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CME保育士コラム

食欲の秋!!年齢に応じた食育指導のポイントをご紹介!

涼しくなってきて、戸外に出てたくさん身体を動かして遊ぶことができるようになり、子ども達の食欲も増す季節になりました。

そんな食欲の秋に食育を行うことで、子どもは食べ物についてより興味を持つことが出来ます。

しかし、保育園は0~5歳児まで幅広く、特に乳児の場合はどのように食育を行えばいいのか難しいと感じる保育士・栄養士も多いです。

今回は0~5歳児まで各年齢におすすめの食育について、詳しく紹介していきます。


 

食育とは

食育は知育・徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けられていて、様々な経験を通じて食に関する知識や、食を選択する力を習得して健全な食生活を実践できる力を育てることです。

食育によって身に付けるべき「食べる力」は、好き嫌いをせずに食事をするという事だけでなく、「食事の重要性や楽しさを理解する・食べ物を自分で選択して食事づくりをすることができる・食べ物の生産過程を知って感謝する気持ちを持つ」なども含まれています。

「食べる」という行為は生涯にわたって続く、生きるうえでの基本であり、子どもへの食育はその基礎を作るうえでとても重要なものです。

また、食育によって食べる力を育むことは、生きる力を育むことにも繋がります。

各年齢におすすめの食育方法

食育が生きていくためにとても大切な事だとわかっていても、保育園での食育は0~5歳と幅広く、食育の方法も難しいです。

そこで、各年齢におすすめの食育方法を紹介していきます。

0歳児向けの食育

0歳児で育みたいのは、食への興味と楽しさです。

離乳食が始まると、子ども達は初めての食事を経験します。

その中で、子ども達が食事の時間を「楽しい」と思えるような環境作りをすることがとても大切です。

「美味しいね」「上手だね」とたくさん声掛けをすることで、楽しい雰囲気の中、食べているものが美味しいということを感じることが出来ます。

また、離乳食後期頃から食材への興味が出てきて手を伸ばす姿が見られるようになってきます。

そこで手づかみ食べを経験させる事で、その後の食への興味へと繋がっていきます。

また、年度の後半になると理解力もあがり発語も少しずつ出てきます。

絵本や図鑑を通して、子どもに馴染みのある「トマト」「バナナ」など少しずつ食材への興味も育んでいけるようにすることもおすすめです。

1歳児向けの食育

1歳児で育みたいのは、更なる興味と楽しさです。

1歳児になると「自分で」の気持ちが強くなってきます。

スプーンやフォークなどの食具に興味をもって食事が出来るように声掛けをしたり、「キャベツはシャキシャキ音が鳴るね」「トマトは酸っぱいね」というように、美味しいだけでなく、その食材がどのような味や食感なのかを言葉にして伝えてあげることで、子ども達が食材に興味を持てるようになります。

また、お友達同士の関わりが出てくる時期でもあるため、お友達と一緒に食事をする楽しさを味わえるような声掛けや援助も行うことが大切です。

ままごと遊びなどを通して、料理を作ったりお皿に盛り付けたりする遊びも1歳児の食育としておすすめです。

2歳児向けの食育

2歳児で育みたいのは、食べ物を収穫する喜びや食事の大切さについてです。

自我が強くなったり好奇心が強くなるこの時期は、食べムラや遊び食べ、好き嫌いが増える時期でもあります。

そのため、ミニトマトやピーマンのような育てやすい植物を実際に育ててみて、自分たちが育てたものを食べる喜びを知ったり、簡単に栄養素について話をしたりすることで食事の大切さを知れるようにすることが大切です。

「ご飯やパンは元気に遊ぶため、野菜は風邪を引かないため、お肉は大きくなるために食べるんだよ」というように、ざっくりと栄養素について説明をすることで、食事の大切さを伝えていきます。

表を作ったり絵本を通して説明をすると、子ども達により伝わりやすくなるため、おすすめです。

3歳児向けの食育

3歳児で育みたいのは、食事のマナーについてです。

箸も含めた食具の持ち方・お皿は持ったり抑えたりして食べる・口の中にものが入っている時には話をしないといった、基本的なマナーを理解出来るようになってきます。

理解は出来ても実践することは難しい子どもも多いため、根気強く伝えていくことが大切です。

豆移しなどの遊びを取り入れたり、絵本を活用したり、クイズ形式にしたりと、給食中だけでなく、日々の保育の中でも食事のマナーについて触れられるようにすることで、自然と子ども達の身についていきます。

4歳児向けの食育

4歳児で育みたいのは、作ることの大変さや楽しさを知ることです。

保育士の話をしっかりと理解出来るようになってくるため、子ども用の包丁を使って食材を切ったり、茹でたりして料理を作ることが出来るようになってきます。

これまでは保護者や給食室の先生が作った給食を当たり前のように食べていたけど、ご飯を作るのは大変なんだ、という気持ちを持ったり、自分が作ったものを友達と食べる楽しさを知ったりするのに最適な時期です。

また、作ったものは自分たちで食べるだけでなく、乳児や保育士に食べてもらう事で、作ったものを「美味しい」と言って食べてもらえる嬉しさを学ぶことも出来ます。

5歳児向けの食育

5歳児で育みたいのは、食材についての理解と社会性についてです。

食材には「旬」があり、それぞれの野菜の旬について季節ごとに説明したり、その食材を食べられる状態まで育てるのにどれくらいの時間や手間がかかっているのか等、食材についての理解を深められるような声掛けや活動を積極的に行っていきたい時期です。

ただ説明するだけでなく、スーパーに行ってどのような食材が並んでいるのか見てみたり、育てるのが難しいものを育ててみたり、牧場などに見学に行ってみたりなど、実際に体験出来るようにすると、子ども達も理解がしやすいです。

中でもお米(稲)は植えてから収穫まで時間がかかり、収穫出来る量も少ないため、「普段お茶碗1杯食べているお米を作るのはとても大変」ということが理解しやすいのでおすすめです。

また、就学に向けて「決まった時間内で食べ終える」といった社会性も大切になってきます。

始めは少し時間に余裕をもった状態で時間設定をし、徐々に時間を短くしていき、20分程で食べ終えられるようにする事で、就学後もスムーズに生活を送ることが出来ます。

 

食育と言っても様々なねらいがあり、どのように援助や声掛けをすればいいのか悩む保育士も多いです。

声掛けや援助も勿論大切ですが、子どもは自分が体験したことの方が理解したり身に付いたりしやすいです。

乳児のうちは食事の楽しさを味わったり、食事への興味を持てるような声掛けを行って基礎をつくっていき、幼児では実際に作ったり育てたりして、食材への理解を深めていくことで、感謝の気持ちや食事の大切さについて学んでいくことができます。

子どもは食べムラがあったり、ダラダラ食事をしたりしてつい厳しく怒ってしまいたくなることもあるかと思いますが、子どもが食事を嫌にならないようにすることが大切です。

あらかじめ量を減らして食べきれるようにしたり、注意する回数を決めておいてそれ以上は見守ったりして、社会性も身に付けながら、楽しく食事が出来るようにすることで、無理なく食事のマナーを身に付けていくことが出来ます。