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CME保育士コラム

中卒・高卒でも保育士資格は取得可能?

保育士として働く人の多くは、専門学校や短大、保育士資格が取得できる4年生大学など、学校に在籍して資格を取得する人が多いですが、学校に通わなくても、通信講座や独学で資格を取得することも可能です。

しかし、学校に通う場合は卒業と同時に資格を取得出来ることが多いですが、独学で資格を取得するとなると「保育士試験」を受けなくてはなりません。

保育士試験は誰でも受けられるわけではなく、「受験資格」というものがあり、受験資格を満たした人だけが保育士試験を受験することができ、保育士試験を合格することで保育士資格を受けることが出来ます。

今回は中卒や高卒の人でも保育士資格を取得出来るのか、保育士資格を取得するためにはどのような条件を満たす必要があるのかについて説明していきます。


 

中卒の人の場合

最終学歴が「中学校卒業」である場合、「5年以上かつ7200時間以上児童などの保護・援護に従事した経験があるかどうか」が第一関門になります。

経験がある場合には、どのような施設で働いていたのかを確認します。

児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設となっている

  • 利用定員20名以上の保育所
  • 保育所型認定こども園(保育所型・幼保連携)
  • 児童館
  • 児童養護施設
  • 助産施設
  • 乳児院
  • 母子生活支援施設
  • 障害児入所施設
  • 児童発達支援センター
  • 児童心理治療施設
  • 児童自立支援施設
  • 児童家庭支援センター

上記施設での勤務経験がある場合には、受験資格が認められます。

上記以外の児童福祉施設である、

  • 認可外保育施設
  • 小規模保育事業
  • 幼稚園型・地域裁量型認定こども園
  • 幼稚園
  • 家庭的保育事業
  • 居宅訪問型保育事業
  • 事業所内保育事業や院内保育
  • 学童クラブ・放課後児童クラブ
  • 一時預かり事業
  • 小規模住居型児童養育事業
  • 障害児通所支援事業
  • 一時保護施設

などでの勤務経験がある場合には、受験資格認定(知事認定)を申請し、受理されることで受験資格が認められます。

受験資格認定とは

就業していた先が受験認定資格の基準を満たしているかを都道府県に確認し、就業先に書類を作成してもらい、その他必要書類と一緒に受験を希望する都道府県へ提出します。

審査の結果認定資格が認められる事で、都道府県から「受験資格認定証」が送付されます。

この認定証は、保育士試験を受験する時の申請時に必要になるもので、保育士試験事務センターに申請をすることで、保育士試験を受けることが出来ます。

就業先と受験を希望する都道府県が同じ場合は上記の通りに確認・申請を進めますが、異なる場合には、受験希望の都道府県に受験資格認定手続きの希望を申し出て申請手順や必要様式等を確認する必要があるので注意が必要です。

高卒の人の場合

最終学歴が「高等学校卒業」である場合、卒業した生年月日が「平成3年3月31日」以前であれば受験資格があります。

平成3年4月1日以降に卒業した人の場合、保育科を「平成8年3月31日」以前に卒業していれば受験資格があります。

保育科以外の科を卒業している・保育科でも平成8年4月1日以降に卒業している場合には、「2年以上かつ2880時間以上児童などの保護・援護に従事した経験があるかどうか」で受験資格が決まります。

就業先によって受験資格・受験資格認定の違いがありますが、就業先については上記の「中卒の人の場合」と同じです。

受験資格を満たしていない場合

受験資格に当てはまらなかった場合には、保育士試験を受験することが出来ません。

そのため、中卒の人の場合は「5年以上かつ7200時間以上」高卒の人の場合は「2年以上かつ2880時間以上」の保育経験が必要になります。

おすすめなのは、そのまま受験資格を得ることができる保育園や、保育園型・幼保連携型の認定こども園で働くことです。

無資格でも働くことが出来る「保育補助」という立場を募集していることも多く、園によっては資格取得支援のために保育士試験の費用を一部負担してくれたり、研修を行ってくれたりする園もあります。

また、働くと言っても2~5年かかる事なので、すぐにでも確実に保育士資格を取得したいと考えているのであれば専門学校への入学も検討することがおすすめです。

専門学校の場合は2~3年で卒業出来る学校が多く、日々の授業や実習によって試験を受けずに卒業と同時に保育士資格を取得することが可能です。

保育士試験の内容

受験資格を満たしていた場合には保育士試験を受験します。

保育士試験は年に2回実施されおり試験は筆記と実技の2種類があります。

筆記試験

筆記試験の受験科目には

  • 保育原理
  • 教育原理及び社会的養護
  • 社会福祉
  • 子ども家庭福祉
  • 保育の心理学
  • 子どもの食と栄養
  • 子どもの保健
  • 保育実習理論

があります。

筆記試験は2日間にわけて行われ、全科目合格した人のみが実技試験を受けることが可能です。

合格基準は各科目6割以上で、合格した科目は合格した年を含めて3年間は免除することが出来ます。

例えば、令和元年に保育原理と子どもの保健に合格した場合、令和3年までは2科目を受験する必要はありません。

前期・後期の年2回の試験なので、令和元年前期で2科目、後期で3科目、令和2年前期で1科目、後期で2科目というような合格方法でも、その後の実技試験を受験することができます。

実技試験

筆記試験を合格すると、約2か月後に実技試験が実施されます。

実技試験では

  • 音楽に関する技術
  • 造形に関する技術
  • 言語に関する技術

の中から2つを選択して合格する事で保育士資格を取得することが出来ます。

音楽では、子ども達に弾き歌いすることを想定して、指定の課題曲の弾き歌いを行います。

造形では、保育の一場面を絵画で表現するために、当日提示された問題文を元に条件を満たす絵画を作成します。

言語では、子ども達への絵本の読み聞かせを想定して、指定された絵本のうち1つを選択し、子どもが集中して聞けるように話をします。

 

保育士試験の合格率は約20%前後と、決して簡単なものではありません。

受験科目も多く、1度で筆記・実技共に合格して資格取得することはとても難しいです。

筆記試験は3年間の免除期間があるため、不合格だったからと諦めるのではなく、3年の間に全て合格出来るように計画を立てて対策することが大切です。

中卒・高卒だからと言って保育士になれないというわけではなく、それぞれ受験資格を満たしていれば保育士試験を受験して保育士になることが可能です。

2~5年以上の保育経験というのは大変だと思うかもしれませんが、専門学校や短大で保育士資格を取得した人の中には、実際に働いてみたら責任感や大変さにすぐに辞めてしまう人もいます。

実際に現場で働いて保育の楽しさや責任感、大変さややりがい等を体験してから保育士資格を目指すことができるというのは大きなメリットでもあります。

今回紹介した内容を参考に、中卒・高卒だからと諦めず、保育士資格の取得を目指してみて下さい。