初めての一人担任!うまく乗り切るためにやるべきことは
乳児クラスの場合、保育士一人が見られる子どもの人数が少ない事から複数担任の場合が多いですが、幼児クラスになると一人で見られる人数が増えるため、一人担任となる園も多いです。
一人担任といわれると、「全てを一人でやらなければいけない」と感じて、クラス運営がしっかりとできるか不安になってしまいます。
今回は一人担任のメリットや不安の解消方法、気を付けたいことなどについて紹介していきます。

一人担任のメリット
不安を感じる一人担任にも、メリットがたくさんあります。
保育の自由度が比較的高い
複数担任の場合、日々の保育や活動内容について担任間で話し合いが必要なため、自分が行いたいと思っている保育が出来ないこともあります。
しかし、一人担任の場合は自分で活動を設定することができ、自分が行いたい保育をしやすいです。
自分が創意工夫して行った活動で子どもの成長が見られると、やりがいを感じることができるため、保育の自由度が高いというのは大きなメリットになります。
子ども達と深く関わることが出来る
複数担任の場合、子どもによって頼る先生が違ったり、担当制の保育園の場合はクラス内の数名を担当することが多く、クラス全員と深く関わるということが難しい場合があります。
一人担任の場合には、子どもと過ごす時間も長く、一対一の関わりで見た時に深く関わることが出来ます。
子ども達と深く関われることで信頼関係が築きやすく、日々の保育を楽しいと感じられることも多くなります。
人間関係の悩みが少なくなる
職場に少し苦手な保育士がいたとしても、一人担任であれば関わる機会はそう多くありません。
しかし、複数担任で同じクラスになった場合、一日苦手な保育士と関わり連携をとりながら保育を進める必要があります。
人間関係が上手くいかないと保育を楽しいと思えなかったり、ストレスで仕事に行くこと自体がつらいこととなってしまう可能性もあります。
一人担任になることで人間関係の悩みが少なくなったと感じる人が多いというのは、大きな利点の一つです。
一人担任の不安要素と解消方法
一人担任になると決まったときに、どのようなことを不安に感じるのか、またその解消方法についても紹介していきます。
責任感
「自分一人でクラスをまとめなければいけない」という責任感から、「自分が一人で子ども達を見られるのか」「どのように保育を進めていけばいいのか」など、プレッシャーを感じてしまうことで、不安が募ってしまうという人が多いです。
解消方法
一人担任だからといって、全てを一人で行わなければいけないわけではありません。
保育士配置が決まったら、幼児の場合は幼児クラスの担任間で1日の流れや保育方針について話し合いをしておくことが大切です。
4月は他クラスと合同遊びをする日を多めに設けたりして、他の保育士と一緒に保育を行いながら一人担任に慣れていくというのも不安解消の一つの手です。
仕事量
一人担任と言われると、日中の保育は勿論のこと、月案や児童票といった書類、製作準備などを全て一人で行わなければいけないため、どのように仕事をすればいいのだろうと不安を感じてしまうことも多いです。
解消方法
新年度になる前に幼児クラスに一度入ってみて、実際どのように保育や仕事をしているのか見て学ぶことがおすすめです。
実際に見てみて、わからないことは相談をして保育内容や効率の良い仕事方法などを知っておくことで、自分の中での優先順位が立てやすくなります。
また、実際に仕事が溜まってきて大変になってきた・保育がうまくまわらないなどの悩みは、初めての一人担任にはつきものです。
困ったことがあれば先輩保育士や園長、主任などにどんどん相談をすることが大切です。
クラスが違うと、他の保育士が悩んでいるということに気が付けないことが多いため、自分から困りごとを発信することで、アドバイスをもらえたり、保育士の余剰がある時にはフォローに入ってもらえたりします。
保護者との関わり方
複数担任の場合、少し苦手な保護者がいても他の先生に対応をお願いすることも出来ますが、一人担任の場合は自分が対応しなければならない場面も多いです。
一人でクラス全員の保護者とうまく関われるのかという不安を感じた場合の解消方法を紹介します。
解消方法
第一に保護者と関わる上で大切なのは、表情や言葉遣い、声のトーン等です。
例えば子どもが怪我をしてしまった時には丁寧な言葉遣いでトーンも落として話しますが、何かが出来た時には「こんなことが出来たんですよ!」と少しフランクに声のトーンをあげて話すと、一緒に出来たことを喜んでいることが伝わり、保護者も嬉しく思う場合が多いです。
このように、保護者に話をする際にはどのように話をすれば良いかをシュミレーションすることで失敗は少なくなります。
また、持ち物や日時など、言っても要求が通らない保護者には連絡帳に記載したり電話をしたりと、保護者に合った対応方法を考えるのも大切です。
怪我などに対して気難しい保護者も中にはいますが、その場合には主任や園長など、立場が上の人にお願いをして対応してもらうというのも一つの手です。

一人担任で気を付けるべきこと
一人担任になった際に気を付けてほしいことを2つ紹介します。
1.周りの保育士と連携をとる
一人担任=自分で全て行わなければいけないと思いがちですが、しっかりと周りに今のクラスの状況などを伝えたり、時には他のクラスと合同保育を行ったりと、連携をとりながら保育を進めることが大切です。
自分一人で全てを行おうとすると自分が大変な思いをするというのもありますが、子どもも苦しい思いをしている可能性があります。
保育がうまく進まなくなると、つい些細なことで怒ってしまったり、子ども達と一緒に遊ぶ余裕がなくなってしまうことがあります。
そうすると子ども達は、担任と過ごすことに息苦しさを感じてしまう可能性があります。
他の保育士と連携をとって助け合いながら仕事を進めることで、自分に余裕が生まれたり、時には他の保育士にクラスに入ってもらうことで子ども達の気分転換をしたりすることは、とても大切です。
一人担任だから全て一人で行うのではなく、周りの保育士ともしっかり連携をとることが大切です。
2.自ら発信していく
「こういう姿があって保育がうまくいかない」「これが終わらなくて困ってる」など、自分の不安感や困り感は、自ら発信していくことが大切です。
その際には、ただ困っていることを伝えるのではなく「こうしてみたけどダメだった」「こういう風に進めているけどうまくいかない」など、どのような工夫をしているのかを伝えることが大切です。
例えば日々の仕事に追われて児童票が溜まってしまう時には「スケジュール表に書いて計画しているけど、製作準備などが入ると予定通りに出来なくて…どのように児童票を進めていましたか?」というように、自分なりに工夫はしているけどうまくいかないことを伝えることで、周りの人からも快くアドバイスをもらえます。
反対に「どうしたらいいですか?」だけでは、「自分で考えてよ…」と思われてしまうこともあるため、注意が必要です。
一人担任と言われると、何度経験していても緊張するものです。
実際に保育を進めていくと、責任感や仕事量は大変な部分がありますが、保育の自由度も高く、楽しさややりがいを感じられることが多いです。
責任感や覚悟を持って保育を行う事は大切ですが、そればかりに囚われず、楽しいことや充実感にも目を向けて、子ども達と楽しい一年を過ごせるような活動を取り入れてみてくださいね。

