慣らし保育の進め方のコツを伝授!
4月になると新入園児がたくさん入ってきますよね。
そこで悩むのが慣らし保育の進め方についてです。
保護者の仕事復帰まで時間がある子は比較的ゆっくりと余裕をもって慣らし保育を進めることができます。
しかし中には「4月1日復帰だからなるべく早く慣らし保育を終わらせてほしい」という家庭もあります。
更に、そういう家庭の子に限って保育園になかなか慣れることができずに1日中泣いている…というのもよくある話です。
子どもの様子を優先してあげるのはもちろん大切なのですが、いつまでも慣らし保育が進まないと保護者の不信感にも繋がります。
今回紹介する慣らし保育の進め方のコツを覚えておくことで、保護者と友好な関係を築きながら子どもも無理なく慣らし保育を進められるはずです。
そこで今回は慣らし保育の進め方のコツを
・子どもの様子
・保護者とのコミュニケーション
の2種類にわけて計8項目にまとめました。
本記事で紹介するポイントを抑えて、慣らし保育を進めていく際に役立ててください。
子どもの様子
これから保育園で長時間保護者と離れて過ごすのは子どもです。
そのため、まずは子どもの様子をしっかりと確認してあげましょう。
慣らし保育を進めるうえで確認するべき点は4つです。
1.水分をとることができる
始めのうちは泣いているのはしょうがないですが、泣き続けて水分もとれないようでは脱水の心配があり、子どもへの負担が大きすぎるので慣らし保育を進めることができません。
保育園でも水分補給ができるのかどうかをしっかり確認しておきましょう。
自宅から持参している水筒がダメであればコップで飲ませてあげるなど、工夫をすることが大切です。
まずは水分をとることが出来れば、保育時間を1~2時間程度延ばしても大丈夫でしょう。
2.給食(ミルク)やおやつをある程度食べることができる
給食を全く食べられない・ミルクを全く飲むことができないと、保育時間を延ばしたときに子どもは空腹で長時間過ごすことになってしまいます。
給食が食べられないと水分がとれていても夕方まで保育時間を延ばすことは難しいので、給食や午睡後などのお迎え時間にするのがいいでしょう。
環境の変化もあり慣れない場所での食事のため、半分以上食べられていれば大丈夫です。
給食が食べられるようであれば保育時間を延ばして、15時のおやつを食べることができるか確認してみましょう。
3.午睡することができる
これは特に0・1歳児クラスの話しになります。
始めは抱っこでないと寝ない・午睡時間が短いということがあると思いますが、これは慣れない環境なので仕方がありません。
しかし、一睡も出来ないようであれば、短時間でも午睡ができるようになってから保育時間を延ばすようにしないと子どもへの負担が大きく、疲れがとれずに怪我や体調不良にも繋がってしまいます。
短時間でも午睡ができるようになったら、夕方まで保育時間を延ばしてもいいでしょう。
2歳児クラス以上では家でも昼寝をしないという子もいるので、まずは自宅での様子を確認してみて下さい。
4.泣かない時間がある
1日中泣き続けていては、子どもへの負担も大きいものです。
- おもちゃで遊んでいる間
- 外に出ている間
- 抱っこしている間
など、少しでも泣かない時間が出来てきたら少し保育園に慣れてきた証です。
泣かない時間ができてきて、ここまで紹介してきた3点(水分補給・給食・午睡)が大丈夫であれば、思い切って短時間保育(8:30~16:30)、通常保育と時間を延ばしてみるのがおすすめです。
自宅での好きな遊びを聞いて保育園でも取り入れたり、活動の中で子どもが興味をもっていることを見つけてあげることで、安心して過ごせるようになってきます。
保護者とのコミュニケーション
保育園生活では保護者との関わり方が非常に大切になってきます。
最長で6年間これから共に協力して行くので、コミュニケーションの取り方はしっかりと考えておきましょう。
伝え方ひとつで保護者の保育士に対する信頼感は大きく変わります。
ただ保育時間を延ばせないことを伝えるだけでなく、しっかりと意思疎通ができるようにしていきましょう。
保護者とコミュニケーションをとるうえで確認する点は4つです。
1.保育園での子どもの様子を伝える
「なぜ慣らし保育の時間が延ばせないのか」について保護者にしっかりと伝える必要があります。
保育園での子どもの様子をこまかく伝えて「確かにそれなら仕方がない」と保護者に納得してもらえるように工夫することが大切です。
「ミルクが飲めないと、保育時間を延ばすことで子どもが長時間空腹で過ごすことになり、負担がかかってしまう」というように、なぜ保育時間を延ばすことができないのかを具体的な子どもの様子と共に伝えることで、納得してもらいやすくなります。
2.家での様子を確認する
保育園で水分がとれない、ご飯やミルクが食べられない時には、自宅での様子を確認してみましょう。
自宅ではどのようにしているのか詳しく聞き取りをして保育園でも試し、その結果を保護者に伝えることで、うまくいかなくても保護者は「工夫してくれている」と感じてくれるものです。
また、慣れない環境で頑張っていることが原因で夜泣きをしたり、わがままになるといった変化がみられる子もいます。
そういった一面がないかどうかも確認をして、何か自宅での変化が起きているようであれば保護者を労う一言をかけてあげることも大切です。
3.保護者と保育者の妥協点をつくる
保育者が慣らし保育の時間を延ばすことが難しいと思っていても、既に職場復帰している保護者は有休消化などの理由から早く慣らし保育を終わらせてほしいと思っているものです。
なので「給食がまだあまり食べられないですが、1度午睡明けまでにしてみますか?」「夕方までは難しいけれど、おやつ前までなら大丈夫かもしれません」など、ここまでなら何とか子どもが頑張れるという妥協点を作ってあげるのも大切です。
また、慣らし保育は登園時間は固定で降園時間を延ばしていくことが多いですが、登園時間の方を早めるというのも慣らし保育を上手に進めていくうえで大切なコツです。
同じ6時間保育でも、給食が食べられない子を9:00~15:00で預かるのと7:30~13:30で預かるのでは子どもへの負担も変わります。
保護者も有休が半休に済むだけでも助かるという人は多いので、おすすめです。
4.最終日を決めておく
あまりに慣らし保育が進まないと、保護者もいつ通常保育になれるのかと不安になってしまいます。
子どもは敏感で、保護者の不安感を感じ取りさらに泣いたり、ご飯が進まなくなってしまうということも少なくありません。
子どもの様子をみて慣れるまでに時間がかかりそうであれば、保護者に「〇日まで慣らし保育を続けてみて、その後は何かあれば連絡するかたちで通常保育にしてみましょう」とゴールをしっかり提示してあげることで、職場へも報告しやすく、保護者の不安感も少なくなります。
決めた最終日よりも早く通常保育へ出来そうであれば、早める分には保護者としても助かるので問題ありませんよ。
おわりに
慣らし保育は子どもの様子を見ながら保育者にも寄り添わなくてはいけないので大変ですよね。
今回紹介したコツを覚えていれば、保護者と良好な関係づくりをしながら、子ども自身も無理なく慣らし保育を進めていけることでしょう。