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CME保育士コラム

保育実習と実際の勤務時のギャップ!見ておくポイント!

大阪府立大学が発表した論文によると、保育士として就業してから3年以内で退職する、いわゆる早期退職した保育士がいると回答したのは保育園全体の約4割を占めていました。

 

 

「1年目だけど、保育士を辞めたい」

「自分は保育士に向いてない」

「保育実習では、こんなにきつい仕事だと思わなかった」

 

保育実習で保育現場を知ったつもりでも、いざ保育士として保育園で働き始めると、「思っていたのと違う」と感じる人が多いです。このことが、潜在保育士が広く認知されているように、保育士資格を持っていながらも保育士として就業できない人や就業したくない人がたくさんいる一因と言えるでしょう。

保育実習を終えた後にそのことに気付き、学生のうちから他業種に就職志望先を変更する人はまだ良い方かもしれません。

 

本記事では、どんな点に着目して保育実習に臨むといいのか、現在保育学生の方や保育園の見学を考えている転職中の方に抑えてほしいポイントを解説いたします。

 

 

就業前のイメージによって保育士として長く就業できるかが変わる

およそ150ページからなる東京都保健福祉局の「東京都保育士実態調査(平成30年度)」では、とても興味深い調査結果が発表されていました。

この調査では、勤務時間や給与といった「保育士の実態」から就業前後のイメージのギャップや今後の退職・復職意向といった「個人の気持ち・捉え方」までを、現在保育士として就業している人と過去に保育士として就業した経験はあるが現役保育士ではない人に分けて、その調査結果が詳細に記録されています。

 

調査内の「就業前後の保育士イメージ」では、

①勤務時間

②保育外の業務

③休暇

④給与

⑤専門性

⑥やりがい

⑦人間関係

⑧保護者対応

⑨精神面

⑩体力

⑪将来性

の観点から、保育士が感じたギャップをまとめています。

そこからさらに、本記事では、就業前のイメージと就業後のイメージに5ポイント以上の差があった項目に着目し、保育実習や見学時に見ておくポイントを整理していきます。

 

 

◆現役保育士の就業前後の保育士イメージ

就業前後でイメージが下がったのは、「保育外の業務」のみでした。

〇「保育外の業務」

就業前に「少ない」と答えた保育士は23.1%

就業後に「少ない」と答えた保育士は9.1%

→就業前後でマイナスイメージを持った人は、14ポイント

 

しかしその他はほとんど就業前後でギャップはなく、むしろ「休暇」や「人間関係」、「保護者対応」の項目では就業前よりもイメージが改善されています。

 

〇「休暇」

就業前に「多い」と答えた保育士は11.8%

就業後に「多い」と答えた保育士は19.0%

→7.2ポイントのイメージ改善

〇「保護者対応」

就業前に「良好」と答えた保育士は14.5%

就業後に「良好」と答えた保育士は34.7%

→20.2ポイントのイメージ改善

〇「人間関係」

就業前に「良好」と答えた保育士は26.0%

就業後に「良好」と答えた保育士は48.5%

→22.5ポイントのイメージ改善

 

全体的に、「就業前のイメージ通りだった人」や「就業前ほどのハードなイメージではなくなった人」が、現役保育士に多いようです。

続いて、過去に保育士として就業経験がある人の実態を見ていきましょう。

 

 

◆過去に保育士就業経験がある人の就業前後の保育士イメージ

就業前後でイメージが下がったのは、「保育外の業務」と「やりがい」、「将来性」の3項目でした。

〇「保育外の業務」

就業前に「少ない」と答えた保育士は26.6%

就業後に「少ない」と答えた保育士は8.7%

→就業前後でマイナスイメージを持った人は、18.9ポイント

〇「やりがい」

就業前に「ある」と答えた人97.5%

就業後に「ある」と答えた人91.5%

→就業前後でマイナスイメージを持った人は6ポイント

〇「将来性」

就業前に「ある」と答えた人69.3%

就業後に「ある」と答えた人55.3%

→就業前後でマイナスイメージを持った人は14ポイント

 

一方、イメージが改善したものは「人間関係」と「保護者対応」で、2項目とも現役保育士と共通する結果でした。

 

イメージが改悪した項目は、現役保育士が「保育外の業務」の1項目だったのに対して、過去に保育士として就業経験がある人は3項目。「保育外の業務」に加えて、「やりがい」や「将来性」を感じられなくなった人が多いことが分かります。

 

就業する前にイメージしていた保育士像よりも「実際の方が大変だった」という側面はあるものの、それ以上に「実際の方が物足りない、保育現場に失望した」という側面の方が強いと推測できます。就業した保育園の保育観が合わなかったり、思い描いていた保育士像と実際の業務がかけ離れていたりした時、この調査結果のように「やりがい」や「将来性」にマイナスなギャップを感じるのでしょう。

 

 

保育士1年目でも求められるものが多い

 

調査結果の他に、ギャップを感じる点として、「保育士1年目でも求められるハードルが高いこと」もあります。

 

例えば、同じ国家資格保有者である美容師の場合、新卒1年目のスタッフは「アシスタント」としてカットされた髪の毛の清掃をしたりドライヤーで髪をかわかしたり、その業務は限定されています。1年目でいきなりお客様を担当してカットするなんてことはありません。医者でも、最初は研修医からスタートし、1年目から患者の主治医になることは通常ありません。

 

それに比べて保育士の場合、行事や主担任を任されることはないものの、1年目からクラスに配属され先輩保育士のもと保育活動をすすめたり保育記録や連絡帳を書いたり、保護者の対応をしたりします。いくら机上で学んできた知識をもっていても、月齢や家族構成、環境、発達過程が異なる子ども一人ひとりに沿った保育計画を立て、実際に保育していくのは新卒保育士にとって困難極まりないことでしょう。

それ故に、周囲の先輩保育士や保育園の人材育成体制が整っていなければ、そしてそれを就業前に知っておかなければ、離職へと至ってしまうのです。

 

 

実習中に見られる3つのポイント

では、どんな点を見ておくといいのでしょうか。

まず1点目は「行事と製作物の量」。

言うまでもなく、行事の量が充実しているほど保育以外の業務が増えます。年間行事はホームーページ上で公開している保育園も多いですが、実習中には、「保育士が何の行事準備に取り組んでいるか」「どれくらいの準備期間があるのか」と具体的に知ることができます。

また、製作物についてはラミネートをして製作物を使いまわせるように工夫していたり実習生に割り振ったりして、「割くべきところに時間を割いているか」を見ます。

「保育外の業務が多いか」は、就業前後で「多い」と答えた人の割合が増えた項目の一つ。「行事や製作物の量」を見ることでギャップを減らしましょう。

 

2点目は、保育士間の人間関係です。恐らくほとんどの方が着目するところですが、「楽しそうに仕事しているか」「保育士同士で、報告・連絡・相談等でよく会話しているか」と見ておくポイントは非常にシンプル。保育士間でコミュニケーションをとっているかは、子どもにより良い保育を提供することにもつながります。

 

最後は、子どもへの関わり方です。

保育園によって異なる保育観によって子どもへの関わり方もそれぞれ。そのため、毎日の反省会等を通して「あの場面で、あのような対応をしたのはなぜか」といったように積極的に質問しながら、実習先である保育園の保育観の理解を深めなければなりません。その上で、「保育士の機嫌によって、子どもへの関わり方が変わっていないか」も併せて見ておきましょう。

 

 

保育実習中に見られないポイントの解消法

保育実習以外にも、学校に保管されているこれまでの「実習報告書」を読んだり、前年度に実習先となる保育園での実習を修了した先輩に直接話を聞いたりすることで、自分が保育実習で感じたことの認識を深めることができます。

また、運動会や発表会のような大きい園行事に参加させてもらい、より実際の保育業務に携われる機会を得るのもいいでしょう。これは保育園から声を掛けられることの方が少ないので、ぜひ自ら提案してみてください。