オムツは保護者持ち帰り?園で破棄?使用済みおむつ事情について
乳児から保育園に入園した場合、保育園生活の中で、何度かおむつ替えをする時間があります。
その際に出る使用済みオムツですが、保育園によって対応方法が異なります。
今回は、使用済みオムツ事情について紹介していきます。
オムツ持ち帰りとは
使用済みのおむつを保護者に持って帰ってもらう制度です。
自治体ごとに対応が決まっている場合もあれば、園の判断で持ち帰りをしているところもあります。
持ち帰り制度には、「園で処分するので持ち帰る必要がない」場合と、「月額決まった金額を支払うことで園が処分する」場合、「保護者が持ち帰る」場合の3通りがあります。
月額決まった金額を支払うという園では、約500円前後が相場の場合が多いです。
オムツ持ち帰りのメリットやデメリット
オムツを持ち帰ることに対する、保育士と保護者のメリットやデメリットを紹介します。
保育士のメリット
保育士のメリットとしては、「重たいゴミをまとめる必要がない」ということです。
例えば1歳児クラスで子どもが12名いた場合、1人1日5回オムツを替えた場合12×5=60個のおむつを捨てることになります。
使用済みオムツは重いため、そのゴミを指定の場所まで運ぶことは大変ですが、持ち帰ってもらえる場合にはその作業が必要なくなります。
保護者のメリット
保護者のメリットとしては、「何回オムツを替えたのか目で見てわかる」ということです。
時々保育園で問題にあがるのがおむつ替えの回数です。
実は日中全然オムツを替えてもらえず、登園時から降園時までの間に1・2回しか替えてもらっていなかったということから保護者が園にクレームを入れるということがあります。
園でオムツを処分していると、実際オムツをどれくらい使用したのかわからない部分がありますが、オムツを持ち帰ることで「今日は5回替えている」など、目で見て回数を把握することが可能です。
保育士のデメリット
保育士のデメリットとしては、「管理が大変」ということが挙げられます。
1人1人のオムツの記名を確認して、それぞれのゴミ箱に入れていく作業は、ただオムツをゴミ箱に入れるよりも時間がかかります。
また、月額決まった金額を払うことでオムツを処分することができる園の場合、保護者が持ち帰るゴミと園で処分するゴミが混同します。
そのゴミを把握して仕分けしなければいけないので、間違えがないように注意が必要です。
保護者のデメリット
保護者のデメリットとしては「荷物が増える」「臭いが気になる」という点が挙げられます。
使用済みのオムツは意外と重たく、保育時間が長い家庭であれば1日6~7個のオムツを持ち帰ることになるため、ゴミがかさばります。
また、保護者が問題視しているのが、臭いについてです。
中には保育園にお迎え後買い物に行く家庭もあります。
その間、特に夏場などは車中が使用済オムツで臭くなってしまう・持って帰る時点で既に臭いがあり、持ったまま買い物に行けないといった不満を抱える保護者も多くいます。
オムツ持ち帰りの実状
オムツを持ち帰りにしている理由としては、保護者に持ち帰ったオムツを確認してもらい体調管理をしてもらう・保育園でオムツを処分するとなると処分費用が増えることから持ち帰りにしている、という園がほとんどです。
ただ、保護者の多くは持ち帰ったオムツの袋をあけて確認せずにそのまま捨ててしまっている家庭が多いのが実状で、ほとんど意味をなしていないのが現状です。
オムツの処分費用を自治体で補助している地域や、保護者が費用を払うことで処分してくれる地域もあり、東京23区では持ち帰りの園は0、関東では約半数の園が持ち帰りを行っていないという結果があります。
一方で関西では持ち帰りを行っている園が多く、京都では88%、大阪で65%と、半数以上の園が保護者にオムツを持ち帰ってもらっています。
保育士歴9年目の筆者の職場では、5年目まではオムツ持ち帰り、6年目からは園処分と両方を経験しています。
また、自身の子どもの保育園も園でオムツを処分してくれるため、オムツの持ち帰りはありませんが、保育士としても保護者としても、園でオムツを処分する方が楽だと感じています。
保護者目線としては、単純にゴミを持って帰ってこられるよりも園で処分してくれた方が助かります。
保育士目線としては、使用済みオムツの記名を確認して1つ1つ個人のゴミ箱に振り分け、それを帰りに渡し間違いのないように返すという手間がなくなり、仕事の負担が軽くなりました。
オムツを持ち帰る園での仕事内容
保護者にオムツを持ち帰ってもらう場合の仕事内容としては、
- おむつ替えの際に記名を確認して1人1人のゴミ箱に振り分ける
- 降園する際にオムツの袋を保護者に渡す
- 1人1人のゴミ箱を消毒する
などが挙げられます。
また、胃腸炎やロタウイルス、溶連菌感染症などが流行している場合には便のオムツを二重や三重にして袋に入れて感染が広がることを防ぐことも必要になります。
このように、オムツの持ち帰りを行う園では仕事も多くなるので、就職する前にオムツの処理方法についても確認しておくことをおすすめします。
オムツの持ち帰りは不衛生だと感じる部分もあり、園で処分できることが1番だと思いますが、費用の問題などから難しいというのが現状です。
オムツを持ち帰るという行為は当初は驚いたが働き続けると当たり前のように感じて作業自体は大きな負担に感じていないという意見もあるため、オムツの持ち帰りの有無のみで園を選ぶ必要はありませんが、事前に確認しておけるとスムーズです。
また、中には「オムツのサブスクリプション」を取り入れている園もあります。
園にオムツが届き、保護者に月額使用料を払ってもらう仕組みです。
保護者は記名をして園にオムツをもってくる必要がない、園では記名を確認して個別にオムツを保管する必要がなくなるということから、オムツのサブスクリプションを取り入れている保育園の9割の保護者が満足と答えている人気のサービスです。
筆者としては、こういった保護者や保育士、お互いの手間が減りその分子どもとの時間が少しでも増えるような仕組みを取り入れる園がどんどん増えていくといいなと感じています。