トラブル対応!保護者とのやり取りで押さえておくべきポイント!
保育園生活で必ず1度は経験するトラブル対応。
子どもが怪我をしたり、こちらの伝え方が悪くて失敗したり…
人間なのでミスはありますし、トラブルが起こってしまうのも仕方のないことです。
しかし、問題はトラブルになってしまった時にどう対応するかです。
保護者とのやり取りが上手くいけば、保護者とも信頼関係を保ったまま園生活を続けることができますが、トラブル対応に失敗すると、保護者からの信頼を大きく失うようなことになってしまいます。
そこで今回は、保護者とのトラブル対応で押さえておくべきポイント6つと、よくあるトラブル例での対応方法を具体的に紹介していきます。
トラブル対応で押さえておくべきポイント6選
最後までしっかりと話を聞く
まずは保護者の話をよく聞きましょう。
- 子どもから話を聞いた
- 他の先生にこう言われた
などがトラブルの原因の場合、上手く話しが伝わっておらず、誤解しているケースもあります。
話しの途中で「いや、それは」と訂正するのではなく、まずは最後までしっかりと話を聞くことが大切です。
また、話を聞くことで、どうしてそう思うのか(怒っているのか)について知ることもできます。
謝罪をする
たとえ保護者の勘違いでも「そう思わせてしまった」ということは事実です。
「それは違います」と保護者を否定するのではなく、まずは「そうだったんですね、すみませんでした」と一言謝罪を入れてから、「その件に関しては実は~」と説明を加えるようにしましょう。
いきなり否定されると、保護者は拒絶されたように感じ、勘違いしてしまったことを責められているような感覚になってしまいます。
しかし、こちらが先に謝罪を入れてから訂正することで、保護者自身も「そうだったんですね、すみませんでした」と快く受け入れてくれる場合がほとんどです。
まずは一言謝罪を入れるということをしっかりと覚えておきましょう。
トラブルの内容を保護者と確認する
話を聞き終えたら、トラブルの内容を確認していきましょう。
「そうだったんですね、申し訳ありません。〇〇が△△だったということですね?」と、保護者の話を要約して、保護者が伝えたい内容と、こちらが理解した内容が合っているのかを確認します。
トラブルの内容や原因が上手くかみ合わないまま話を進めてしまうと、いつまでも解決せずに、状況がどんどん悪化してしまうので、注意が必要です。
中立の立場で話をする
- 他の先生にこう言われた
- 子ども同士のトラブルについて
などは、中立の立場に立って話すことが大切です。
保護者に寄り添うことは大切ですが「○○先生ってそういうところあるんですよね「○○ちゃん(保護者の子ども)は悪くないですよ、相手の子に一方的にやられてしまって」のように、保護者に都合のいいように言ってしまうと、更にトラブルに発展する可能性があります。
保護者同士のコミュニケーションもあるので、「△△くんが○○ちゃんのこと一方的に叩いたんだって」という情報が保護者間でまわり、今度は△△くんの保護者とトラブルに…というのもよくあることです。
そのため、その時の状況を伝えるときには自分の感情や主観は入れずに、事実のみを話すようにしましょう。
価値観の違いを理解する
親にとって子どもはかけがえのない存在です。
勿論保育士も子どもを大切にしていますが、親の想いとは少し異なる部分があるというのも事実です。
また、自分にとってはなんてことないことでも、相手にとっては大きなことだったりします。
「そんなことで」と思うのではなく、「そういう考えの人もいる」と価値観の違いがあるということを受け入れるようにしましょう。
他の職員を頼る
お迎えの時間では、その時の状況を詳しく知る保育士が帰っていて、引継ぎはしていても保護者からの質問に答えられない場合もあります。
そういった時には「明日、担当の保育士から詳しく話をする形でもよろしいでしょうか?」と、状況がわかる職員にお願いしたり、どうしても解決が難しそうであれば主任や園長等にお願いするというのも大切です。
無理に自分1人で解決しようとすると、かえって悪化してしまう場合もあります。
他の職員に丸投げするのではなく、自分もしっかりその場にいるようにはしましょう。
トラブル例と対応法
実際によくあるトラブル例と、その対応方について紹介していきます。
子ども同士のトラブル
原因
AくんがBちゃんの使っていた玩具を使いたくて、「貸して」と声をかける。
しかしBちゃんはまだ使いたかったようで「ダメ」と断った。
そのことに怒ったAくんがBちゃんを叩き、顔にひっかき傷が出来てしまった。
お迎えに来たBちゃんの保護者が、こちらが説明をする前にBちゃんの顔を見て「顔に傷が出来ているなんてどうゆうことですか?」と怒り出した。
対応法
まずは「お友達と喧嘩になって、怪我をしてしまいました。申し訳ありません」と簡潔に説明しながら謝罪をします。
そのうえで、一連の流れと、その後の保育者の対応(傷の手当や子ども同士のトラブルの解決方法など)、子どもの様子(傷を痛がったりしていないか、Aくんとの様子はどうか)等について、詳しく説明をしていきます。
最後に「止められずに怪我をさせてしまい、申し訳ありませんでした」と、こちらの落ち度について、もう1度謝罪をしましょう。
子ども同士のトラブルで、大きな怪我でなければ理由を説明すると納得してくれる保護者が多いです。
体調不良によるトラブル
原因
子どもに37.7℃の発熱が見られたので、保護者にお迎えの電話をする。
「それくらいならもう少し様子を見てほしい」と言われるが、37.5℃以上でお迎えに来てもらうという園の方針のため、断ったところ保護者が怒り出しトラブルになった。
対応法
保護者も仕事をしているため、簡単にすぐに迎えに来れるものではないということを理解しましょう。
そのうえで、感染症が流行っているようなら「インフルエンザが流行っているので」と理由を説明したり、子どもが熱があっても比較的元気なのであれば「では、30分様子を見て熱が下がらないようであれば、もう1度ご連絡してお迎えに来ていただくというのはどうですか?」等、具体的な理由や子どもの様子、妥協案を出して、保護者にも寄り添うことでトラブルになりにくくなります。
電話でのやり取りは顔が見えないため、声のトーンや話し方には細心の注意が必要です。
保育士の対応に対するトラブル
原因
子どもが自分で洋服を着たが前後が反対だった。
直そうとしたが子どもが嫌がったため、そのままにしていた。
翌日保護者から「昨日子どもが着ていた洋服が前後反対だった。前後反対に着せるなんておかしい、気付かないのか」と怒っていた。
対応法
「お伝え出来ずに申し訳ありません」とまずは事実が伝わらなかったことへの謝罪をする。
そのうえで一連の流れを伝え「前後は逆になってしまいましたが、自分で着ることが出来たんですよ、頑張って着ていました」と子どもを褒めるようにしましょう。
「帰りにお伝え出来ずに本当にすみませんでした。時間が経ってから○○ちゃんにも、直していいかもう1度確認すればよかったです」と、もう1度謝罪した後に、こちらの反省点を伝えることで、保護者は事情を知ることができ、保育士の反省も伝わるので解決するケースが多いです。
保護者対応は1人1人対応方法も違うので難しいですが、今回のポイントを押さえながら、1人で解決しようとせず、園全体で解決へ導けるようにしていきましょう。