みんなはどうしてる?園児の噛みつき対処法!
保育園では子どもたちが怪我なく安全に過ごせるように日々配慮をしていますが、お友達との関わりの中でトラブルが起きて、怪我をすることもあります。
叩かれた・蹴られた・引っ掛かれた・つねられたなど、様々なトラブルがありますが、0~2歳児クラスで多いトラブルの1つが噛みつきです。
今回はなぜ噛みついてしまうのかよくある原因や防止策、噛まれてしまったときの対処法まで詳しく紹介していきます。
噛みつきが起こる主な原因
噛みつきは0~2歳児クラスに多く見られますが、その原因を3つ紹介していきます。
お友達への興味・関心
0~1歳児クラスで多いのが、お友達の指や腕が近くにあって興味があって噛んでしまったり、遊びのつもり・楽しくなってきてなど嫌なことがあるから噛むわけでなく、お友達との関わりや興味がでてきた中で起きてしまうケースです。
また、0・1歳児はお互いにお友達との関わり方がわかっていないことが多く、お友達の口に指を入れようとして条件反射のように噛まれる、顔を触ろうとして噛まれるといったことも多いです。
気持ちを上手く伝えることが出来ないもどかしさ
噛みつきの原因の多くはお友達とのトラブルです。
おもちゃを取られそうになった、貸してもらえなかった、一緒に遊んでもらえなかったなど、自分の思うようにいかなかった時に、乳児は「やめて」や「貸して」などが上手く伝えられません。
また、幼児になればすぐに貸して貰えなくても子ども同士時間を決めて交換するなどが出来ますが、乳児は時間の概念もまだなく「今貸してもらえない」という悲しさが全てなので、自分の思うようにいかないことがあるとつい口が出てしまうことがあります。
精神的に不安定
保育園や家庭でストレスを抱えていて、口が出やすくなるケースもあります。
引っ越し・母親の妊娠・保護者の勤務時間の変更などがあった直後から噛みつきが始まったという子も多く、子どもは些細なことにも敏感です。
また、担任がいる時は落ち着いているのに休みや退勤した後になると噛みつきが起こるという子もいます。
まだ担任以外の保育士にうまく心を開くことが出来ておらず、ストレスとなって保育士やお友達に噛みついてしまうケースです。
噛みつきの防止対策
上記で説明した原因を元に、どのように援助・配慮することで噛みつきを防止していけば良いのか紹介していきます。
噛みつきがある子の傍には保育士がつく
口の出やすい子をしっかりと全職員が把握し、必ず何かあった時に手が届く距離に保育士がつくことで噛みつきを防ぐことが出来ます。
また、0・1歳児クラスの場合は、お友達の顔や口に手をもっていきやすい子にも注意が必要です。
口元に手があると条件反射のように噛んでしまうことが多いため、口元に手をもっていく前に止めることで噛みつきを防止することが出来ます。
コミュニケーションを多くとり、情緒の安定を促す
精神的に不安定な状況から噛みついてしまう子もいるため、保育士がスキンシップを多くとり、安心して過ごせるようにすることで噛みつきが落ち着くことがあります。
また、噛みつきが繰り返し続くようであれば保護者へ報告をし、家庭でも多くスキンシップをとってもらうといった配慮も必要になってきます。
トラブルが起きた際に解決方法を伝える
気持ちをうまく伝えられずに口が出てしまうというのが噛みつきの原因としては最も多いので、お友達とトラブルになった際には「使いたかったら貸してって聞いてみよう」「お友達が貸してくれなくて困ったら先生に教えてね」など、その都度どのように解決していけばいいのかを伝えていくことで、気持ちを言葉で伝えられるようになり、噛みつきも少しずつ落ち着いていきます。
噛まれてしまった時の対処法
ここまで、噛みつきをしてしまう子の原因や防止策について紹介してきましたが、実際に噛まれてしまったときにはどのように対応していけばいいのかについて詳しく説明していきます。
子どもへの対処法
噛まれてしまった時には、まず流水で噛まれたところを洗い流します。
その後、流水や氷のうなどで冷やし、内出血を止めます。
噛まれたところを揉んだり圧迫すると内出血が悪化する恐れがあるので、あくまで冷やすだけにしましょう。
あまりに強い力で噛まれて、出血などが見られる際には病院を受診することも必要です。
応急処置をしながら、噛まれて痛かった、驚いたという子どもの気持ちに寄り添った声掛けや、噛みついてしまった子へのフォローをしましょう。
「噛まれてびっくりしたし痛かったよね。○○くんはおもちゃで一緒に遊びたかったみたいだけど間違えて噛んじゃったんだね。止められなくてごめんね」と声をかけてあげることで、噛まれてしまった子の気持ちだけでなく、噛んでしまった子との今後の関係性をフォローしてあげることが出来ます。
噛みついてしまった子には、噛んでしまった原因を確認して気持ちに寄り添いながらも、噛むことはいけない事だというのを伝えます。
「おもちゃを貸してもらえなかったんだ、それは嫌だし悲しかったね。でも、噛まれたらお友達はすごく痛いんだよ。噛むのはいけないことだから、今度からは「貸して」ってお話しようね」と、怒るだけでなく、その子の気持ちに寄り添いながら、なぜいけないのか・どうしたらいいのかをしっかりと説明することで、噛みつきをなくすことに繋がっていきます。
保護者への対応
噛まれた子の保護者への伝え方としては、ただ噛まれてしまったことを伝えるのではなく、その時の状況をしっかりと伝えることが大切です。
例えば、「最近お友達への興味が出てきて、頭を撫でたり腕を触ることが増えているのですが、今日はお友達の口の近くに指をもっていってしまい、噛まれてしまいました」のように伝えることで、その時の状況がよく伝わります。
状況を説明したうえで、防げなかった事への謝罪、どのような応急処置をしたのか、噛まれた時から迎えの時までの噛みあとの様子(噛まれてすぐは赤かったが青くなっている、現在は噛みあとは残っていない等)などを詳しく保護者に伝えましょう。
噛んでしまった子の保護者への伝え方は園によって異なります。
例えば0歳児が口元に相手の手があり噛んでしまった場合、成長段階としてしょうがない事なので、噛んでしまった子の保護者には噛みつきのことを伝えないことも多いです。
繰り返し噛みつきが見られる場合や、1・2歳児でお友達とのトラブルの際に噛んでしまった際には、噛まれた子の保護者同様、その時の状況を踏まえて話をします。
噛んでしまった子の保護者はその後のそのお友達との関わりを気にする方も多いので、「おもちゃを貸してほしかった時に貸してもらえずに噛んでしまいました。その後保育士と話をして、次は噛まないで貸してって聞こうねと伝えると、自分からお友達に謝ることができ、その後は仲良く同じおもちゃで遊んでいました」のように伝えると、保護者も安心することが出来ます。
併せて防げなかった事への謝罪も忘れないようにしましょう。
噛みつきは、自我が出てきたが言葉でうまく自分の気持ちを伝えることが出来ない0~2歳児クラスに特に多いトラブルです。
子どもの気持ちに寄り添いながら対応し、できるかぎり噛みつきを事前に防ぐことが大切です。
また、噛みつきが起こってしまった際にはしっかりと子ども・保護者共に丁寧に対応することで、噛みつきを減らしたり保護者とのトラブルを防ぐことに繋がるため、ぜひ今回紹介した内容を参考にしてください。