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CME保育士コラム

これから夏本番!真夏に潜む危険~保育士編~

前回は真夏の保育について、園児の注意すべき点について説明をしましたが、真夏の保育では保育士も注意が必要です。

子ども達を見るという責任感から、少し体調が悪くても言い出すことが出来ずに気が付いたら重度の熱中症を引き起こしていたということもあります。

保育士の体調が悪いまま保育を進めると、子どもの異変や様子に気が付けず、怪我や事故に繋がる可能性もあります。

体調がすぐれないときには無理せずに休息をとることが大切です。

今回は、熱中症がおこりやすい原因や過去にあった事例、対策方法等について、詳しく紹介していきます。

 

 

熱中症が起こる大きな原因とは

熱中症になる原因は大きく分けると3つあるため、それぞれ詳しく紹介していきます。

1.温度や湿度が高い

熱中症は暑いと起こりやすいというのはよく知られていますが、湿度が高くても起こりやすくなります。

湿度が高いと汗をかきにくく、体温調節がうまくできないため熱が身体にこもってしまいます。

屋外だけでなく、室内で風通しの悪い場所・エアコンのない場所はどこなのかを確認し、その場に長時間とどまらないようにするといった対策が必要です。

2.持病やその日の体調

元々体温が高い人は熱中症になりやすかったり、寝不足や疲れ、偏った食生活や運動不足の人は熱中症になりやすいです。

夏バテによって食欲が低下し、食事が偏りがちになることも多い季節ですが、できるだけ栄養バランスを考えて食事したり、エアコンや扇風機を活用してしっかり睡眠をとることが大切です。

3.汗のかきすぎ

夏場は多く汗をかきますが、汗と共に身体の水分やミネラル・塩分などが排出されています。

水分補給をする際は水や緑茶ではなく、できるだけ麦茶やスポーツ飲料を飲むことで、ミネラルや塩分を補給することができるのでおすすめです。

水分補給をしないと、熱中症だけでなく、脱水症状も引き起こす可能性もあるため、水分補給はこまめに行うことが大切です。

 

 

過去に合った保育士の熱中症の事例

実際に保育士が熱中症になったという事例を紹介します。

1.2011年9月に起きた死亡事故

9月に千葉県で運動会を開催中に、22歳の保育士が体調不良になり119番通報をし、救急搬送されたが、病院で死亡が確認された事故です。

運動会の時期はまだ暑いことも多く、行事ということもあり水分補給や休息をとる時間がなかったなど、様々な原因が重なって起きてしまった事故です。

運動会はプログラムに沿ってどんどん進んで行くので、水分補給を後回しにしがちですが、戸外で日光を浴びて行っており、汗を多くかくため、しっかりと水分補給を行うことが大切です。

2.室温35度の中で起きた熱疲労

熱疲労とは、熱中症に加えて脱水症状が起きている状態のことで、症状としては頭痛・嘔吐・倦怠感等が挙げられます。

梅雨明け前の湿度も高くジメジメと暑い時期の保育で、子どもに気を配ることを優先してしまい、気付いたときには熱疲労を起こしていたというケースです。

幸い、頭痛や倦怠感・ふらつきを感じて休息をとったことで大事には至らなかったとのことです。

梅雨時期は湿度も高く、気温差もあり身体が暑さに慣れていないことから、熱中症になりやすい時期です。

また、雨が降っていることから窓を開けられず暑さがこもってしまいがちです。

エアコンや扇風機を活用し、室温が上がりすぎないようにすることが大切です。

 

 

熱中症の対策方法

熱中症を防ぐための対策方法について紹介していきます。

1.こまめな水分補給

何度も伝えていますが、水分補給は熱中症だけでなく、脱水症状を防ぐためにも大切な対策の1つです。

緑茶や水ではなく、麦茶やスポーツ飲料を飲み、ミネラルや塩分補給も同時に行うことが大切です。

夏場は子どもたちに水分補給をするよう声を掛けることが多いですが、そのタイミングで一緒に水部補給をすることで熱中症や脱水症状を防ぐことに繋がります。

2.しっかりとした休息

夜は気温が下がるためエアコンは付けないという方も多いですが、寝ている間は水分補給が出来ないため、寝ている間に熱中症になるというケースも多いです。

衣服や布団で調節したり、室温が下がりすぎないようタイマーや温度設定をしてエアコンや扇風機を活用するなどをして、夜にしっかりと睡眠をとることで、熱中症対策に繋がります。

また、仕事中も休憩時間には身体を休めてあげることが大切です。

3.長時間暑さを感じる場所にいない

戸外遊びに出かけた際や水遊び・プール遊びなどの際に、長時間日差しの強い場所に立っていることのないようにしましょう。

特にプール遊びは日の当たる場所で行われる場合も多いですが、プール内に入る保育士とプール外で見守る保育士を定期的に交代して体温が上がりすぎないようにしたり、しっかり帽子を被ったりすることが大切です。

4.栄養バランスの良い食事を心掛ける

夏バテを理由に朝食を抜いたり麺類ばかり食べていると、栄養バランスが偏り熱中症を起こしやすくなります。

豚肉やたまごのようなたんぱく質をしっかりとったり、野菜や果物でビタミンやミネラルをとることが大切です。

食欲のない時には納豆やオクラ、モロヘイヤ等のねばねばした食材は食べやすく栄養価も高いのでおすすめです。

熱中症になってしまった時の対処法

熱中症かもしれないと思ったら

  • 涼しい場所で休む
  • 水分補給をする(経口補水液など)
  • 靴下などを脱ぎ薄着になる
  • わきの下や首、太ももの付け根に保冷剤を当てて体温を下げる

ことが大切です。

また、「頭が痛いけどまだ動ける」「少しめまいがしたけど貧血かな」と無理をするのではなく、少しでも体調に違和感を感じたらすぐに休むことで、重度の熱中症になることを防ぐことができます。

 

保育士という職業柄、どうしても子どもが優先で、ちょっとした体調の異変には気付かないふりをしてしまうという人も多いです。

しかし、保育士の体調がすぐれない中無理して保育を進めると、普段は気付けるはずの子どもの様子に気が付けず、怪我や事故に繋がる恐れもあります。

また、無理して保育を行っている間に保育士が倒れてしまっては、子ども達を不安にさせることに繋がります。

熱中症は夏場に多いものですが、重度になると命にも関わる大変なものです。

「熱中症はよくあるもの」と考えるのではなく、体調に異変を感じたら決して無理はせず、少し休んだり、病院を受診したりして自分の身体を大切にしてあげてくださいね。