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CME保育士コラム

転職を迷われている方に!有効求人倍率から見る保育士の転職のしやすさ

「保育士を目指す人は少なくないが、保育士の人材不足問題は深刻だ」

 

保育士を目指しているならば、この話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

実際に、保育園の待機児童問題がメディアで注目されるようになってから保育士の人材不足問題も広く知られるようになりました。

 

認可保育園のなかには定員数における保育士配置基準が満たせず、しかたなく定員数を削減したり休園に追い込まれたりした保育園もあります。その影響は、すでに保育所へ預けている保護者やこれから預け先を探す保護者にも影響が及んでいるのです。

一方で、保育士配置基準を満たす必要がない認可外保育園では、少ない保育士が認可保育園に入れなかった子どもをたくさん受け入れ、子どもの命が危険にさらされているところもあります。

 

今、保育士の人材不足はとても深刻なわけですが、逆の考え方をすると保育士のニーズは高く就職先に困らないということ。この記事では、保育士のニーズの高さが分かる有効求人倍率から見た保育士の就職のしやすさを、その背景とともに具体的に解説していきます。

 

有効求人倍率とは

そもそも有効求人倍率とは何でしょうか。

ウィキペディアには、『公共職業安定所で扱った月間有効求人数を月間有効求職数で割ったもの』と記載されています。わかりやすく言い換えると、仕事を求めてハローワークに登録した求職者一人あたりに対してどれくらいの求人があるか、ということです。

仮に保育職を求めてハローワークに登録した人が100人いたとき、保育職の求人が150人分あれば保育士の有効求人倍率は1.5となります。200人分なら2、300人分なら3です。求人数が少なく、80人分の求人しかなければ0.8となります。

つまり、有効求人倍率がちょうど「1.0」であれば求人と保育職を求めてハローワークに登録した人数が完全に一致していることを意味していて、1以上なら就職しやすく、1未満なら就職しにくいことをあらわしています。

この有効求人倍率は、厚生労働省により毎月発表されており、雇用動向を把握するのに役立てられている指標のひとつ。新卒者数は含まれないですが、職種別、月別、都道府県別など細分化したものもわかるので、転職の時には活用するべき指標です。

ここで、気になる保育士の有効求人倍率について説明します。

 

保育士の有効求人倍率は

結論から言うと、地域差はあるものの一般業種と比較してみても保育士の有効求人倍率は高いです。一年を通して見てみると、例年12~1月が最も高く、5月が最も低い傾向にあります。しかし、これは一般業種と比較しても同じです。

詳細は、厚生労働省が毎年取りまとめている『保育士の有効求人倍率』の資料のなかにあります。2019年10月分までわかっているので、この数年で保育士の求人倍率はどのように推移しているのか、都道府県別でみるとどのくらいの差があるのか、この資料を基本として保育士の有効求人倍率の高さをまとめました。

まずは、一般業種の有効求人倍率から。

分かっているなかで最新の昨年10月時点は、1.60倍です。有効求人倍率が年間で最も高い12月でここ3年の推移を比較すると、2016年は1.50倍、2017年は1.70倍、2018年は1.75倍。微増ではありますが、この3年で一般業種の有効求人倍率が高くなっています。

 

これは、昨今の少子高齢化社会で第1次ベビーブーム世代と言われる、いわゆる「団塊世代」が大量に退職していき、中小企業でも働き手不足が深刻化していることが一因です。後継者が見つからないという理由で廃業せざるを得ない老舗の飲食店や旅館のニュースを目にすることも多くなってきました。

 

一般業種でも働き手不足がいわれているなか、保育士の有効求人倍率はと言うと、昨年10月の有効求人倍率は3.05倍。一般業種より約2倍高い数値です。

ここ3年の推移についても、一般業種と同様に有効求人倍率が年間で最も高い12月で比較すると、2016年は2.76倍、2017年は3.40倍、2018年は3.64倍でした。

反対に、年間で最も低い5月の数値を見ると、2017年は1.80倍、2018年は2.1倍、2019年は2.25倍です。

 

一般業種との比較から見た保育士の有効求人倍率を整理すると、

(1)保育士の有効求人倍率が年間で最も「高い」数値は、一般業種の有効求人倍率が年間で最も「高い」数値の約2倍である。

(2)保育士の有効求人倍率が年間で最も「低い」数値は、一般業種の有効求人倍率が年間で最も「高い」数値と比較しても高い。

というのが現状です。

 

先に述べたように少子高齢化社会で中小企業でも働き手が不足していますが、それ以上に保育士の人材不足は深刻で、たくさんの社会福祉法人や企業が保育士を求めているのです。

さらに、都道府県別で見てみると、保育士をとりまく雇用の内情がよくわかります。

昨年10月の有効求人が高い都道府県から順に、東京都(5.23倍)、鳥取県(5.17倍)、埼玉県(4.21倍)、広島県(4.16倍)、大阪府(4.10倍)。有効求人倍率が3.0以上の都道府県は15、求職者数が求人数よりも多いことを意味する1.0以下の都道府県はひとつもありませんでした。

つまり、保育士の人材不足は全国共通の課題。どこに行っても「保育職で働きたい人」は求められていて、特に東京都ではより一層保育士の人材が求められていることがわかります。

後で詳しく書いていますが、実際に東京都は保育士人材を確保するために独自で給与を上乗せする施策を実行しています。

 

このように保育士の有効求人倍率は高いとわかったところで、気になるのは「では今後もこの就職しやすい状態が続くのか」というところだと思います。

その前にまずは、保育士の有効求人倍率が高い背景になにがあるのか、さらに深掘りしながら保育士の今後の雇用動向を考えていきましょう。

 

保育士の有効求人倍率が高い背景に2つの要因

保育士の有効求人倍率が高い背景には大きく2つ、「保育士の離職率が高い」ことと「保育を必要とする世帯が増加している」という要因があります。

はじめに「保育士の離職率が高い」ことの説明ですが、この要因が保育士の有効求人倍率に影響を与えることをなんとなくイメージできる方は多いかもしれません。

 

「仕事の持ち帰りは当たり前で大変そう」

「給料は安いんでしょう」

「モンスターペアレントが多いんじゃない?」

「女ばかりの職場で人間関係が大変そう」

 

など、上げたらキリがないくらい、保育士になると目指したときからこのようなネガティブワードを言われたという人は少なくないでしょう。

実際に、それらが理由で辞めていく人も多いのですが……。

 

政府も、このネガティブなイメージを払しょくしようと、一定の条件を満たす保育士の給与を加算する処遇改善を行いました。2015年度から毎月6千円の加算を基本に、ベテランはさらに4万円加算するというものです。

 

それに続いて、各自治体も保育士人材の確保のため独自の取り組みをはじめました。

その代表が東京都です。2014年度から実施していた2.1万円の給与上乗せに加え、小池知事に代わった2017年度からさらに月2万円が給与に加算されています。これのすごいところは、政府を上回る金額を保育士一律に行っているということ。経験年数によるものではなく、新卒者にも加算を行うことで保育士人材の確保に力をいれていることが分かります。

 

とは言え、女性の平均年収と比べるとまだ低いので「今の給与待遇が十分満足できるものか」と聞かれると、首をかしげる人も多いかもしれません。しかし、都道府県での取り組みに加えてさらに各区や市でも住宅手当などの補助も行われているので、この5年ほどで保育士の待遇が改善されつつあると実感できた人も多いのではないでしょうか。

 

待遇の改善はされつつあるわけですが、保育士が抱える保育職を続けることの難しさはもうひとつ。ワークライフバランスの難しさです。

保育士の勤務時間は、保育所の開園時間に合わせるので6;30~20:00のシフト制がほとんど。その勤務時間内で書類や環境整備、保育活動を行うための準備、行事企画など、保育業務とは別の業務も行わなければなりませんが、現状は多くの保育士が書類作成以外の業務は自宅へ持ち帰っています。

 

そのような生活のなかで結婚・出産を控えたとき、保育士が思うことは何か想像してみましょう。

 

「結婚後は子どもが欲しい。いつ授かれるかわからないが、年度途中であれば担任が変わるので他の保育士や子どもたちに迷惑かけてしまうのでは」

「子どもを保育園に預けて自分は他の子どもを見る…、そこまでして保育士を続けたいのか」

「出産後は、子供の体調が悪いからと急な早退や有休はできるのか。」

「7時出勤の早番や20時退勤の遅番でも子供を預けられるような保育所がない。そのシフトに合わせて、子どもの生活リズムが安定できないのは避けたい。」

 

いずれも根底には、「他の子どもを見ながら自分の子どもは預けることのジレンマ」を抱えています。結果的に、結婚・出産のために保育職を退職する人が多いのです。

2つめの要因は、保育を必要とする世帯が増加していること。

冒頭でも述べたように、待機児童問題は近年広く知られるようになりましたが再注目されるきっかけとなったのは「保育園落ちた、日本死ね」と声を上げた匿名のブログです。それが2016年のこと。多くの人に共感され、すぐにその現状が社会問題として認識されるまでになりました。

この4年で企業主導型保育所など保育所が新設されやすい法整備が行われ、保育所の数も受け入れられる定員数も増え、待機児童数は解消まではいかずとも年々減少しつつあります。

 

けれどもそれ以上に、家族のあり方が多様化していくなかで保育を必要とする子どもが増えているため、少子高齢化社会でも有効求人倍率が高くなってきているのです。

 

保育を必要とする世帯で、すぐに思い浮かぶのは共働き世帯。単に、金銭的に苦しいから共働きせざるを得ない人ももちろんいますが、それだけではありません。

育児休業給付金の給付率は全期間50%だったのが、2014年度から取得後180日目までは67%に増えたうえ、時短勤務制度や有休が取得しやすい企業風土になってきています。

老後生活のリスクを軽減させたい気持ちからも、一度退職しブランクを経て再就職するよりも、さまざまな制度を活用しながら産後もキャリアを継続したいと考える人が増えることは自然なことでしょう。

 

それと、核家族化も保育を必要とする世帯が増加している大きな理由です。

年金の給付年齢が引き上げられ老後も働く高齢者が増えていて、身内に子どもを預けられる人がいないという世帯が増えています。外国人世帯の核家族はもちろんですが、虐待のような養育環境に懸念がある世帯も核家族化によって増えています。

 

 

今後はどうなる?保育士の就職

気になる今後の保育士を取り巻く雇用動向ですが、少子高齢化で子供の絶対人数は年々下がっています。待機児童数も、少しずつ減ってきていて解消されつつあります。

 

けれども、老後不安や自分の人生の選択として金銭的な理由はなくとも出産後に働くことを選択する人は今後も多いでしょう。先日のニュースでは、育児休業給付金の給付率が現行の67%から80%に引き上げられる案が浮上しているそうです。実現すれば、手取り給与とほぼ同額の給付金がもらえるわけです。

今後も金銭的に苦しくないとしても産後そのまま復職を目指す人は多く、保育を必要とする世帯の割合も高いと予測されます。

 

保育士の離職率の高さから考えても同様です。保育士の待遇が良くなったとしても、産休・育休が取りやすく、子どもの病気など急な休みでも対応できるような人員配置がなされなければ、出産後も正社員として働き続けることは難しく離職率は高いでしょう。

保育士の離職率を抑えるには、全世代共通しているのが給与の改善ですが、離職する人が多い20代後半~30代の出産や育児などワークライフバランスの実現が、保育士人材の成長を促進し離職を防ぐことにつながります。

 

保育を必要とする世帯の割合は増え、保育士の離職率が低くなるのは現状では難しい―――このことから、改めて今後の保育士の雇用動向を考えると、保育士のニーズは今後もしばらく高いと予測されます。

保育士の離職率の高さは他の記事にもありますが、有効求人倍率が高いからこそ、希望する職場で働ける確率が高いということ。就職先の保育所を探すとき、その保育所の保育方針が自分の考える保育方針と合うかどうかは最も大切にしたい要件ですが、その要件が希望と一致しやすい雇用状況にあるのです。

 

とは言え、採用する保育施設としても、保育士資格を所有していれば誰でもいいというわけではありません。保育士資格の所持が絶対条件で、その他の強みがあれば喜ばれます。ピアノができるとか、小児栄養に詳しいとか、折り紙が人よりも得意とか、なんでも大丈夫。+α(アルファ)をもっている保育士は子どもからの人気も高いです。

 

一般業種よりも有効求人倍率が高い保育士は選択肢がたくさん。保育士は今後も就職しやすいという状況に甘んじることなく、専門性を高めるための努力は続けながらも、自分の保育観に合う保育施設や給与・勤務時間などの条件がいい保育施設で働くための就職・転職活動にしましょう。