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CME保育士コラム

転職決定後にすべき現職の引継ぎ方法などをご紹介

「保育園」で働くといっても、園によって環境が大きく異なります。

就職前に園見学をしたり、説明会に参加するだけでは園の雰囲気を把握することは難しく、実際に働いてみると自分の行いたい保育と違ったり、人間関係が上手く築けないこともあります。

そんな時は無理せず転職を行うことがおすすめです。

転職が決まると次の就職先への準備に気を取られがちですが、現職での引継ぎがとても大切になります。

引継ぎをしっかりと行うことで、現職の保育士の負担は勿論のこと、子ども達の負担を減らすことにも繋がります。

今回は一般的な退職時の流れと、転職時期を年度途中と年度切り替えの2つに分けて、引継ぎ内容や時期についてを紹介していきます。

 

 

退職時の流れ

一般的な退職の流れについて紹介していきます。

1.退職は3か月前までに伝える

「転職を考える=現在の保育園を退職する」という事です。

退職したい旨は3ヶ月前までには職場に伝えておくと、現在の保育園でも新たな求人を募集したりすることができ、保育園としても余裕を持って引継ぎを行うことが出来ます。

2.退職1ヶ月前に退職願を出す

退職日が決まったら、退職日の1ヶ月前を目安に退職願を提出します。

「退職願」は保育士(自分)都合で退職する際に提出するもの、「退職届」は会社都合で退職する際に提出するものという違いがあります。

3.引継ぎを行う

退職することが決まってから実際の退職日までの間に引継ぎを行います。

引継ぎ方法についてはこの後詳しく紹介していきます。

4.その他必要な書類の提出や交付

転職後の職場で、現職の保育園からの必要な書類がないかを確認して交付してもらったり、保育園で提出が必要な書類があれば、記載して提出します。

 

 

年度切り替えでの転職

4月1日から新年度となり、担任が変わったり新任保育士が入ったりと区切りの良い時期です。

そのため、年度切り替えでの転職の方が比較的スムーズに引継ぎを行うことが可能です。

年度切り替えでの転職の場合は、来年度の職員のクラス配置が決まってから引継ぎを行います。

引継ぎの内容としては、

  • 子ども1人1人の性格
  • 持病やアレルギーについて
  • 子ども同士の相性
  • クラス全体の雰囲気
  • 保護者についての情報や家庭環境

などを新年度の担任に伝えます。

また、現在どのように保育を行っていて、1年間どのような活動を行ってきたのかについても引継ぎを行うと次年度の保育方針を決める上で参考になります。

例えば「4月当初は集中力がなかったが、月に1回塗り絵を行う日を取り入れてから、集中力が続くようになっている」「席を自由にすると子ども同士のトラブルが多いので、席決めをして月に1度席替えを行っている」というように、現在のクラスでの保育を知ることで「4月はとりあえず同じように保育を進めてみよう」「これはイマイチだからこう変えてみよう」というように、保育のベースが作りやすくなります。

また、引継ぎの中でも丁寧に行いたいのが「持病やアレルギーについて」と「保護者や家庭環境について」です。

子どもの性格や相性などは、実際に過ごしていく上で把握していくことが出来ますが、上記の2つは子どもの命や健康に関わる大切な内容です。

持病については、例えば喘息と診断されている子どもの場合、どの程度の咳が出たら保護者に連絡を入れるのか、発作が出たときにはどのように対応するのかなどについて、しっかりと引き継ぐことが大切です。

また、アレルギーの場合にも何のアレルギーなのか、食物アレルギーの場合どの程度配慮が必要なのか(例えば乳アレルギーの場合、牛乳パックを使っての製作等は可能かどうかなど)、アレルギー反応が見られた時の対応方法などについてしっかりと引継ぎを行います。

これらは正しく対処しないと子どもの命に関わる可能性のあるものです。

保護者や家庭環境についても、大切な情報です。

保護者も1人1人考え方や育児感が異なります。

子どもを叩くことはしつけの一貫だと思っていたり、保護者自身に余裕がなくなると子どもに手が出てしまったりする保護者も少なくありません。

そういった保護者の情報や家庭環境を把握して保育を行うことは、子どもの健康に繋がります。

注意が必要な保護者についてもしっかりと引継ぎを行うことが大切です。

 

 

年度途中での転職

年度途中での引継ぎの場合、運動会や生活発表会といった大きな行事をなるべく避けて転職することで、比較的余裕をもって引継ぎを行うことが可能です。

別のクラスで担任をしていた保育士が引き継ぐ場合、現在のクラスの保育と新たなクラスの引継ぎを同時に進行しなければならず、とても忙しくなります。

そのため、転職が決まったらすぐに引継ぎを開始します。

引継ぎの内容は年度切り替えでの転職の時と同じですが、時間をとって丁寧に引継ぎをすることが難しいため、ノートなどに引継ぎ内容を丁寧にまとめて、口頭で大切な部分を伝えながらノートを見れば引継ぎ内容がわかるようにしておくことで、忙しい保育の中での聞き洩らしや伝え忘れを防ぐことが出来ます。

また、担任を交換するなど、実際にクラスの保育を何度か経験してもらい、日々の保育の中での子どもの様子を見てもらうのも引継ぎとしては効果的です。

朝・夕などに合同遊びで関わっていても、日中の保育中の子どもの様子は把握出来ていない場合も多いため、月に何度か実際に担任として保育を進めてもらい、その際に感じた疑問点や困った点について話をしておくことで、スムーズに引継ぐことが出来ます。

また、子ども達にとって担任の先生が変わるというのは大きな環境の変化で、精神的に負担に感じる子どももいます。

そういった子どもの負担を少なくするという意味でも、何度か担任としてクラスに入っておくことは効果的です。

年度途中での転職の場合、どのような目標に向かってどのように保育を進めていたのかを明確に伝えることも大切です。

例えば「今年度中に身の回りのことを自分でできるようにする」という目標のもと、できるだけ援助をせずに見守る保育を行っていたのに、新たな担任がそれを知らずに保育を進めてしまうと、それまでやってきたことが無駄になってしまう可能性があります。

年度切り替えでの転職の場合は、新たな学年でこれまで行ってきた保育をベースとしてステップアップできるように新たな担任が目標設定を行うことが出来ますが、年度途中の場合はそれら全ても引き継がなければいけないので、しっかりと伝えておくことが大切です。

 

転職が決まると必要書類の請求や作成など、やらなければいけないことがたくさんあり大変ですが、引継ぎは洩れのないよう丁寧にしっかりと行うことが大切です。

職場の人間関係など、転職の理由によっては引継ぎをするのも嫌だと感じるかもしれませんが、子どもに罪はありません。

引継ぎをしっかりと行う事が、子ども達が楽しく健康に日々生活することに繋がるため、今回紹介した内容を参考に、時間のない中でも丁寧に引継ぎを行ってから転職をしてくださいね。