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CME保育士コラム

妊娠を素直に喜べない保育園の事情とは

妊娠は、妊娠した本人も、周りの人も祝福する大変喜ばしいことです。

しかし、保育士は職員の人数に余裕があるわけではなく、またクラスリーダーや1人担任などの場合には産休に入った際に誰が引き継ぐのかといった問題があり、素直に喜んでもらえないという園もあります。

今回は、どうして周りに素直に妊娠を喜んでもらえないのか、また、理想の妊娠についてご紹介していきます。

 


 

素直に喜べない理由

保育園側が素直に妊娠を喜べない大きな理由を2つ紹介します。

配置基準

保育園を運営するうえで大切なのは、保育士の配置基準です。

0歳児の場合は子ども3人に対して保育士1名のため、9名クラスの場合は保育士3名、12名クラスの場合は保育士4名が必要になります。

産休で1人抜けるとなると、抜けたクラスに新たに1人配置する必要があります。

年度途中で産休に入る場合、保育士に余裕がない保育園の場合は、新たに保育士を採用しなければいけません。

年度が変わる前から妊娠がわかっている場合、新年度職員募集として保育士も比較的募集が多いですが、年度が変わってからの中途採用となると応募人数も少なく、採用が難しい場合があります。

国や自治体の配置基準に応じた保育士を確保して、各年齢に配置しなければ保育を行うことが出来ません。

そのため、特に年度途中での妊娠発覚・産休予定となると、運営側から素直に祝福してもらえないというケースが多い傾向にあります。

同僚保育士への負担

妊娠したのが1人担任やクラスリーダーである場合、産休代替えで採用した保育士にいきなり任せるわけにはいかないと考える園も多く、経験のある保育士を他クラスから移動させる場合があります。

そうなると、年度途中でいきなり担任が変わったり、そのための引継ぎを行わなければならなかったりして、同僚保育士の負担になる可能性があります。

また、人によってはつわりが酷く休みがちになる人もいます。

休んだ分周りの人がフォローをするので、保育士に余裕のない園では1人1人の負担が大きくなってしまいます。

フォローしあって妊娠を支えていくのが1番ですが、配置人数に余裕がない園では妊娠を迷惑だと捉えてしまう人がいるというのも事実です。

 

 

保育士における理想の妊娠とは

まずは次年度のクラス編成を考える時期に、妊娠を望んでいることを園長に報告することです。

フリー保育士や複数担任のクラスに配置してもらえれば、産休に入ってからの同僚保育士の負担が少なくなります。

また、妊娠は望んだ月に必ず妊娠できるわけではなく、あくまでタイミングなので気にしすぎることはありませんが、産休に入るのが次年度になると新たな保育士の確保がしやすく、祝福されやすい傾向にあります。

筆者の場合、第一子は2月末に妊娠発覚して9月に産休、第二子は11月に妊娠発覚して6月に産休をとっています。

2人とも年度をまたいだため、受け持っていたクラスの保育には影響がなく、次年度は産休まで一時保育やフリーとして働かせてもらうことが出来ました。

産休や育休から戻る際の配慮

産休や育休から職場復帰するということは、子どもを保育園に預けているという方が多いと思います。

保育士だからこそ、乳児は体調を崩しやすく、体調不良により仕事を休む機会も多くなります。

産休や育休から復帰した際には、まずは産休や育休をとらせてもらったことに対してのお礼を伝えるとともに、これからも子どもの体調不良などによりお休みをいただく可能性があることを伝えておきましょう。

同じ保育士なので理解はしていますが、声をかけられるとかけられないでは大きく印象が異なります。

また、可能であれば欠勤しても困らないような配置(フリーなど)にしてもらうことも大切です。

担任を変わってくれた方や代替採用で入ってくれた方には、丁寧にお礼を伝えるようにしましょう。

マタニティ・ハラスメントにあったら

保育業界は女性が多く、妊娠に対する理解がある方も多いですが、園によっては年功序列を強要したり、妊娠したことに対して嫌な事を言ったり嫌がらせをしたりする人がいるのも事実です。

実際筆者が体験したマタニティハラスメントについて紹介します。

筆者が第二子を妊娠し、フリー保育士として働いていた4月中旬、0歳児クラスでクラスリーダーとして配置されていた保育士(Aさん)の妊娠が発覚しました。

筆者の職場は人に恵まれており、同僚でAさんの妊娠を祝福しない人はいませんでした。

しかし園長から、職場の保育士を全員集めて筆者を引き合いに「筆者のように年度が変わって育休に入ることがわかっていれば、フリーにしたり、新たな保育士を募集したりすることが出来る。しかし、年度の途中で産休に入られると他の保育士に迷惑がかかるし、責任感がない。今回はしょうがないが、今年同じことがないように」と、Aさんもいる場で咎めるような発言をしました。

確かにその年は既に2名育児休暇をとっており、筆者も産休・育休に入ることが決定していたため人が足りなかったことも事実ではありましたが、他者と比較して他の人の前で言うことではなかったと感じています。

筆者を含めて何名かの同僚が、園長にマタニティハラスメントになりかねないことを伝えると、園長からAさんに謝罪があったようです。

実際に自分がマタニティハラスメントにあったら、証拠を残しておき、同僚や主任に言われた場合は園長相談したり、園長に言われた場合や、相談しても改善が見られない場合には専門機関(労働局など)に相談したりすることも視野に入れることをおすすめします。

 

 

妊娠はおめでたいことであり、祝福されることが普通ですが、保育士不足が深刻化している「保育園」という職種上、素直に喜んでもらえないというところも多いです。

ほしいとおもってすぐに授かれるものではないので、年度の途中で産休にはいることもあるかと思いますが、その際には「年度の途中になり申し訳ありません」とこちらから一言添えたり、日々の保育でフォローしてもらったりした時にはその都度お礼を伝えることが大切です。

もしも、妊娠をきっかけに嫌がらせをされたり、嫌味を言われるたりするようであればマタニティハラスメントの可能性もあるので、その際には解決できるように相談をすることが大切です。