入園から半年、それでも泣き止まない子ども。考えられる可能性は?
4月に保育園に入学して半年が経ちました。
ほとんどの子どもが半年経つと新しい環境にも慣れてきて、受け入れ時に泣く子はほとんどいなくなります。
もちろん長期的に欠席していた子などは登園時に泣くこともありますが、そうではなく毎日登園しているのに半年経っても泣き止むことができない子は、保護者とともに援助方法を考えていく必要があります。
今回は今でも受け入れ時に泣いたり、分離後も泣き止むことができない子どもについて紹介していきます。
入園から半年たった子どもの姿
入園から半年経つと園生活にも慣れてきて、保育士との信頼関係もできてきます。
受け入れ時も慣れていない保育士では泣いてしまうことはあっても、担任保育士がいれば保護者と泣かずに分離できる子どもがほとんどです。
また、園生活が習慣付いてきて安心して過ごすことができるようになってきているため、自由遊びや給食など、保育士が傍にいなくても遊んだり食べたりできるようになります。
半年たっても保護者と分離する時に泣いて離れない・自由遊びの際に保育士が抱っこしていないと遊べないなど、泣いてしまうことが多い場合、園での生活のしかたや家での保護者との関わりなどを見つめ直す必要があります。
入園から半年経っても泣き止まない理由
入園から半年経っているのに子どもが泣いてしまう・泣き止まない理由として考えられる可能性について紹介します。
1.保育士との信頼関係が築けていない
子どもの気持ちに寄り添ったり、スキンシップを多くとることで少しずつ保育士と信頼関係を築いていくことで、園でも安心して過ごすことができます。
しかし、保育士との信頼関係が築けていないと安心する保護者を求めて泣き続けてしまいます。
子どもとのスキンシップは足りているのか、子どもの気持ちに寄り添えているのかなど、日々の保育について見つめ直すことが大切です。
泣いている時には充分に抱っこをしたり、遊びの中にふれあい遊びを取り入れてスキンシップを多くとったり、給食やおやつの時の援助(子どものペースに合わせて援助しているか・無理なく食べられる量に調整しているか)、午睡の時の援助(トントンや抱っこなど、落ち着く方法で入眠が出来ているか)など、自分では行っているつもりでも他の人から見ると「もっとこうすればいいのに」と思うこともあるため、他の保育士と一緒に確認してみるのがおすすめです。
2.家での保護者との関わり
保育園に通う子の保護者は共働き・介護や育児など、両親が自宅で1日子どもと生活することが難しいという場合が多いです。
共働き家庭の場合、両親ともに仕事から帰ってきて家事をしなくてはならず、なかなか子どもとの時間をとることが難しく、子どもが保護者との関わりが不十分と感じて保育園で泣いてしまうこともあります。
特にお迎えが遅い場合は、帰宅後は食事・入浴をすませたら就寝時間になってしまうという家庭もあります。
また、産休・育休などで保育園に通っている場合、これまでと生活が変わってしまっている可能性があります。
今までは外でたくさん子どもと遊んでくれていたが妊娠して一緒に身体を動かして遊べなくなった、赤ちゃんが生まれて我慢しなければならないことが増えたなど、生活が変わってしまったことが原因で保護者と離れられない・泣き止むことができないということも多いです。
園での子どもの様子を伝えながら自宅での子どもの様子や過ごし方について保護者と相談していくことが大切です。
3.生活リズム
夜寝る時間が遅く、睡眠時間が足りていない、朝ごはんを食べる時間がなくいつも朝ごはんを充分に食べていないなど、生活リズムが乱れていることが原因となって子どもの情緒が安定していない可能性も考えられます。
夜寝る時間が遅く、朝は保護者に起こされて保育園に来ている、朝ごはんは保育園に向かう車中でパンを1つといった場合、眠さや空腹、朝保護者と関わる時間がほとんどないまま分離しなくてはならなかったりして、泣いてしまうことが多いです。
午睡明けは落ち着くけれど午前中は泣いて過ごすことが多い場合には寝不足や空腹が考えられます。
保護者と連携をとるために
園で子どもが安心して過ごすためには保護者の協力が大切になります。
ただ保護者にも様々な事情があり、「もっと子どもとの時間を作ってください」「早寝早起きをしてください」と言ってしまっては、責められている・そんなことわかっていると反感をかってしまう可能性があります。
そのため、まずは園での様子を伝えます。
園ではこんな様子、こういうふうに援助をしているということを詳しく伝え、「自宅ではどのようにしていますか?」と、どのように遊んでいるのか・好きな玩具・保護者とはどのように遊んでいるのかについて聞くことで自宅での様子も知ることができます。
聞き取りをしたあとは「教えて下さってありがとうございます。園でも同じように遊んでみますね」などとお礼をいうことで保護者は不快感を感じることなく様子を知ることができます。
聞き取った結果、自宅で保護者との関わりが少ない様子や生活リズムの乱れがあるようであれば、しばらくしてから試してみたけど様子の変化がないことを伝え、自宅で協力してほしいことをお願いします。
伝え方としては「前回お話させていただいた時に教えてもらった遊び方を園でもやってみたのですが、やはり泣いてしまう時間も多いです。日中眠くなってしまうことも度々あるため、眠さもあるのかもしれません。園でも給食を食べ終わり次第すぐに午睡できるように援助していきますが、ご自宅でも夜早めに寝て睡眠時間を確保していただくことはできますか?」と、こちらでできる援助も提示しながら協力を仰ぐことが大切です。
入園から半年たっても泣き止まない場合は、園生活に慣れていないというよりも、保育士の関わり方や自宅での過ごし方など、別の原因があると考えて原因を探していくことが大切です。
子どもが泣き止まないと、子どもが安心した園生活を送れないことは勿論のこと、保護者との信頼関係も築きにくくなってしまいます。
今回紹介した内容を参考に、子どもが安心して園生活を送れるようにしてみてくださいね。