一年に一度‥織姫と彦星が会える日‥☆園児にも教えられる♪七夕の由来
7月の一大イベントといえば、七夕が挙げられますよね。
保育園でも七夕会をやる園が多いかと思います。
そこで今回は七夕会や、七夕に向けて日々の保育で役に立つ、七夕の由来や短冊のカラーについて等、詳しく紹介していきます。
七夕とは何か
7月7日が七夕とされており、年に1度この日だけ織姫と彦星が天の川で会える日です。
七夕は2つのならわしが融合した行事で、「笹の節句(しちせき)」とも呼ばれていて、「五節句(ごせっく)」の1つにもなっている伝統的な行事です。
※五節句は人日(じんじつ)の節句(七草)、上巴(じょうみ)の節句(ひな祭り)、端午(たんご)の節句、笹の節句(七夕)、重陽(ちょうよう)ののことです。
地域によっては8月7日に七夕を行う地域もあります。
七夕の由来
七夕の由来には所説言い伝えがありますが、子ども達にわかりやすい由来を1つ紹介します。
昔々あるところに、神様の娘である織姫と、若者の彦星がいました。
織姫はとても働き者で、機織りの仕事をしていました。
彦星は牛の世話をよくしているしっかり者です。
やがて織姫と彦星は結婚することになりました。
ところが、結婚したとたんに、今まで働き者だった織姫と彦星は急に働かなくなり、遊んで暮らすようになってしまいました。
それを見て怒った神様は、織姫と彦星の間に天の川を作って、会えないようにしてしまいました。
とても悲しんだ織姫と彦星は泣き続けました。
それを見た神様は、前のように真面目に働いたら1年に1度、織姫と彦星を会わせてくれると約束しました。
それから2人は心を入れ替えて、以前のように一生懸命働くようになりました。
そして織姫と彦星は、年に1度だけ天の川を渡って会うことができるようになり、その日を七夕と呼ぶようになりました。
短冊の色や意味
願い事を書く短冊には元々5色の色が使われていて、それぞれの色に意味があります。
使われていたのは、青・赤・白・黄色・黒の5色で、これらは中国の陰陽五行説というのが元になっています。
陰陽五行説とは、自然界のものは「木・火・土・金・水」に当てはめることができるという考え方です。
日本では昔、緑のことを「あお」と言っていたため青が緑に、黒が不吉なイメージが強いため紫に変更されて、緑・赤・白・黄色・紫の5色を使っていました。
それぞれの色には意味があり、願い事に合った色の短冊に願いを書くことで、叶いやすいと言われていました。
今でも短冊に願い事を書く風習は変わっていませんが、色は気にしなくなってきていて、大人でも短冊の色に意味があるということを知っている人は少なくなってきています。
色ごとの意味を説明していくので、子ども達にもこんな意味があるんだよと伝えてあげると面白いですよ。
青(緑)
陰陽五行説での「木」を表します。
人間力を高めたい気持ちを書く際に使われています。
例:「縄跳びができるようになりたい」「怒りんぼをなおしたい」など
赤
陰陽五行説での「火」を表します。
親や祖先に感謝する気持ちを書く際に使われています。
例:「ママ(パパ)いつもありがとう」「おじいちゃんが元気でいられますように」など
白
陰陽五行説での「金」を表します。
守りや義務を守る気持ちを書く際に使われています。
例:「毎日早起きできますように」「自分で着替えができるようになりたい」など
黄色
陰陽五行説での「土」を表します。
人を信じ、大切に想う気持ちを書く際に使われています。
例:「お友達と仲良く遊べますように」「たくさんの人とお友達になれますように」など
黒(紫)
陰陽五行説での「水」を表します。
学業の向上を願う際に使われています。
例:「勉強を頑張りたい」「テストでいい点とりたい」など
七夕飾りの意味
七夕飾りは笹に付けるのが一般的ですが、笹(竹)は真っすぐに伸びることから、生命力があり神聖な植物であり、笹の葉が魔除けになると考えられているため、笹の葉が使われています。
また、七夕飾りと言えば短冊を思い浮かべますが、他にも提灯や吹き流しなど、様々な七夕飾りがあり、それぞれに込められた願いがあります。
吹き流し
織姫の機織を表しており、長寿の願いや機織(裁縫)が上達するようにという願いが込められています。
ねじりあみ(網飾り)
幸せを絡めとる・魚をとる網に見立て、大漁を願うという意味が込められています。
提灯
心を明るく照らしてほしいという願いが込められています。
折り鶴
家族の中で最年長の人の年の数だけ折ると良いと言われており、家内安全や健康、長寿の願いが込められています。
星飾り
星に願いが届いてほしいという願いが込められています。
巾着
貯蓄・節約・商売繁盛などの願いが込められています。
織姫と彦星
ずっと仲良しでいられるようにという願いが込められています。
紙衣(かみごろも)
こちらも吹き流しと同様に、機織(裁縫)が上達するようにという願いが込められています。
子どもが健康に育つようにという願いも込められており、紙衣は身代わりとなる形代でもあるため、竹の1番先端に吊るすことが多いです。
くず籠
七夕飾りを作った際に出たくずを入れることで、整理整頓する心や清潔にする心を養うという願いが込められています。
七夕に向けたおすすめの活動4選
七夕の由来をただ説明するとなると、たくさんの意味があり子ども達にも伝わりにくいので、様々な活動を通してその都度由来や意味合いを説明していくことで、子ども達にも伝わりやすくなります。
七夕におすすめの活動を4つ紹介していきます。
短冊を書く
短冊を書く前に短冊の由来や意味合いを説明することで「自分は何色の短冊に書こう」と考えることができ、由来を理解しやすくなります。
短冊を書いたら自分で笹に飾るのも楽しいですね。
七夕飾りを作る
全ての七夕飾りの説明をするのは難しいですが、3~4つ程度意味を説明し、どの飾りを作りたいかグループ分けして作ることで、意味をしっかり覚えながら製作に取り組むことができます。
夜に星を見てみる
天の川の説明をして夜に星を見てきてもらい、翌日星の様子を子ども達と確認してみるのがすすめです。
日頃ゆっくり星を見る機会も少ないため、子どもならではの発見があったりして楽しいです。
笹船作り
実際に笹に触れてみて、笹の葉が真っすぐであることや葉の感触を知ることで、親近感を持つことができ、理解が深まります。
6月下旬~7月は暑い日も多いため、作った笹船を水に浮かべたり川に流したりして、水遊びの導入にすることもできます。
七夕は、七夕自体の由来だけでなく、短冊の色や七夕飾りなど、1つ1つに意味があり、全てを子ども達に伝えることは難しいですが、1度にすべてを伝えるのではなく、遊びや活動の中で時間をかけて少しずつ伝えることで、子どもも無理なく七夕について理解することができます。
また、由来を伝える際に紙芝居や絵本などを活用することで、子どもが情景を想像することができ、理解しやすくなるのでおすすめです。