こどもにマスクは必要?
新型コロナウイルスが蔓延し、マスクを着用して過ごすことが日常的なものとなりました。
大人は勿論のこと、テーマパークや水族館などでも、「3歳以上はマスク着用をお願いします」といったアナウンスを目にすることが増えました。
実際に、幼稚園や保育園などでもマスク着用をお願いしている園は多いです。
今回は、マスク着用は子どもに必要なのか、着用するときにはどのようなことに気を付けるべきなのかなどについて、詳しく紹介していきます。
子どものマスク着用について
子どもは様々なものに興味を持って、触ったりすることから、マスクをしていた方が感染症対策としては比較的安心と言えるでしょう。
テーマパークなどの施設では3歳以上からマスク着用をお願いすることが多く、小学校ではマスク着用が基本のため、3歳児以上の幼児クラスではマスク着用を行う園も多いです。
一方で2歳以下の乳児では、苦しく感じた時に自分でマスクをずらす・取るということが難しく、息苦しさなどを言葉で伝えることも困難なため、マスクの着用は推奨されていません。
日本小児科学会では、2歳以下の子どものマスク着用について、
・呼吸が苦しくなり、窒息の危険がある。
・嘔吐した場合にも、窒息する可能性がある。
・熱がこもり、熱中症のリスクが高まる。
・顔色、呼吸の状態など体調異変の発見が遅れる。
引用 :公益社団法人 日本小児科学会
という危険性を挙げています。
そのため、マスク着用をする場合には3歳児以上が望ましいと言えます。
子どもがマスクをする時の注意点
保育園で子どもがマスクを着用するときの注意点について、筆者の実体験も踏まえながら紹介していきます。
1.マスクを外したときの約束事を説明する
マスクを必ず付けていないといけないのではなく、息苦しさなどを感じたときには自分で外すという力も身に付けていく必要があります。
子どもの様子を見て保育士が声掛けや援助を行いながら、自分で判断できるようにしていくことで、マスク着用による体調不良を防ぐことができます。
マスクを外したときには大きな声で話さない・友達に近づきすぎないなどの約束ごとを決めておくことで、いつでもマスクを外してもいい環境を作ってあげることが大切です。
実際に筆者が3歳児クラスを担任している時には、
- マスクは苦しくなったら少し外して深呼吸をする
- 外したときには友達と少し離れて話をする
- 大きすぎる声で話さない
- 苦しくなくなったらまたマスクを付ける
ということを、子ども達に伝えていました。
2.気温や湿度に留意する
気温は気にする方も多いですが、湿度にも留意が必要です。
湿度が高くジメジメすると、息苦しさを感じる場合があります。
保育室内ではサーキュレーターや除湿器を付けて湿度を下げる援助が必要です。
気温や湿度が高いと熱中症の危険もあるため、エアコンを活用して過ごしやすい環境設定を行うことが大切です。
3.子どもの遊びに合わせて声をかける
戸外遊びでも、砂場で遊んでいる分にはマスクを着用していても息苦しさを感じることは少ないですが、鬼ごっこやかけっこ、ボール遊びなど身体を動かす遊びでは、マスクを着用していることで酸素よりも二酸化炭素の吸入が多くなり酸欠になる可能性があります。
そのため、子どもがたくさん身体を動かして遊んでいる時にはマスクを取って遊んでも良いことを伝え、マスク着用の体調不良を防ぐことが大切です。
4.子どもの顔色や体調をこまめに確認する
呼吸が苦しくなってくると、呼吸が浅く早い呼吸になり、顔色も悪くなります。
また、暑い時期には熱中症にも注意が必要で、熱中症の場合は軽度の場合は顔が火照り赤色に、重度になると青白くなっていきます。
また、筋肉のけいれんや体温の上昇、拭いても拭いても汗が吹き出たり、反対に汗が全くでていないなどの症状も熱中症の恐れがあります。
顔色や体調をこまめに確認することで、窒息や熱中症が重度になることを防ぐことに繋がります。
顔色や体調が優れない様子の時にはマスクを外し、風通しの良い場所で横になって休むなどの対応が必要です。
5.乳児には着用を控える
中には0、1歳児クラスの特に小さな乳児でも、赤ちゃん用のマスクを着用してくる家庭もあります。
筆者の園でも0歳児で2名ほど、1歳児では5人以上がマスクを着用して登園してきていた時期もありました。
理由としては、保護者がマスクをしている方が安心と考えていたり、きょうだいや親の真似をしたがってマスクを着用してくる場合がほとんどです。
しかし上記でも説明したように、乳児のマスク着用にはリスクが伴うので、登園したらマスクは外しても良いか確認をしていました。
筆者の園では全ての保護者が、理由を説明してマスクを着用しなくてもいいか確認すると了承してくれていました。
もしもどうしてもマスクを付けて生活してほしいという保護者がいる場合には、子どもの様子を注意深く観察してあげることが大切です。
6.マスクが汚れたら新しいものに替える
子どものマスク着用では、マスク内が蒸れてしまい濡れる・マスクをなめてしまう・鼻水がつくなど、マスクが汚れることが大人に比べると多く、汚れたり濡れていることが気にならない子どもも多いです。
汚れたマスクを長時間着用していると、口の周りが赤ちゃんのよだれかぶれのように赤くただれたりと、肌荒れの原因となるので、マスクが汚れたら新しいものに取り替えて清潔を保つことが大切です。
マスク着用が日常となった現在、保育園でもマスクの着用をお願いしている保育園がほとんどですが、マスク着用には熱中症や窒息などの危険性も伴います。
乳児の場合は無理にマスクを着用しない、幼児の場合は気温や湿度、子どもの遊びや体調に合わせてマスクを着脱する配慮が必要です。
自分たちで体調を考えてマスクを着脱できるように促していきながら、マスクを着用する時には鼻までマスクを付ける・プリーツマスクの場合には顔の大きさに合わせてプリーツを広げるなど、正しいマスク着用の方法も伝えていくことが大切です。
今回紹介した内容を参考に、子ども達も上手にマスクと付き合っていけるようにできると安心です。