園児が真似してる!?保護者が見ている!?気を付けたい保育士さんの言動
近年保育士による虐待や保護者とのトラブルなどがニュースに取り上げられることも多々あり、保育士は言動により一層気を使う必要が増えてきました。
例えば子どもが飛び出してしまいそうになった時に子どもの腕を強く引っ張るというのも、虐待と捉えられてもおかしくはありません。
そうならないためには日々の保育の中で、子どもや保護者に対する言動がとても重要になってきます。
普段から保護者や子どもと友好な関係が築けていれば、事情を話せば腕を引いてしまったことも納得してもらえるかもしれませんが、保護者から「あの先生はちょっと…」と思われてしまっていては本当の事を話しても信じてもらえないという可能性もあります。
そこで今回は日々の保育の中で気を付けていきたい言動について詳しく紹介していきます。
園児に対して注意する言動
子どもは吸収が早く、言葉や行動もすぐに真似をすることが多いです。
そのため、保育士が何気なく放った言葉や態度を子どもが真似してしまうという可能性があります。
また子どもは感受性も豊かなので、保育士が何気なく言った一言で傷つくこともあれば子どもの可能性を引き出すこともあります。
例え悪意がなかったとしても、子どもを傷つけるような言動をしないために、よくある保育士の子どもを傷つけてしまう言動についていくつか紹介します。
1.他人と比較する
例えば「○○ちゃんは出来るのに」など、友達やきょうだいと比べるような発言は絶対にしないようにしましょう。
言われた子どもが傷つくのは勿論のこと、比べられた対象の子と仲が悪くなってしまう可能性もあります。
2.子ども自身を否定する
「いい子」「悪い子」という言葉も使わない方がいいでしょう。
悪い子というのはその子の行動だけでなくその子自身を否定する言葉なので、「○○するのはいけないこと」と行動や言動に対して注意をするようにすることが大切です。
また、いい子というのは「これをしたらいい子」という固定概念がうまれてしまいます。
こちらも「○○してくれて嬉しい」というように、行動自体を褒めてあげるようにしましょう。
3.気持ちを制限する
「泣いたらだめ」「すぐに怒らないで」など、子どもの感情表現を制限するような言葉がけはしないようにしましょう。
子どもにとって、自分の感情をコントロールして正しく表現するというのはとても難しいことです。
そのため、子どもの気持ちを制限するとストレスを抱えてしまいます。
「泣いちゃうくらい悲しかったんだね」など、子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。
その上で「何で泣いてるのか教えてほしいから、落ち着いたらお話してくれる?」などと言葉で表現できるように促していくのがおすすめです。
4.他の子と態度を変える
子どもによって援助方法を変えるのは大切な事ですが、態度を変えるのはしないようにしましょう。
自分が話しかけると冷たくあしらうのに、他の子に話しかけれられると楽しそうに話をするといった差を見せられると、子どもは自分が嫌われているのではと不安を感じてしまいます。
特に子どもが問題を起こしたあとは冷たくあしらってしまいがちですが、問題が解決した後は普段通り他の子と同じように接してあげるようにしましょう。
5.叩く
保育士をしていれば思い切り子どもを叩くというのは少ないかと思いますが、例えば「前に進んで」と軽く背中やおしりを叩いたり、なかなか入眠しない子の背中や胸を強く叩いたりといった行為も、虐待と捉われる可能性があります。
また、腕を強く引く・押す・抱っこから雑におろすなども虐待になる可能性があるため、子どもと関わる際には力加減に気を付け、虐待に見られないような行動を取ることが大切です。
例えば「道路に飛び出しそうになったので強く腕を引いた」といった事情がある場合には、子どもに異変がなくても園長や保護者に説明しておくことで、あとから知って不信感を持たれることを防ぐことに繋がります。
保護者に対して注意する言動
保護者は1人1人子どもに対する考え方や育児観が異なります。
そのため、保護者対応はとても難しいものではありますが、保育園で生活を送るうえでは保護者との信頼関係は欠かせないものです。
保護者からの信頼を失わないよう注意すべき言動について紹介します。
1.トラブルが起きた際に謝罪をしない
子ども同士のトラブルはよくある事ではありますが、叩かれたり噛みつかれたりした子の保護者にはまず保育士がとめられなかったことを謝罪する必要があります。
子ども同士のトラブルは保育園ではある程度仕方がないと理解してくれている保護者もたくさんいますが、自分の大切な子どもが叩かれたり噛まれたりと怪我をしているのに謝罪もなしに「子ども同士のトラブルで…」と話を始められると、「自分は悪くないってこと?」と不信感をもつ保護者もいます。
事実を伝えることは勿論大切ですが、大切な子どもを任されている立場なので、まずは謝罪をするようにしましょう。
2.命令口調で話をする
子どもの成長につながる事は家庭とも連携して行っていければいいですが、家庭の事情により難しい場合もあります。
例えば朝ごはんを食べてこない子の保護者に「朝ごはんを食べさせて来てください」と言うのは簡単ですが、ひとり親で夜遅くまで働いていて朝食べさせる余裕がない・自宅で介護をしていてどうしても朝バタバタしてしまう等、家庭の事情がある場合もあります。
そうすると、「命令された」「こっちの事情も知らないくせに」と不信感に繋がってしまいます。
そのため、「朝元気がないことが多くて、出来れば朝ごはんを食べてから登園出来ると○○ちゃんも元気に過ごせると思うのですが難しいですか?」というように、相談するように話しをするといいでしょう。
そのうえで難しいようであれば「パンを持参してもらえれば職員室で食べられるようにします」など、子どもが快適に過ごせるように保護者でも出来そうなことをお願いする等、妥協策を提示してお互いが納得できるように話し合いをする事で、保護者も「命令された」ではなく「子どものことを考えてくれている」とプラスに受け止めることが出来ます。
3.友達のように接する
保護者と信頼関係を築くことは大切ですが、友達のように敬語を使わずため口で話をしたり、くだけたような言い方で会話をしたりして距離を縮めようとすると「馴れ馴れしい」「言葉遣いがなっていない」と感じて保育士に不信感を持つ保護者も多いです。
言葉遣いは丁寧に、その中で笑顔を入れてやわらかい雰囲気の中で子どもの様子をしっかりと伝える事で、いい印象を持ってもらいながら信頼関係を築いていくことができます。
4.オブラートに包まずに話をする
中にははっきりと話をしないと伝わらない保護者もいますが、いきなり「発達の遅れが見られます」のように、子どもの成長に関するデリケートな部分をオブラートに包まず話をされると、保護者は受け入れられず「なぜそんな言い方をするの?」と不信感を感じます。
まずは「園では○○なのですが自宅ではどうしていますか?」など、園での様子を伝えながら自宅での様子も聞き取り、さりげなく気になっている事を伝え、そこから徐々に話を進めていきます。
保護者も既に同じ内容で悩んでいる可能性もあるので、まずはオブラートに包んで話をして保護者を気遣うことも大切です。
保育士の日々の言動は、関わりのある子どもや保護者は勿論のこと、来客や業者の方にも見られている可能性があります。
無意識で言ったこと・行動したことが、本人を傷つけたり不信感を与えたりする可能性があります。
保育に入ったら今回紹介した事を踏まえてしっかりと自分の言動に注意し、子どもを傷つけたり保護者に不信感を与えたりしないようにしましょう。