歯磨きを嫌がって大変!対処法や注意点のご紹介
乳歯は弱いためしっかりと歯磨きをして虫歯を予防することが大切ですが、子どもが自分でしっかりと歯磨きをするのは難しく、仕上げ磨きを嫌がる子もいて歯磨きに関する悩みは多いです。
そこで今回は乳児・幼児にわけて歯磨きの伝え方や嫌がってしまう時の対処法、接する際の注意点などについて詳しく紹介していきます。
歯磨きの伝え方や対処法
実際に歯磨きを嫌がってしまう場合にはどのようにしたらいいのか、乳児と幼児にわけて説明します。
乳児
乳児の場合は虫歯になると伝えても、虫歯がどういうものかわからない子も多いです。
そのため、絵本を通して歯磨きについて伝えていくことがおすすめです。
乳児向けの絵本では「はみがきあそび」「のんたんのはみがきはーみー」「すき すき はみがき」などがおすすめです。
絵本を見た後に実際に歯磨きをしてみることで、歯磨きを身近に感じることが出来ます。
園の方針などもあるかと思いますが、歯磨きを嫌がらないようにするには、歯の生え始め時から歯磨きを行っていき、慣れていけるようにする事が大切です。
そのため、0歳児クラスでは歯が生えてきたら保護者に声をかけて自宅で歯磨きを始めてもらったり、歯磨きの方法を手紙として配布するといった保護者向けの支援も必要になります。
嫌がってしまう時の対処法としておすすめなのが、鏡を使う・歌に合わせて歯磨きを行うの2つです。
実際に鏡を使って自分の歯がどのようになっているのかを見ることで興味が鏡に向くため、嫌がらずに歯磨きをしてくれることがあります。
また、なるべく楽しい雰囲気の中で歯磨きをすると嫌がることも少なくなってくるので、「はみがきのうた」などに合わせてブラッシングすることも効果的です。
歯磨き自体を嫌いにならないよう、どうしても嫌がる時には奥歯だけ・前歯だけのように虫歯になりやすい部分を中心に、少しずつ慣れていけるようにしていきましょう。
幼児
幼児になると、なぜ虫歯になるのか・虫歯になるとどうなるのかを理解できるようになってきます。
絵本や紙芝居を活用しながら歯磨きの大切さをしっかりと伝えることで、子ども達が「歯磨きは大切な事」という意識を持てるようにすることが大切です。
幼児向けの絵本では「はははのはなし」「がんばれはぶらしハーマン」「はみがき、やーだよ!」などがおすすめです。
虫歯になるという部分だけを伝えるのではなく、「虫歯になったら歯が痛くて大好きなご飯やお菓子も食べられなくなる」というように、虫歯になるとどうなってしまうのかまで詳しく伝えることが大切です。
また、歯磨きを嫌がる場合には保護者と家庭でどのように歯磨きをしているのかを確認しながら自宅と同じようにしたり、なぜ嫌なのかを子どもとしっかり話し合うことが大切です。
自宅でも歯磨きを嫌がっている場合は、園での様子も伝えながら、歯ブラシを子どもの好きなキャラクターのものにする・動画を活用するなど、自宅での歯磨きに慣れていけるように連携をとることもおすすめです。
嫌がってしまう時の対処法としておすすめなのは、幼児になるとお友達と一緒であれば磨ける子もいるため、お友達同士で声を掛け合って歯磨きをしたり、年下児と一緒に歯磨きをして見本になるようにするなどがおすすめです。
幼児になると自分がお兄さん・お姉さんという意識が芽生えてくるので、「見本見せてあげてね」と年下児と一緒に磨くことで嫌がらずに磨くことができることがあります。
歯磨きをする際の注意点
歯磨きをする際には子どもは勿論、仕上げ磨きをする大人の注意点もあるため、詳しく紹介します。
歯ブラシの正しい使い方を伝える
子どもは歯ブラシを振り回したり、口に入れたまま歩いたり走ったりする場合があります。
お友達の目に入ったら危ない・転んだら危ない等、しっかりとなぜいけないのか理由を説明しながら、正しい歯ブラシの使い方を伝えていくことが大切です。
過去に歯ブラシがのどに刺さって怪我をして入院するという事例もあるため、しっかりと正しい扱い方を伝えることが怪我や事故の防止に繋がります。
自分で歯磨きができるようにしていく
仕上げ磨きを嫌がる子も多いため、自分で歯を磨けるように歯磨き指導を行っていくことも重要です。
歯ブラシを咥えている=歯磨きとなってしまう子も多いため、奥歯の溝や歯の裏など、虫歯になりやすいところを伝えて磨き残しのないように丁寧に歯磨きするように伝えていくことで、仕上げ磨きの時間が短く済み、嫌がらずに歯磨きを行えるようになることがあります。
幼児の場合は、プラークチェッカーと呼ばれる磨き残しがないかを確かめることができる染色剤を使って、子ども達とどの部分に磨き残しが多くなりやすいかを確認することも効果的です。
歯磨きを嫌がる理由を考える
子どもがなぜ歯磨きを嫌がるのかについて考えて、どのように歯磨きを進めていくか決める必要があります。
イヤイヤ期であれば言葉がけひとつですんなり歯磨きができることもあるため、様々な声掛けや援助でその子に合った方法を模索したり、歯ブラシが怖いというこの場合は人形遊びに歯磨きを取り入れたりと遊びの中で慣らしていくことが効果的です。
また、普段よりも嫌がる時には体調がすぐれないなどの原因も考えられるため、そういった時には無理に歯磨きは行わずにうがいだけで済ませるといった対応も必要になってきます。
まずはなぜ歯磨きを嫌がるのかについて考え、1人1人に合った対応ができるようにしていくことが大切です。
仕上げ磨きの練習をする
大人も他人の歯を磨くという経験は少なく、力が強くなってしまったり、歯茎に当たってしまったりと、子どもが痛みを感じて歯磨きを嫌がることも少なくありません。
正しい力加減としては、歯に当てたときに歯ブラシの毛先が広がらない程度の力で、1~2本ずつ丁寧に細かくブラッシングすることが大切です。
大きく歯ブラシを動かすと歯茎に当たりやすくなり汚れも落ちにくくなるので、細かく丁寧に磨くことが大切です。
嘔吐反射について理解する
大人でも口の奥まで歯ブラシが入ると「オエッ」と吐き気が起こることがありますが、子どもは口が小さいため、嘔吐反射が起こりやすい子もいます。
人によって反射が起こりやすい場所は異なりますが、舌や上あごなどは嘔吐反射の起こりやすい場所になるため、できるだけ歯ブラシが触れないようにしてあげることで嫌がらずに歯磨きをできる場合があります。
歯磨きは保健衛生として欠かせないものですが、嫌がってしまう子も多いので、悩む保育士の方も多いです。
子どもに無理強いはせず、今回紹介した方法を参考にしながら、歯磨きを進めてみて下さいね。
出来たときにはたくさん褒めてあげることで自身にも繋がり、嫌がることなく歯磨きを習慣化することにも繋がります。