子どもとの信頼関係がわかる瞬間っていつ?
保育を進めていく上で、子どもとの信頼関係を築くことはとても大切な事です。
今回は子どもとの信頼関係の築き方や、信頼関係が出来ている時の子どもとの関わりについて紹介していきます。
子どもとの信頼関係を築く必要性
子どもとの信頼関係を築くことがなぜ必要なのかというと、
- 子どもが安心して保護者と離れ、安心して園生活を送ることに繋がる
- 保護者以外にも自分を大切にしてくれる人がいるという自己肯定感を育てる
- 信頼関係を築くことで受け入れてもらいやすくなる
などが挙げられます。
信頼関係ができていないと、保護者と離れることを嫌がり登園後も泣き続けます。
入園してすぐの慣らし保育などで子どもが泣くのはまだ保育士との信頼関係ができていないからです。
信頼関係ができてくると、保育士にも安心感を感じて保護者と分離する際に泣かなくなったり、登園後すぐに泣き止んで園生活を送れるようになり、子どもが安心して過ごすことに繋がります。
また、保護者が全てだった世界から保育園に入り、保護者以外の大人からも大切にされることで、自己肯定感を育てることもできます。
信頼関係を築くことで子どもが保育士の話を受け入れやすくなるという効果もあります。
大人でもそうですが、知らない人や全く信頼関係のない人から言われた言葉よりも、信頼関係のある人からの言葉の方が聞き入れやすいのと同じです。
信頼関係の築き方
子どもと信頼関係を築いていくためのコツについて説明します。
1.積極的に子どもと関わる
「泣かれてしまう」「人見知りの様子が見られて心を開いてもらえない」などの理由から関わりが少なくなると、いつまで経っても信頼関係を築くことが出来ません。
そのため、積極的に子どもに関わっていくことが大切です。
どうすれば子どもが泣き止むのか、自分に慣れてくれるのかを考えて手袋シアターや絵本、歌、ペープサートなど子どもの興味を引くものを準備しておくことで子どもと関わりやすくなります。
積極的に子どもと関わることが大切ですが、1回で信頼関係を築くことは難しいため、無理に執着して関わるのではなく、手袋シアターをしたら1回離れる、少ししたらまた違う遊びをする、というように、繰り返し関わっていくことが大切です。
2.子どもの気持ちを受け止めていく
子どもと信頼関係が築けていないと「何で泣くのかな」「何で話を聞いてくれないのか」など不安な気持ちが募ります。
子どもが今どういう気持ちなのかを保育士なりに考えて「ママと離れちゃって寂しいんだね」「玩具使いたかったね」などと言葉にして代弁して受け止めてあげることで子どもの安心感に繋がります。
安心できる人だと子どもが認識すると、信頼関係が築けるようになります。
また、悲しい時だけでなく、楽しい時にも子どもの気持ちを受け止めて共感していきます。
「上手にケーキが作れたね」「ブランコ楽しいね」など、積極的に褒めてあげることで子どもが自分にとって保育士は味方であると安心してもらうことが期待できます。
3.スキンシップをとる
スキンシップをとることでスムーズに子どもとの信頼関係を築くことができます。
ただし、ある程度子どもが保育士に慣れていないとスキンシップをとること自体を嫌がることが多いです。
そのため積極的に関わり、少し保育士に慣れてきた様子が見られたら抱っこやふれあい遊びをする機会をとります。
また、午睡の前にハグをするといった短時間のスキンシップから始めるのもおすすめです。
子どもとの信頼関係がわかる瞬間とは
子どもとの信頼関係ができることは、保育でやりがいを感じる瞬間ともいえます。
よく見られる信頼関係を実感できる瞬間について紹介します。
1.笑顔で登園してきてくれる
これまで泣いていたり、保護者との分離を渋ったりしていた子どもが登園時に「おはよう」と笑顔で登園してくれた姿を見ると「園生活に慣れてきてくれた」という嬉しさがあります。
また、はじめのうちは担任なら泣かないといった姿も見られます。
担任をもっていると「自分の先生だという認識があり、担任には安心してくれている」と感じられ、信頼関係ができてきたのだな、と実感することができる嬉しい瞬間でもあります。
2.自分から気持ちを伝えてくれた時
信頼関係ができていないうちは保育士から話しかけることが多いですが、信頼関係ができてくると子どもから話しかけてきてくれるようになります。
誰かとトラブルになった際にも「○○が嫌だった」など、自分の気持ちを保育士に伝えてくれるようになると、保育士のことを信頼して話してくれているという実感があります。
3.自宅で自分の話をしてくれていた時
保護者対応や連絡帳でのやりとりの中で「家で○○先生の話をしていました」というように、自分の話を自宅でもしてくれていたことを聞くと、信頼関係が築けてきたのだな、と嬉しい気持ちになります。
4.保育士の話を聞き入れてくれた時
信頼関係ができていないうちは保育士が何を言っても話を聞き入れてくれないことがありますが、信頼関係ができてくると保育士の意見も聞き入れてくれることが増えてきます。
筆者の実体験でいうと、午睡明けに寝起きが悪くなかなか着替えにうつれない3歳児に、はじめは一緒に着替えようと声をかけても動いてくれないことが多かったのに、日々の関わりを通して信頼関係ができてくると、「一緒に着替える?一人で着替える?」と聞くと「一緒に着替える」と答えて動いてくれるようになりました。
このように信頼関係ができてくることで、保育士の提案や話しも聞き入れてくれるようになると、信頼関係ができてきたことを実感します。
子どもとの信頼関係を築くのはそれなりの時間が必要です。
焦って距離をつめようとするのではなく、適切な距離感を保ちながらも積極的に関わっていくことが大切です。
そのためには子どもの興味がひけるような手遊びやペープサートを準備したり、様々な声掛けを行って子どもに合った声掛けを探っていくことが必要です。
信頼関係が築けたと実感できると、保育のやりがいを感じます。
また、子どもとの信頼関係は保護者と信頼関係を築くうえでも重要なものなので、今回紹介した内容を参考に、信頼関係を築いていけるように援助してみてくださいね。