行う保育園が増えてきています。しかし、それでも保育士にピアノのスキルを求める保育園は少なくありません。そのような保育園では、「苦手なピアノを克服したい」と就業した後もピアノの個人レッスンを受ける保育士もいるほどです。

 

筆者としては、発表会で使われやすい曲や季節の童謡など「これなら弾くことができる」と自信が持てる曲を、少なくとも5曲程度もっておくことをおすすめします。たったの5曲かもしれませんが、5曲でも「苦手だから弾かない」より保育活動の幅は確実に広がるでしょう。

 

誰もが最初は、音符の読み方を覚えるところからはじまります。ピアノが苦手な保育士さんでも、本記事で説明するポイントを抑えて選曲すると弾ける曲が増えてくるはずです。保育園でよく使われていて、そのうえピアノ初心者でも取り入れやすい曲も年齢別で紹介するので、ぜひ参考にしてピアノに挑戦しましょう。

 

弾くことと歌うことと人前に出ること

「ピアノが苦手なんです」と話す保育士の話をよくよく聞いていくと、「ピアノより歌を歌うことの方が苦手だった」と気付くケースがあります。実際の保育の場面では、保育士が単にピアノを弾くのではなく、ピアノを弾きながら歌を歌う「弾き歌い」をする場面が圧倒的に多いです。

保育学生ならば、授業でグループや講師の前で弾き歌いを求められることがあるので想像しやすいと思いますが、例えピアノの弾き歌いが保育園では日常的にみられる光景としても、実際に人前でピアノを弾きながら歌を歌うとなると、多くの人が最初は恥ずかしさや戸惑いを感じるのではないでしょうか。

 

自分自身が本当に苦手としているのは、ピアノのスキルなのか歌を歌うことなのか、はたまた人前に出ることなのか、今一度思い返してみましょう。実は「ピアノが苦手なのではない」と気付けるきっかけになるかもしれません。

 

 

選曲のポイントは4点

それでも、やはり歌を歌ったり人前に出ることよりも、ピアノのスキル不足から苦手意識があるという方は、次の4点のポイントを抑えて選曲するといいでしょう。

 

◆リズムが単調または繰り返し

リズムが速くなったり遅くなったり動きのある曲は、ピアノスキルの視点から見て高度な曲が多いです。4歳程度の子どもでも拍手でリズムがとりやすいような、曲の始まりから終わりまで一定リズムの曲であれば、ピアノが苦手な方にとっても弾きやすい曲となっています。

リズムは、メロディを聞いて感じ取るよりも楽譜を見る方が正確です。実際に楽譜を見ながら、音符が同一間隔であるものを選ぶといいでしょう。

 

◆左手のパートの音符の数が少ない楽譜を選ぶ

一曲につき、楽譜の種類はさまざま。楽譜によって、弾き歌いのスキルが易しくなったり難しくなったりします。ピアノスキルのレベルがより易しい楽譜を選ぶためには、左手パートの音符の数が少ない楽譜がおすすめです。

ピアノに苦手意識をもつ多くの人は、「右手だけなら弾けるが、両手で弾くとなると難易度が格段に上がる」と感じています。右手のパートはメロディの主となる部分であり、歌う時の口の動きと一致するので習得しやすいですが、左手のパートはメロディとは違うリズムで弾かなければならないので難しいと感じるようです。

そのような方は、左手のパート部分に着目して曲や楽譜を選びましょう。左手パートの音符数が少ないものや、「ドミソド」「シラファラ」のように基本コードを繰り返すだけでいいい楽譜にするといいですよ。

 

◆早すぎる運指や音の大きなジャンプがない

ピアノを弾くときの指の動きを「運指」と言いますが、この運指が早いと鍵盤の場所を抑えるのに注力し、歌うことにまで気が回らなくなってしまいます。保育士による独奏会のようにならず、子どもたちの様子にまで気が回せるくらいの余裕を保つことは必要です。そのためにも、オクターブを超える音のジャンプや早すぎる運指がない曲を選ぶといいでしょう。

特にピアノ初心者の人は指の長さと鍵盤の位置関係をつかむまでに時間を要します。初心者である人ほど、このポイントに気を付けて選曲するようにしましょう。

 

◆歌詞を覚えている曲から

ピアノの練習だけに注力できるので、歌詞を覚えている曲を選ぶこともポイントの一つです。歌詞の記憶が曖昧だと、歌詞を思い出すために前奏が止まってしまうこともあります。また、歌詞を覚えている曲というのは、メロディやリズムも分かっているということなので、曲の全体の流れがイメージしやすく短時間の練習でも弾けるようなりますよ。

 

おススメの選曲全22曲

選曲のポイントを踏まえて、ピアノが苦手な方でも取り組みやすい、保育園でもよく歌われている曲を22曲選びました。数ある童謡の中でも、ここで紹介する全22曲さえ弾けるようになれば、入園後から卒園する3月まで、一年を通してピアノを使って保育することができるよう選曲しています。22曲からさらに簡単な10曲をランキングにしたので、ランキングの10曲を弾けるようになるところから始めるのもいいでしょう。ぜひ、参考にしてください。

 

 

◆全年齢で使える曲

・おはようのうた

「せんせいおはよう、みなさんおはよう」で始まるこの曲を、毎日朝の会で歌っていると保育園も多いことでしょう。この曲はリズムが単調なうえに、左手は「ド」と「ソ」を軸として運指がほとんどないので、非常に簡単な曲の一つです。

 

・おべんとう

この曲も「おはようのうた」と同様に、定番な曲ながら非常に簡単な曲です。左手パートは「ドミソ」を軸にした運指で、音の大きなジャンプもありません。

最後の歌詞の部分「みんなそろってごあいさつ」のところだけ、リズムや右手の運指を工夫しなければならないので、そこを重点的に練習すればいいでしょう。

 

・おかえりのうた

左手パートの運指が前半と後半とで大きく変わりますが、難易度的には上記の2曲とさほど変わりありません。日常的に歌っている保育園なら、練習して身に着けておくと役立ちます。

 

・ミッキーマウスマーチ

子どもたちにとても馴染みがあり、リトミックでもよく使われる曲です。リズムを早くしたり遅くしたりしながら、象やうざぎなど動物の真似を子どもたちにしてもらい、音楽に親しむためだけでなく身体を動かすことを目的としているときにも用いることができます。

リズムが単調で、右手パートは特に簡単。歌う曲ではないので、ピアノを弾くことだけに注力することができる点も、ピアノが苦手な人でもおススメできるポイントです。

 

 

◆0~2歳児向けの曲

・むすんでひらいて

左手は「ドソ」「シラ」「ドソミソ」「シラファラ」の4つのコードが弾ければいいので簡単です。曲自体も短く、右手は指を交差する運指もありません。音符が読めるようになったばかりの方でも取り組みやすい曲です。

 

・てをたたきましょう

「てをたたきましょう」も同様です。左手は、基本となる「ドソミソ」「シラファラ」が弾ければかたちになります。苦手意識の強い方は、上記の「むすんでひらいて」と「てをたたきましょう」からチャレンジするといいでしょう。

 

・いとまき

リズムが一定で、オクターブを超える運指の大きなジャンプもない曲です。前奏が難しいと感じる方は、最後の歌詞「ひいてひいてトントントン」の部分を前奏にするといいですよ。

 

・チューリップ

幼少の頃に弾いたことがあるという方も多いこの曲は、4歳児や5歳児では鍵盤ハーモニカの練習曲としてもよく使われる音楽です。「ドレミ」で始まるので、練習していくうちに、どの鍵盤がドレミファソラシドとなるのか分かるようになりますよ。

 

・かたつむり

左手パート部分は楽譜によってさまざまですが、最低限「ソ」と「レ(高音)」だけできれば大丈夫です。右手はオクターブを超える音のジャンプがありますが、そこさえクリアできればすぐに弾けるようになりますよ。

 

・おおきなくりのきのしたで

令和2年度の保育士試験の課題曲でした。最初は、前奏を弾けるようになるまで少し苦慮しますが、全体的に見ると複雑な運指がありません。比較的、誰もが挑戦しやすい曲となっています。

 

・きらきら星

「きらきら星」も、4歳児や5歳児クラスによる演奏曲としてよく使われている曲です。右手の指を交差する運指がなく、左手もコードの繰り返しで弾くことができます。

 

・ちょうちょ

左手パートは、1小節が4拍あるうち4拍とも同音なので、運指自体が少なく覚えやすい曲です。少しレベルアップしたい方は、左手パートを「ドソミソ」「レソファソ」に変えて、1小節8泊のリズムで弾く方法もいいでしょう。

 

 

◆3~5歳児向けの曲

・とんぼのめがね

右手の運指が多めなうえに、「青いお空をとんだから」の歌詞の部分では指を交差する動きがあるので、運指が苦手な人にとっては少し難しく感じるかもしれません。しかし左手パートは簡単で、「右手だけならピアノは弾ける」という方にとっては少し練習するだけで弾き歌いできるようになるでしょう。

 

・こいのぼり

リズムが単調で、左手パートは繰り返しの運指なので、比較的簡単に弾けるようになる曲です。前奏に苦慮する場合は、最後の歌詞部分「おもしろそうにおよいでる」のところを前奏にもってくるといいですよ。

 

・たなばたさま

左手パート部分は、覚えるコードが少なくて済む曲です。少ないコードを覚えたら、曲自体も短いので、練習時間がない保育士の方でも両手で弾けるようになりますよ。

 

・うみ

「うみ」は毎年夏の季節になると良く歌われる曲でありながら、曲自体短く、弾き歌いができるようになるまでに多くの時間を割く必要がありません。コードも簡単なので、覚えておくときっと役立ちます。

 

・さんぽ

春や秋の遠足など園外行事や発表会の合唱曲としてよく歌われています。右手の運指が多いですが、リズムは単調なので、譜面で見た想像よりもピアノスキルは易しいです。歌を教える前から多くの子どもに浸透しているので、そういった意味でも保育に取り入れやすいのでおすすめの一曲です。

 

・もみじ

ピアノが苦手な方が片手ずつ練習した後に両手で合わせて弾くと難しく、そこから次の段階に進むまでに時間を要することは多いですが、「もみじ」は全体的にスローテンポの曲なので、両手での練習を始めても合わせやすいのが特徴。運指も簡単です。

 

・ジングルベル

易しい楽譜では、左手パートで覚えるコードが主に「レ」「ソ」と少ないので、クリスマスの時期に使える曲を探している方は「ジングルベル」から取り入れてみるといいでしょう。

 

・ドレミのうた

運指は多いものの繰り返す部分も多く、ピアノが苦手ながらスキルアップを図りたい方におすすめしたい曲です。両手で弾けるようになるまで時間がかかっても、弾けるようになると季節を問わずに使えます。季節の歌だと習得するまでにある程度期限がありますが、自分のペースで練習できて習得したらいつでも使える曲が1曲あると、保育の引き出しが1つ増えますね。

 

・小さな世界

音のジャンプがあり、鍵盤の位置と指の長さが掴めていないうちは難しく感じる人の方が多いかもしれません。また、楽譜によって難易度に差がありますが、左手パート部分の音符の数が少ない楽譜を選ぶと、ピアノが苦手な方でも弾き歌いできるようになる曲です。

 

・手のひらを太陽に

右手は、1小節に8泊とややアップテンポリズム。曲も長めなので覚えるのも大変かもしれません。しかし左手パートは、基本的に一定のリズムで繰り返し部分が多いので、難易度的にも易しい曲です。

 

保育士はピアノが上手くなくてもいい

保育士に求められるピアノのスキルは、発表会に力を入れている保育園やマーチングバンドなど音楽に力を入れている一部の保育園を除いて、決して高くありません。上手に弾けなくても大丈夫です。

社会福祉法人が運営する多くの保育園では、雇用試験にピアノを弾き歌う実技試験を設けていますが、ある論文では、ピアノの実技試験を設けている56%の保育園は「保育においてピアノは必要不可欠」と回答しているものの44%は「ピアノスキル」で評価していないという結果も出ています。

 

それらの保育園では、

「課題曲をどこまでやってくるか前向きさを見ている」

「見られながらでも、明るく笑顔で取り組めているか」

「何気ないしぐさで人間性を見ている」

など、意欲や態度、人間性といったような、面接試験でも可能な視点をピアノの実技試験を通して評価しているようです。

 

上手に弾くことに重きをおくのではなく、むしろ、子どもたちと明るく楽しく音楽に触れる時間を共有できるか、というところを念頭におくといいですね。そのため、難しい楽譜に挑戦したい気持ちよりも、自分のスキルに見合っているかに着目して選ぶようにしましょう。

ピアノのスキルアップも大切かもしれませんが、子どもたちが、より多くの音楽や生の楽器の音に触れられるようになることの方がもっといいかもしれません。