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CME保育士コラム

担当制のメリット!実施していない園はどれぐらい?

以前は一斉保育が当たり前でしたが、近年は担当制を取り入れる保育園も多くなってきています。

今回は担当制とはどのような保育なのか、一斉保育との違いとともに担当制のメリットやデメリットを紹介していきます。

 


 

担当制とは

担当制保育とは、子どもに対する担当保育士を決め、担当保育士が決まった子どもの保育や援助を行っていく保育のことです。

担当制保育は主に発達の差の大きな乳児クラスで取り入れられることが主流で、0歳児であれば保育士1人につき3名、1歳児であれば4~6名を担当する場合が多いです。

担当する子どもの数は保育園によって異なるため、確認しておくとスムーズです。

一斉保育との違い

一斉保育や集団保育と呼ばれる保育は、クラス単位で動くことが多いので、低月齢児や発達のゆっくりな子どもが大変な思いをする場面や、反対に月齢の高い子や発達の早い子が退屈に感じるような時間がどうしても出てきてしまいます。

一方で担当制保育の場合は担当しているグループごとに活動を設定することができるので、同じ位の月齢や発達の子どもで無理なく活動に参加することが出来ます。

担当制のメリット

担当制のメリットについて紹介していきます。

1.子どもの発達に合わせた保育ができる

同じ位の発達の子どもで担当を分けることで、発達に合った保育を行うことが出来ます。

例えば1歳児クラスの場合、4月生まれの子は歩行も安定し、一定距離散歩にいくことが出来ますが、3月生まれの子はまだ歩けない子もいます。

一斉保育を行うと、4月生まれの子が本来歩ける距離よりも短い公園しか行けなかったり、3月生まれの子はカートに乗ってもらうことが多くなってしまいます。

担当制をとることで、歩きが安定しているグループは公園へ散歩に出る、歩けない子のいるグループでは園庭遊びなど無理なく活動を設定することが可能になります。

2.待ち時間が少ない

1クラスが12名のクラスだとして、製作をしようと思うと早く出来た子は遅い子を待たなければいけない時間が出てきます。

しかし、同じくらいの発達の子でグループを作り、発達に合わせた製作を行うことで待つ事案が少なくスムーズに保育を進めることが出来ます。

子ども同士のトラブルなどは待ち時間に起こることも多いため、待ち時間を少なくすることで、子ども達が楽しく安全に過ごすことにも繋がります。

3.基本的生活習慣をしっかりと身に付けることができる

一斉保育の場合、同じ「ズボンを履く」という行為でも、保育士によって声のかけ方や援助方法が異なる場合があります。

ところが担当制の場合は同じ保育士が毎日関わって生活することで、同じ声掛けや援助を継続して行うことができ、子ども達が基本的生活習慣を身に付けやすくなります。

また、基本的生活習慣を身に付けるためには丁寧な保育が必要になります。

担当制をとり1人1人と深く関わっていくことで、しっかりと基本的生活習慣を身に付けることができます。

4.子どもとの愛着形成が行いやすい

1人の保育士と深く関わることで、保育士との愛着形成がうまくいくことが多いです。

保育士との愛着形成がうまくいくと、保育士との信頼関係ができていきます。

また、保育園でも子どもが安心して過ごすことができます。

特に朝の受け入れ時・食事(ミルク)・午睡などの場面では、愛着形成や信頼関係が出来ていないと子どもが泣いたり拒否したりすることが多いです。

食事がとれない、泣いてしまって午睡ができないと子どもの負担にもなります。

愛着形成をして子どもが安心して園生活を送れることで、子どもの落ち着きにも繋がります。

5.保護者と良好な関係を築きやすい

担当している子どもと密接に関わることになるため、保護者にも丁寧に様子を伝えることができます。

丁寧に様子を伝えることで保護者の安心感や信頼感につながり、保護者と良好な関係を築きやすくなります。

 

 

担当制のデメリット

続いて担当制のデメリットについて紹介します。

1.他の子どもと関わりにくい

担当していない子どもとの関わりが少ないため、担当が休みの際に他の保育士が対応しても子どもが泣いてしまう・どのように援助するのがいいのかわからないなど、担当以外の子どもとの関わりが難しい場合があります。

2.保育士の連携が必須

担当制をとることで、担当以外の子どもの様子が把握しにくい傾向にあります。

そのため、他の担当の保育士と連携をとって、クラス全員の現在の様子をこまめに報告する必要があります。

職員間の関係が良好であれば問題ありませんが、職員間の仲があまりよくない場合、連携がうまくとれないと「知らなかった」という事態が起こりかねません。

一斉保育の場合でも保育士の連携は大切ですが、全体の子どもの様子を把握することができるという点では、担当制の方が保育士間の連携が大切といえるでしょう。

3.相性の有無

子どもや保護者と保育士の相性が合わない場合は日々の保育が大変に感じてしまう場合があります。

一斉保育の場合は他の保育士に対応してもらうことが可能ですが、担当制の場合は自分で対応していかなくてはいけません。

困った時には他の保育士に相談をしながら、保育の進め方や保護者対応の方法などを試行錯誤していくことが大切です。

4.休みをとりにくい

一斉保育の場合は自分が休んでも他の担任が子どもの様子を把握してるため、フリーの保育士が入っても比較的スムーズに保育が進むことが多いですが、担当制の場合は代わりに入った保育士に慣れずに子どもが泣いたり、丁寧な引継ぎが必要になることから休みをとることに罪悪感を感じる保育士も多いです。

日常的に子どもの様子を伝えあっておくことや、時々他の担当のグループと合同保育を行って他の保育士にも慣れていけるようにするなどの援助が大切です。

 

 

担当制を取り入れる保育園が近年増えていますが、担当制にはメリットだけでなくデメリットもあります。

はじめからきっちりとした担当制をとるよりも、この子の受け入れはこの保育士が行う、給食から午睡までは担当制にするといった、ゆるやかな担当制をとることから始めることがおすすめです。

担当制を取り入れることで、子ども達の愛着形成が進み、安心して保育園で過ごすことに繋がります。

今回紹介した担当制のデメリットも理解しながら、子ども達が安心して過ごせるような援助をしてみてくださいね。