暑さ・寒さに弱い子ども、すぐ戸外遊びから保育室に戻りたがる子ども、、、
寒さの厳しい季節になってきて、子どもがすぐに保育室に戻りたがってしまい、戸外遊びを楽しめないという悩みが出てきます。
最近は冷房・暖房を活用している家庭が多く、寒さや暑さに慣れていない子どもが多いです。
冷房・暖房を正しく使うことは体調管理において大切な事ですが、つけっぱなしにすることで体力の低下や体温調節が苦手な子どもになりやすくなってしまいます。
今回は暑さや寒さに弱く、戸外遊びを嫌がる子どもに対する援助方法や、友達と楽しく遊べるようにする工夫について紹介します。
暑さ・寒さに弱い子どもの特徴
暑い日に汗をかくのは体温を下げるために、寒い日に身体が震えるのは身体を温めるために起こる現象です。
暑さに弱い子どもは、汗をかきにくくて熱中症になりやすかったり、汗をかいた際に充分に水分補給が出来ずに脱水症状を起こしやすい傾向にあります。
また、暑さになれていないことで戸外に出た時に「何か気持ち悪い」「疲れた」と体調の不調を訴えることがあります。
一方で寒さに弱い子どもは、寒さに耐えることが出来ず戸外でも身体を動かして遊べなかったり、そもそも外に出ることを極端に嫌がる傾向にあります。
暑さや寒さに弱い子どもは、自宅ではクーラーや暖房をつけっぱなしにして常に快適な環境で過ごしていることが多いです。
戸外遊びを嫌がる子どもへの援助方法
子どもが戸外遊びを嫌がる際にはどのように援助をしていけばいいのかについて紹介していきます。
1.戸外遊びの時間を短くする
急に暑くなったり寒くなったりした日には、暑さや寒さに身体が慣れていない場合がおおいので、戸外遊びの時間を短くして無理なく遊べるようにすることがおすすめです。
また、特に暑さや寒さが厳しい日にも、熱中症や風邪を防ぐために戸外遊びの時間を短縮することが大切です。
子どもの中で、戸外遊び=嫌なものにならないよう、戸外遊びを嫌がる子がいる場合には、戸外遊びと室内遊びを組み合わせて保育に取り入れる事で、無理なく遊ぶことが出来ます。
2.衣服の調整をする
暑い日には薄手の洋服を着たり、寒い日には1枚多く着たりと、衣服の調整をしてできるだけ快適に過ごせるように援助します。
暑い時には室内でエアコンを活用する場合も多いため、室内へ戻ったら着替えをして身体が冷えすぎないようにすることも大切です。
反対に寒い日には、戸外遊びのことを考えて厚着で来る家庭も多いため、室内で暖房をかけた際に暑くならないように衣服を調整します。
室内と戸外の気温差が大きければ大きいほど、子どもが戸外遊びを嫌がってしまうため、衣服で調整しながら快適に過ごせるように援助していくことが大切です。
3.保護者に様子を伝えていく
保護者に園での様子を伝えていき、自宅でも暑さや寒さに慣れていけるような援助をしてもらうことが大切です。
また、家庭での様子も聞き取り、夏場や冬場にあまり戸外に出ないようであれば、少し戸外で暑さや寒さを感じられるような時間を作ってもらうなどの協力をお願いします。
幼児の場合には「小学生になった時」という話をすると、聞き入れてもらいやすい傾向にあります。
例えば、「今は個別に対応ができるのですが、小学生になった時に体育の時間などに暑さや寒さが苦手だと大変な思いをしてしまう可能性があるため、今から少しずつ慣れていってもらえたらと思っています」などと話をするのがおすすめです。
戸外で楽しく遊ぶための工夫
暑さや寒さに弱い子どもでも楽しく戸外で遊ぶための工夫について紹介します。
1.季節の遊びを取り入れる
季節の遊びはその時期にしかできないため、取り入れることで子どもも楽しんで活動に参加出来ます。
夏であればプールや水遊び、泥遊びや感触遊びなどを取り入れると暑い中でも気持ちよく遊ぶことが出来ます。
反対に冬であればたくさん身体を動かすような遊びを取り入れたり、手袋やマフラーなどを準備して雪遊びや氷遊びを行うのもおすすめです。
2.子どもの意見を取り入れた活動にする
保育士が「今日は○○公園」「今日は鬼ごっこ」と、活動内容を全て決めてしまうと、戸外遊びが嫌な子どもにとっては「やらされている」という感覚をもつ場合があります。
そのため、「○○公園に行こうと思うんだけど、公園で何をして遊ぼうか?」「今日はどこの公園に行こうか?」と、活動内容を子ども達と一緒に考える事で「好きな遊びを楽しめる」という時間に変えることが出来ます。
3.室内遊びと組み合わせて活動を行う
戸外遊びだけが活動ではありません。
例えば室内で紙飛行機や竹とんぼなどの製作を行い、実際に作ったものを使って戸外で遊ぶような組み合わせた活動を行うことも出来ます。
自分が作ったものを使って遊ぶというのは、子どもにとって達成感や充実感を味わえるような活動になるため、製作などの室内活動と組み合わせながら戸外遊びを取り入れる事で、楽しみながら戸外遊びに参加することが出来ます。
注意点
様々な援助を行っても子どもが戸外遊びを嫌がる場合には、保護者に様子を伝えながら個別に対応していくことが大切です。
無理に戸外遊びを続けると、戸外遊びだけでなく保育園へ登園すること自体が嫌になってしまう可能性があります。
そのため、戸外遊びや保育園を嫌いになってほしくないため、どうしても嫌がる時には保育園に残る対応をとりたいことを保護者に相談する必要があります。
また、他の保育士にも子どもの様子を伝えて協力してもらったり、子どもにも「一緒に公園にいかないのであれば他のクラスや園長などと一緒に過ごす」ということを説明しておくことが大切です。
どうしたら一緒に楽しむことができるのかを試行錯誤しながらも、戸外遊びを無理強いはしないという援助が大切です。
暑さ・寒さに弱い子どもは、昔に比べると増えています。
その中でも子どもがどうすれば戸外遊びを楽しむことができるのかを、今回紹介した内容を参考に試行錯誤していただければと思います。
また、戸外遊びや保育園への登園が嫌にならないような援助や配慮も必要です。
対応に困った時には他の保育士や保護者にも相談しながら進めていくことで、子どもが無理なく園生活を送ることに繋がります。