コロナ渦で保護者と話す時間減。その中で信頼関係を築く方法
新型コロナウイルスの流行により、休園や学年閉鎖・登園自粛の機会が増えたり、保護者説明会などの行事がなくなったりして、保護者とじっくりと話をする時間が減っている傾向にあります。
しかし、保護者と信頼関係を結んでいくには保護者とのコミュニケーションが欠かせません。
今回は話す時間が減っているコロナ渦でも保護者と信頼関係を結んでいくためにはどうすればいいかについて紹介していきます。
保護者と信頼関係を結ぶためのポイント
短い時間の中でも保護者と信頼関係を結ぶために大切なポイントを紹介していきます。
1.積極的に子どもの話をする
送迎の際に積極的に園での子どもの様子を伝えていくことで、保護者が園での子どもの様子を知ることができ、信頼感へと繋がっていきます。
朝の受け入れ時には仕事が控えており時間がないという保護者も多いので無理に話すのではなく「今日も元気そうで嬉しいです」など、受け入れ時に一言添えるだけにするのもおすすめです。
帰りは比較的時間に余裕のある保護者が多いので、お迎えの際に「今日製作を行ったのですが、ハサミの使い方がとても上手でした」など、伝達事項以外に1エピソード付け加えると保護者との会話が広がります。
2.保護者の気持ちをしっかりと聞く
保護者は家庭保育の中で育児に対する不安感や困り感を感じていることが多いです。
ネットで検索したり、友達に相談したりして解消していく保護者もいれば、保育士に相談してくれる保護者もいます。
保護者から話しがあった時には、まずは気持ちを受け止めて共感してあげます。
その後、園での様子やおすすめの対応方法などを伝え「また何かあれば教えていただけると嬉しいです」と声をかけるのがおすすめです。
また、保護者からその後話しがなくても「最近この前お話されてた○○どうですか?」とこちらから気にかけて声をかけると「覚えていてくれた」という安心感に繋がります。
また、園に対する不満などを保育士に伝えてくる保護者もいます。
その時には保護者の気持ちに寄り添いながら謝罪をし、対応が難しい時には主任や園長に任せてしまうという対応もおすすめです。
3.保護者と関わる時には笑顔で
いつも笑顔の人と真顔の人では、笑顔の人の方が好印象を持たれやすい傾向にあります。
「おはようございます」「おかえりなさい」などの基本的な挨拶を笑顔で行うだけでも、保護者から悪い印象を持たれることは少なくなります。
他クラスの保護者などの関わることが少ない人は、保育士との信頼関係が築きにくいため特に笑顔で挨拶することを心掛けることが大切です。
4.誠実に対応する
保育園で生活していると、子どもが怪我をしてしまう場合もあります。
その際に自分が悪くないと思わせようと嘘をついたりすると、保護者からの不信感に繋がります。
「申し訳ありません。お友達と玩具の取り合いをしている際に叩かれてしまって、赤くなってしまいました。すぐに冷やして対応していますが、自宅でも様子を見ていただけますか?今後同じような怪我のないように注意して見ていきます。本当にすみませんでした。」
というように、ありのままの状況を伝えてしっかりと謝罪をすることで保護者も許してくれることが多いです。
また、他の保育士にも伝達して翌朝の受け入れ時に「昨日怪我してしまったところの様子はどうですか?」と確認するようにすると、「心配してくれている」という保護者の安心感に繋がります。
信頼関係を結ぶことによるメリット
保護者と信頼関係を結ぶことによるメリットを紹介します。
1.子どもの様子を把握しやすくなる
信頼関係を築くことで、保護者から子どもの自宅での様子を細かく伝えてもらえたり、保護者の育児を行う上での悩みを共有してもらえることが多くなります。
また、子どもの様子を保護者と報告しやすくなることで、園での子どもに対する困り感も伝えやすくもなります。
2.保育に理解してもらいやすくなる
信頼関係を築くことで、保育に協力してもらいやすくなります。
また子どもの怪我についても、信頼関係を築いたうえで誠実に対応することで、状況や子どもの様子を理解してもらいやすくなります。
3.子どもとの関係も良くなる
保護者との信頼関係が築けていないと、保護者から何か言われる可能性を考えて子どもに気をつかいやすくなります。
そうすると保育士自身が疲れてしまい、保育が円滑に進みにくくなってしまいます。
保護者との信頼関係が築かれることで、理解してもらえるという安心感から、子どもとも本来のペースで関わることが出来ます。
信頼関係を結ぶ上での注意点
信頼関係を築き上げるには時間がかかりますが、関係が壊れるのは一瞬です。
信頼関係を壊さないように注意すべき点を紹介します。
1.嘘をつかない
例えば子どもの怪我について伝える際、怪我の詳細がわからないときにはその時の状況と、詳細がわからない理由を丁寧に伝えることが大切です。
例えばおでこが赤くなってしまった際に、見ていなかったのに「ぶつけてしまいました」と伝えると、万が一転倒や転落などで勢いよくぶつけていた際に、自宅にかえって様子が急変してしまう可能性もあります。
そのため、詳細がわからないことを謝罪し「可能性としては○○にぶつけてしまったか、転んだ時に頭をぶつけてしまった可能性があります」と、可能性の話しにとどめておくことが大切です。
また、担任でない保育士が対応する場合には、担任のいるうちに詳細を聞いて引継ぎを行い、保護者からの問いに答えられないときには適当に答えずに「明日担任から伝えられるようにしておきます」と、正確な情報を伝えられるようにすることが大切です。
2.日々の保育の進め方を見直す
保護者からの信頼感を失うポイントとして、怪我や荷物の紛失などが挙げられます。
繰り返し怪我や紛失が起きてしまう際には、保育を見直して改善していくことが大切です。
子どもが散歩中に自分で転んでしまったような怪我は防ぐことも難しいですが、保護者も理解してくれやすい怪我でもあります。
一方で、友達に何かされてしまった・遊具などから転落したといった怪我は保育士が防げる可能性があり、保護者からの信頼にも関わります。
繰り返し起こる際には状況を整理して他の保育士と話し合い、防止策を考えることが大切です。
信頼関係を築くことで保育が進めやすくなるという保育士側のメリットはもちろん、保護者も安心して保育園に子どもを預けることが出来ます。
保護者とじっくり話しができる機会が少なくなっていて大変ではありますが、時間をかけて少しずつ信頼関係を築けるように、丁寧に保護者対応を行うことが大切です。