海外で保育士として働くためには?
海外が好き・子どもが好きという方は、海外で保育士として働くという選択肢があります。
今回は海外で保育士として働く際に必要な資格や注意点、海外の保育園事情や勤務先などについて紹介していきます。
海外で保育士として働くために必要な資格
1.現地の保育資格
日本人が経営している保育園などでは、日本でとった保育士資格や幼稚園教諭免許でも働けることがありますが、基本的には現地で必要とされている資格をとり直す必要があります。
現地の大学や専門学校に通うことで保育資格を取得することができますが、国によっては日本で取得している資格を一部活かしたり、現地での資格取得に足りない単位のみ履修して書き換えられる国もあるため、事前に調べておくことが大切です。
2.就労ビザ
海外で就労しながら長期滞在する際には、就労ビザを取得する必要があります。
保育士は専門職ということもあり、比較的就労ビザを取得しやすい状況ですが、国によって取得方法や種類が異なることがあるため、事前に日本国内にある各国の大使館などに確認をすることがおすすめです。
また、就労ビザの発行には数ヶ月かかることもあるため、申請は早めに行っておくと安心です。
3.実務経験
日本国内で求人を探している際に、必要経歴に「実務3年以上」と記載している企業もあれば、「未経験者歓迎」という企業もあるのを目にしたことのある方は多いと思います。
海外でも同じで、中には実務経験がないと応募資格を満たすことが出来ず面接すらしてもらえない場合があります。
また、海外という慣れない環境の中初めて保育を行うよりも、日本で保育現場を経験してから働く方が、心身的に楽という可能性があります。
まずは国内で3年程度保育士として働いて、子どもとの関わり方や援助方法など、保育を経験してから海外で働くことがおすすめです。
4.語学力
海外で働く場合でも、日本人向けの保育園の場合は日本語で大丈夫という園もありますが、働く上では日本語で問題がなくても、生活をしていくうえでは日常会話程度の語学力がないと不便に感じることが多いでしょう。
また、自分が働きたい国に日本語のみで大丈夫という園の募集があり、更にはそこに就職できるかどうかはわかりません。
そのため、働き先の国で使われる言語の日常会話程度の語学力は身に付けておいた方がいいと言えます。
海外で保育士として働く際の注意点
1.各国についてよく調べておく
その国特有の保育に興味がある・この国で生活がしたいなど、国選びの動機は人それぞれ違います。
しかし、例えばドイツで働きたいと考えている場合、必要言語はもちろんのこと、保育士募集をしている園がどの程度あるのか・給与や物価・医療制度や法律など、生活するために必要なことまで詳しく調べておく必要があります。
保育士募集が極端に少ない場合や倍率が高い場合には違う国も視野に入れる必要が出てきます。
いざ行ってみて就職先が見つからなかった・生活スタイルが自分にあっていなかったなどがあると大変なので、しっかりと下調べをしておくことが大切です。
2.余裕のある費用準備
渡航に必要な交通費・家賃や水道光熱費・食費などの他に、家賃や病院にかかった時の医療費・学費や通学費など、膨大な費用がかかります。
事前にどれくらいの金額が必要かを調べておき、すぐにアルバイトすることを考えていても何があるかわからないので、半年程度はアルバイトせずに生活が出来る程度の費用を用意しておくと安心です。
海外の保育園事情
保育園と言っても、各国によって保育園事情は様々です。
例えばドイツの場合は「キンダーガーデン」「キンダークリッペ」の2種類に分けられ、キンダーガーデンは日本の幼稚園に近く、キンダークリッペは保育園に近いという特徴がありますが、オーストラリアの場合は「チャイルドケアセンター」というのが主な保育施設になります。
海外で働く際には、勤務している日本人が多い国の方が日本人保育士を必要としている確率が高いです。
特にアジアでは、中国・フィリピン・台湾・香港・ベトナム・インド・タイなど、欧米ではアメリカ・ドイツ・イギリス・オーストラリアなどでニーズが高い傾向にあります。
海外の保育園の勤務先
海外で日本人が必要とされる勤務先としては、
- 企業内保育
- 日本人向け保育施設
- リゾート地
- インターナショナルスクール
などがあります。
企業内保育
日本の企業内保育と仕組みは同じで、それぞれの企業内の保育園です。
海外進出している企業などの中に 保育園がはいっているため、日本人を募集する場合も多いです。
ただし、企業内の従業員であれば保育園を利用できるため、現地で働く外国人の子どもも利用する可能性が高く、日常会話程度の語学力が必要とされる場合が多いです。
日本人向け保育施設
海外進出していて日本人人口が多い国では、日本人向けの保育施設があるところが多いです。
預ける側も日本語が通じる場所での保育は安心感があり需要があるので、比較的働きやすい職場と言えるでしょう。
リゾート地
リゾート地や観光地のホテルや施設では託児所を設けている場合もあり、そういった託児所で、一時預かりのような保育を行う施設です。
日本人観光客の多い場所では重宝されますが、託児所なので様々な子どもを預かることになります。
大変ではありますが、様々な国の人と触れ合うことができる場所でもあります。
インターナショナルスクール
インターナショナルスクールでは、子ども達に様々な言語を教えることがあり、日本人保育士を必要としている場所も多いです。
やりがいのある仕事ですが、高い語学力が求められる仕事でもあるので、現地での生活に慣れてきてからインターナショナルスクールへ転職するというのもひとつの手です。
海外でもニーズの高い保育士の仕事ですが、日本人保育士を必要としている国にはばらつきがあります。
まずは働きたいと考えている国の保育事情について調べることが大切です。
また、実際に渡航したあとも慣れない地での生活は心身共に大変です。
少しでも不安感を減らせるように、今回の記事を参考に、必要費用や現地の食事や医療制度、治安や言語などについて調べておき、余裕をもって生活できるようにしっかりと下準備をしておくことが大切です。