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CME保育士コラム

幼稚園で働くメリット!保育園と保育内容のちがい

通学で保育士資格を取得する人のおよそ9割は、幼稚園教諭の資格も取得します。2つの資格を取得している方にとって、保育園と幼稚園のどちらで働いた方がいいのか、一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。

「保育園が保育するところなら、幼稚園は教育するところ」

悩む中で保育園と幼稚園を比べた時に、このような意見を耳にします。これは正しくもありますが、厳密に言うなら間違ってもいます。保育園も「教育」するからです。
保育園と幼稚園それぞれの管轄の省庁や法令上のちがいは知っていても、実際にどのようにちがうのか、具体的には分からないという人は多いでしょう。

そこで本記事では、幼稚園で働くメリットを保育園と比較しながら、今後の就職・転職活動を進めるうえで参考にしてもらいたいポイントを解説していきます。

 

 

幼稚園と保育園は根本的な位置づけが異なる

 

幼稚園は学校に、保育園は児童福祉施設に含まれます。そのため、幼稚園と保育園は管轄省庁もちがえば根拠となる法令もちがいます。

 

◆管轄省庁

・幼稚園:文部科学省
・保育園:厚生労働省

 

◆根拠法令

・幼稚園:学校教育法
・保育園:児童福祉法

 

◆目的

・幼稚園:幼稚園は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする。(学校教育法第22条より)
・保育園:保育所は、日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設(児童福祉法第39条より)

 

◆対象児童

・幼稚園:満3歳から小学校入学までの幼児
・保育園:保育に欠ける乳幼児
幼稚園の「満3歳」とは、保育園で言うと2歳児クラスにあたります。例えば、生まれ月が4月の子どもであれば約4年間幼稚園に通学することが可能です。また、保育園の入退園の時期は「随時入退所」と言い、保育に欠ける何らかの状況が発生したり消滅したりした時に年度途中に関係なくその時の状況で入退所が判断されるのに対し、幼稚園は、基本的に3歳児以上の学年からは4月が入園時期で3月を退園時期としています。

 

◆一日の教育・保育時間

・幼稚園:1日の教育時間の標準は4時間
・保育園:1日の保育時間の標準は8時間
幼稚園は「4時間」が標準ですが、実際には午後2時頃に降園するところも多いです。また、「水曜日は12時降園」といったように、曜日によって園で過ごす時間が変動するのも幼稚園ならではのこと。さらに子ども・子育て新制度が施行された2015年度以降は、「預かり保育」と言い、降園時間以降や登園時間前の早朝から園児を預かれるようになりました。
保育園については、開所時間は原則11時間以上なので、通勤に時間を要する保護者の子どもを開園時間から閉園時間まで預かることもあり得ます。

 

◆休園日

・幼稚園:土曜日、日曜日、祝日
その他、夏休みや春休み、冬休みといった長期休業を設ける必要がある
・保育園:日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
保育園は就労等で保育に欠ける保護者の子どもを預かる児童福祉施設という性格上、台風などの災害があっても休園することはほとんどありません。土曜日も、仕事が休みの保護者に家庭保育をお願いすることはできますが、出勤の保護者も少なくないため開園しています。一方幼稚園は、園長の判断によって台風やインフルエンザ等の感染症を理由に休園したり学級閉鎖したりすることができます。

 

◆職員配置最低基準

・幼稚園:1クラス35人以下とし、専任教諭1人
・保育園:0歳児3人につき保育士1人
1,2歳児6人につき保育士1人
3歳児20人につき保育士1人
4,5歳児30人につき保育士1人
職員配置基準で特徴的なことは、幼稚園は年齢にかかわらず一律で定められているのに対して保育園は年齢ごとに職員配置人数が定められています。一日の大半を保育園で過ごす子供が多いので、職員数は保育園の方が多いです。

 

◆入退園の手続き

・幼稚園:幼稚園に直接問い合わせて手続きする。幼稚園との直接契約
・保育園:保育に欠ける乳幼児をもつ保護者が保育所を選択し、所在地の市町村に申し込む。

 

◆給食

・幼稚園:給食は幼稚園が任意で行う
・保育園:栄養管理士による献立のもと給食を提供することが義務付けられている
保育園は調理室の設置が必須ですが、幼稚園は必須ではありません。そのため幼稚園の給食は、園内に調理室が設けられているところであれば給食が出されますが、最も多いのは各園児にお弁当を持参してもらうやり方です。外部の業務委託会社と提携してケータリングする幼稚園も一部あります。また、誕生会やクリスマス会のようなイベント行事のときのみ、保護者が作った昼食が提供されるところも。幼稚園の給食は様ざまで、園の特色があらわれるところでもあります。

ここまで幼稚園と保育園を比較しながら相違点をあげましたが、保育内容では類似しているところがあります。

 

幼稚園教育要領と保育所保育指針は整合性を図りながら規定されている

 

・幼稚園:幼稚園教育要領
・保育園:保育所保育指針
それぞれの教育・保育内容の基準は上の通りです。

ここまでも相違点を羅列しましたが、幼稚園教育要領と保育所保育指針は整合性を図りながら規定されており、特に幼稚園教育要領の「ねらい及び内容」は保育所保育指針の「3歳以上児の保育のねらい及び内容」はほとんどの文面が一致しています。
これは2018年4月に改定される際に、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を保育園・幼稚園・認定こども園の幼児教育施設で共有すべきイメージとして記載され、卒園後の学習への接続にそれぞれの施設によって差が生じないよう配慮されたためです。

 

幼稚園は教育するところ、保育園は養護と教育を一体的に行うところ

 

「教育」と聞くと何かを指導することを想像しますが、小学校からの「教育」とは異なり、幼稚園には小学校・中学校と違って教科書はありません。「遊び」が教育の中心となります。たくさんの「遊び」の中から子どもたちはたくさんのことを学んでいき。それが幼稚園での「教育」を意味します。
例えば自由遊びで友達と接することで、人に対する思いやりを知り、「嬉しい」「嫌だ」といった自分の気持ちを適切に表現できるようになる表現力を習得し、協調性が養われていきます。また園の行事で様々なものに触れることで、自然の美しさに気づき、新たな興味を発見し、創造性が豊かになっていきます。外遊びで駆けまわることで、基礎体力を身につけていきます。「遊び」を通して人間の基礎をつくり、子どもたち一人ひとりの可能性を大きく伸ばしいくことが幼稚園の「教育」の特徴です。

そしてこれは、「3歳以上児のねらい及び内容」がほとんど同じである保育所においても同じこと。小学校からは時間で区切られ、その時間の中で何を学んでもらうか教科によっても区切られていますが、保育園と幼稚園は、5領域のうち1つの領域に関する学びを取り入れると、必然的に他の4領域の一部を学ぶことができる連続性を取り入れることができるのです。
幼稚園も保育園も3歳以上児のねらいや内容はほとんど一致するにもかかわらず、なぜ冒頭のような「保育園が保育するところなら、幼稚園は教育するところ」といったイメージをもつ人が多いのでしょうか。

 

こんな人は幼稚園勤務がおすすめ

 

◆教育に力を入れやすい

保育園は、生活保護世帯の子どももいれば共働きで高所得世帯の子どももいます。しかし、福祉施設であるため、その性格上、課外活動費や教材費など保育料以外で家庭に負担を強いるようなことは避ける保育園が多いです。一方幼稚園では、保育に欠ける乳幼児以外が入園するため、世帯環境の偏りが比較的少なく、課外活動費や教材費を徴収しながら教育に力を入れることができます。また降園時間が14時頃と早いので、降園後に希望者のみ課外活動を受けるといった選択肢を与えることで保護者のニーズに応えやすい側面ももっています。とは言え、先述の通り、保育園の中でも保護者の負担を極力減らしたうえで教育に力を入れるところもあるので一概に言えることではないですが、「したくてもできない」環境の子どもがいることが多い保育園とは違う、幼稚園ならではの魅力と言えるでしょう。

 

◆一人でクラスを運営できる

保育園は年齢ごとで職員配置最低基準が定められているので、0~3歳児クラスまでは複数人で担任をもつ場合がほとんどです。また、子どもを預かる時間が幼稚園よりも長いため、パート保育士やその時の早番・遅番出勤の保育士に出勤時間外で対応できないクラス園児の保護者対応や様子の報告を受けることが多々あります。対して幼稚園の場合、園で過ごす時間は勤務時間内であるうえに、職員配置も1クラスで1人が基本のため、クラス運営を全て1人で進めることができます。
連絡帳のような日々の業務から、行事で取り組むクラスの演目や振り付けなど、自分の思うように計画的に進めていきたい方にとっては、幼稚園の方が向いていると言えるでしょう。

 

◆0~2歳児よりも3歳児以上の対応が好きな人

幼稚園の受け入れ対象年齢は満3歳以上。3歳以上になると発語がすすみ、会話できる子どもが増えてきます。また手先を思い通りに動かせるようになってくる年齢でもあるので、他者とのやり取りを取り入れたゲームやはさみを使った製作など活動の幅が広がってきます。2歳児未満の保育では、一人で衣類の着脱や排泄ができるように介助するなど生活に密着した援助をすることが多いですが、身の回りの多くのことを一人でできるようになる3歳以上を預かる幼稚園では遊びや活動を通したかかわりの割合が増えてくるので、2歳児未満よりも3歳児以上を担任したという人も少なくないです。そのような思いが強い方は、3歳以上の担任が確実な幼稚園で働く方が向いているでしょう。

 

◆保護者との接点が少ないところも

これは幼稚園にもよりますが、保育園は保護者への子育て支援も重要な役割だと保育所保育指針の中でも示されていますが、幼稚園は学校という位置づけなのでそこまで求められていません。幼稚園の通学にバスを利用する保護者にとって、バスで対応する教諭が担任でなければ日々のやり取りは連絡帳で済ませ、不明な点がある時に幼稚園に電話して確認するというところもあります。保育園のように毎日保護者と顔を合わせることはないので、保護者対応が苦手な方は、保護者との接点が少ない幼稚園に絞って就職・転職活動を行うのもいいかもしれません。

現在、保育士資格のみ取得しているけれども「幼稚園の方が向いているかもしれない」「幼稚園で働きたい」「幼稚園で働くか分からないが、長い目で見て幼稚園教諭の免許も取得したい」と考えている方に、厚生労働省と文部科学省の共同で特例措置が出されています。

 

 

保育士資格しかもっていなくても、幼稚園教諭の免許を取得できる

 

『幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例』
この特例を知っている人もいるのではないでしょうか。本来、2020年度末までの特例でしたが、2019年6月に2025年度末と延長になりました。
この特例とは、❝保育士の登録をしている者について、保育士等の勤務経験を評価し、幼稚園教諭免許状の授与を受けるために修得することが必要な単位数を軽減するという特例です。❞(参照:文部科学省公式ページ)
2015年、幼保連携型認定こども園が創設されたときに、そこで働く「保育教諭」は保育士資格と幼稚園教諭免許の2つを取得していることが原則とされ、どちらか一つの資格しか取得していない保育士・幼稚園教諭に資格の共有を促進することで円滑な移行を進めるためにこの特例が出されました。
具体的には、「保育士資格をもち、保育士等としての勤務経験が3年(4,320時間以上)あれば、大学等において8単位取得すると幼稚園教諭免許を取得できる」というものです。学士の資格も有していれば、幼稚園教諭(1種)の資格を取得することができます。本来、幼稚園教諭免許を取得するには通信では取得できず通学する必要があるので、特例措置の期間中に選択肢を増やすために取得を考えてもいいかもしれませんね。

幼稚園は保育園以上に園の特色がさまざまで、そしてその特色が強い傾向にあります。必要に迫られて預けられることが多い保育園とはちがい、どのような幼稚園で子どもに過ごしてもらいたいか、保護者の選択肢が広いので、保護者にアピールできるような「強み」をもつ幼稚園が多いのです。
冒頭のような、「保育園が保育するところなら、幼稚園は教育するところ」というイメージはそこから来るのかもしれません。就業する時に、自分に合っているのは保育園か幼稚園かということよりも、まずはどのように子どもと接したいかを一番に考えてみてくださいね。