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CME保育士コラム

次年度入職に向けた転職活動時期と円満退職の方法とは

離職率が高く、慢性的な人材不足だと言われる保育士―――。

なんとなく「いつか辞めたいな」と思っていても、園児のことはもちろん、保育園の人事事情を考慮し「実際は辞めづらい」と躊躇している人も多いのではないでしょうか。また、退職意思を固めるより先に、園長や主任から次年度の就業継続意向について確認をとられるためにずるずると何年も経ってしまったという人も中にはいるでしょう。

 

そんな方が転職の一歩を踏み出せるようになるためには、保育士の転職活動の具体的な流れを知り、退職までの具体的なイメージをもつことが大切です。そこで今回は、保育士の転職活動に向いている時期と円満退職の方法について説明していきます。

 

 

求人が多い時期は12月~2月

転職活動の上では「タイミングが大切だ」とよく言われていますが、保育士が転職活動するのに向いている時期は何月頃だと思いますか。

 

厚生労働省が公表している『保育士の有効求人倍率の推移』から見てみると、有効求人倍率が高いのは12~2月。つまり、希望条件に合う保育園が見つかりやすいのもこの時期です。

4年ほど前までは、6月から2月にかけて求人数が少しずつ増加していましたが、近年では、12月から2月の求人数がほぼ横ばいの傾向にあります。保育士の求人募集の時期が早くなってきている背景には、保育園側が次年度の保育園運営を確かなものとするために、「保育士をより早い時期から確保しておきたいと考えているから」と言えるでしょう。

と言うのも、保育施設が増加している中で、保育士はより働きやすい就職先を選べる売り手市場にあります。そのため、保育士の人材を確保できずに休園や閉園を余儀なくされている保育園が出てきているのです。

 

2018年3月、「保育士不足」が原因で休園に追い込まれた保育園のことが各メディアで報道されました。

 

❝ 全国で保育士不足が課題となる中、横浜市の認可保育所が、必要な保育士を確保できないとして休園を決め、園児37人が今月いっぱいで転園を余儀なくされていることがわかりました。市では、保育士不足を原因とする休園は、過去に聞いたことがないとしています。

休園を決めたのは横浜市鶴見区の認可保育所で、市や保育所によりますと、先月、常勤の保育士2人と派遣の保育士1人の合わせて3人が、家庭の事情で退職しました。

 

保育所では、去年12月の時点で市に対し、「今後退職する保育士がいるが後任を確保できないおそれがある」と伝えていて、新規の0歳児の入園募集を停止していましたが、その後も新たな保育士を確保できなかったとして、来年3月末で休園することを決めたということです。

 

すでに勤務のローテーションが組めないことから、来月から1歳児と2歳児の保育に絞り、3歳から5歳の園児37人は今月いっぱいで転園を余儀なくされているということです。

保育所は、今月始めに開いた臨時の保護者会で、休園について説明したということで、NHKの取材に対し「保護者と子どもたちに申し訳ない」と話しています。❞(引用:NHKニュース)

 

このニュースは当時、待機児童の解消に逆行していると注目を浴びたわけですが、同年の12月には、福岡市の認可保育園が「保育士不足」を理由に休園に追い込まれたと報道されています。この福岡市の保育園も横浜市の保育園と同様で、11~12月と割と早い時期から自治体に相談をしながら保育士の確保に努めていましたが、結果的に十分な保育士を確保できませんでした。

 

このように、保育士の人材不足の深刻さが在園児や保護者へ負担を強いることにならないよう、求人数のピークが2月から近年では12~2月に変わってきているということを抑えておくといいでしょう。

 

 

求人数が少ないのは4~6月

一方で、先述の『保育士の有効求人倍率の推移』によると、求人数が最も少ないのは4~6月。この時期の求人は、新年度開始に人材確保が間に合わなかったり年度開始すぐに離職した保育士の穴を埋めたりするための求人が多いと言われています。次年度の求人はまだ出ていないので、この時期は具体的な求人情報ではなく、自治体間で異なる保育士の賃金の相場や家賃補助などの待遇制度を知るための情報収集に留めておくと良いでしょう。

 

 

新規開園の保育園は夏頃から求人が始まる

 

民間業者が参入できるようになってから急増している新規開園のオープニング保育園。2018年度中に新規開園した、認定こども園や小規模保育園などを含む保育所等施設は1,582園で、5年連続で施設数は大幅に施加しています。自宅の近所にここ数年で新規開園した保育園がある、という人も少なくないでしょう。

 

オープニング保育園の求人のなかには、園児を受け入れる開園前から開園準備のために働ける保育士を求めているところが少なくありません。備品や保育室の環境を整備したり保育の流れや受け入れる園児のことなどを共有したりして開園に備える必要があるため、求人募集の案内も既存の保育園より早く、早いところでは夏頃から求人募集がかかります。

 

就職先にオープニング保育園を特別視野に入れていなくても、「就職先は既存の保育園にこだわっている」というわけでなければ、夏頃から求人情報の収集を始めることをおすすめします。そして、年末から増えてくる既存の保育園の求人情報と比較していくと情報収集量が増えるので、より後悔のない転職活動にすることができるでしょう。

 

 

円満退職のポイント

もう一つ、転職活動の成功のカギを握るのは「退職」です。退職理由が円満な理由であるに越したことはないですが、そうでない場合でも業務の引継ぎ方や退職意向の伝え方、退職のタイミングによって形式上の円満退職にすることはできます。なかでも、保育士の退職で大切にしたいのは、退職時期です。

 

 

1.望ましい退職時期は年度末

円満に退職したいならば、やはり年度末である3月が望ましいです。

現状として、年度途中で転職・退職しようと思っていても致し方がない特別な事情が無い場合は、保育園側に年度末まで退職を引き延ばされるケースもあります。正社員保育士だとクラスをもつことがほとんどですが、年度途中で転職してしまうと保育士の人員配置最低基準を満たせなくなる恐れがあるからです。また、園児からしてみても関係性が築けていた担任の先生がいなくなることで不安感を抱えてしまう子もいます。

 

保育士の人材不足が言われている今は、配置基準を十分に満たした数の保育士を雇えている保育園は極少数。先述のように保育園の運営が危うくなるだけでなく、園児や保護者の生活に影響を与えかねないのが現状です。多くの保育士はそのことを理解している分、年度途中での退職を避けたいと考えている人が多いのではないでしょうか。

 

けれども他の保育士や保護者との人間関係、健康上の理由や家族の事情などにより、やむを得ず年度途中で退職する場合もあるでしょう。不当な扱いや残業代の未払いなど保育園側に問題がありストレスを抱えている場合は、退職して当然です。

その際は、園児や保護者、他の保育士に極力負担をかけなくて済むように、退職意向の伝え方や業務の引継ぎをより十分に配慮して行うようにしましょう。

 

 

2.退職意向の伝え方

まず、退職意向を伝える前に退職の理由を明確にし、退職意思をしっかり固めることが大切です。退職までに期間が開くと意思が揺らぎ、職場の人間関係や待遇が理由なら「改善するから」と引き留められることもあるためです。信頼できる保育士に事前に相談するのはいいですが、退職への気持ちが曖昧なまま安易に「退職しようかと思っている」と話すのは避けましょう。

 

それから、退職意向はできれば年末までに申し出るといいでしょう。

就業規則には「退職の申し出は1か月前までに」と記述されているところが多いですが、代わりの保育士がすぐに見つかるとは限らないため、面談時かもしくは退職意思を固めたらできるだけ早く申し出る配慮が必要です。秋から年末にかけて保育士の次年度の就業意向を聞きとるために面談を設け、その内容を基に求人募集がかける保育園も多いので、その面談時までに退職意思を固めておくといいかもしれません。

とりわけ、次年度の園児の入園申請が始まる年明け以降は、既に自治体へ次年度の園児の受け入れ定員数を報告しているため、保育士の人材確保が不透明となると保育園側から嫌がられることがあります。円満退職を目指すなら年末までに、遅くとも1月末までに園長や主任に伝えましょう。

 

伝える順番にも注意が必要です。順番が誤れば、直接伝えるよりも先に主任や園長の耳に入ってしまうこともあり、「聞いていないけど」と思われかねません。関係性にもよりますが複数担任なら主担任の保育士に伝え、そこから主任へ伝えるか園長に伝えるか、園のそれまでの流れを教えてもらってその流れに合わせるのがベターです。ある程度の経験年数がある保育士は、主任の仲立ちがなくとも園長と話す機会を設けて伝えられるかもしれませんね。

 

他の保育士へは、園長や主任へ退職意向を伝えた後に、職員会議等を通して全体に報告できるきっかけを設けてもらえるところが多いのではないでしょうか。勤務体制がバラバラで業務中に他クラスの保育士にまで退職のあいさつをするのは困難なので、そのような機会がない保育園であれば「挨拶された、されてない」とならずに済むよう、一括して報告できる場を設けてもらえるか打診してみるのもいいでしょう。

 

 

3.十分な引継ぎ

 

引継ぎを行う相手は、後任者が分かるなら直接行いますが、退職時には決定していないことも多いですね。後任者が分からない場合は、複数担任ならば主担任の保育士へ、一人担任ならば主任へ引き継いでおくのがいいでしょう。

いずれの場合でも口頭だけでなく、文書やデータでも手渡しておくようにします。口頭だけではたくさんのことを一度に全て把握するのに限界があるので、後からでも随時確認しながら業務を進められるように、文書などを添えると引継ぎを受ける側も安心できるはずです。また、「言った、言わなかった」の余計な問題が起きるのを未然に防ぐためにも必要なことです。

 

同じ理由で、すでに伝えていることであっても周知の事実でないことは改めて引き継ぎましょう。たとえば、以前に主任へ「保護者Aから子育てに関してこのような相談があり、このような対応をした」と報告していても、職員全体に周知されていないことであれば、主任の記憶によるところなので「知らなかった」ことになりかねません。クラス運営や書類に関しては退職後も進捗状況を確認できますが、園児や保護者とのことは保育園への不信感につながりかねないため、十二分な引継ぎを心がける必要があります。

 

園児や保護者に関することで引き継ぐべきことは多いです。

きょうだい構成や保護者の職場などは書類で確認できますが、食べ物や活動の得意不得意、発達状況や癖など、保育を通して知り得るアセスメント情報は今後の保育でも役立ちます。保護者に関することも同様です。「Aの保護者には、連絡事項は細かいことでもメモを添える」や「Bの保護者は別居中のため、連絡事項は母親の送迎時にのみ伝達する」と言ったことは、書類上ではなく日々保護者対応をしていく中で知り得る情報です、忘れずに引き継ぎましょう。最も、別居や離婚などの保護者に関するナイーブな事情は、「信頼できる担任だから話した」ということもあるので、既に主任等に共有済みのことであっても、「退職するので、今後も同一の対応ができるように主任にも事情を伝えて良いか」と必要に応じて事前に確認をとるといい場合もあります。

一人担任の場合、園児や保護者を一番知っているのは自分だけのため引継ぎ事項が特に多くなりますが、箇条書きでなく表を作成するなど見やすくするための工夫がなされるとより良いですね。

 

ただ、気をつけたいのは「お願い」は控えるということ。

単に業務を引き継ぐのではなく、後任者が業務を遂行する上で役立つ情報を引き継ぐことが目的です。退職後の行事に関することや「発達検査の結果が分かったら知らせてくださいね」と保護者に声掛けしていたことなど、自分本位ではない理由で業務や対応の進捗が中断しているものを除いて、進められる全ての業務を退職時までに責任もって済ませるようにしましょう。

年度途中の退職で必要な「十分な配慮」は、ここで推し量られます。たとえば、これから準備すると決まっている製作物や備品などが退職後に使用する物であったとしても早くに済ませておくことで、誠意として受け入れられ円満退職へとつながるでしょう。

 

 

この記事で紹介した円満退職のポイント(退職時期、退職意向の伝え方、引継ぎ方)や保育士の転職活動に最適な時期を抑えておくことで、転職がより身近なものになると思います。繰り返しになりますが、保育士は、働きやすい就職先を選べる売り手市場です。より良い待遇や働き方、キャリアアップを目指すきっかけに、ここでの情報をぜひ役立ててください。