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CME保育士コラム

持ちあがりとは?担任継続のメリットはある?

新年度になると担任が変わる場合と変わらない場合があります。変わらずに同じクラスの子ども達を見ることを持ち上がりと言いますが、今回は持ち上がりをするメリットや反対に持ち上がりだからこそ大変だと感じることなどについて紹介していきます。


 

持ちあがりとは

保育園における持ち上がりとは、昨年度と同じクラスの担任を今年度も続けるという事です。

例えば「昨年2歳児の担任をしていて、今年は3歳児を担任する」という場合には、同じ子どもたちの担任を継続することになるため、持ち上がりということになります。

乳児クラスの場合は、複数担任のうち誰かが持ち上がりという場合もあります。

例えば0歳児クラスの保育士数が3人の場合、昨年0歳児を担任していた3人の保育士が今年は0歳・1歳・2歳児クラスに振り分けられた場合、1歳児クラスの担任になった保育士のみが持ち上がりということになります。

担任継続のメリット

担任を継続する際のメリットについて紹介していきます。

1.子どもの発達を把握している

すでに1年間かけて子ども達に接してきているため、子どもの発達を把握できています。

何が得意・苦手で、どのような様子なのかを知っているので、年度が変わってもスムーズに保育を進めることが出来ます。

新しい環境に慣れるのが大変なのは保育士も同じですが、知っている子ども達というだけでも気持ちが楽になります。

2.保護者との信頼関係がすでに出来ている

こちらも昨年度1年間かけて保護者と関わってきているため、保護者との関係を築きやすいというメリットがあります。

また、保護者としても知っている人がまた担任をしてくれるという安心感から、何かあった時に相談してもらいやすい傾向にあります。

3.継続して保育を行うことができる

持ちあがりでない場合は子どもの発達や成長について、次の担任に引継ぎを行い、次の担任の方法で保育を進めていきます。

しかし、持ちあがりであれば自分の保育を継続して行うことが出来ます。

継続して保育を行うことで子どもにとっても負担が少なく、身に付けていきたい力がしっかりとついていきやすい傾向にあります。

持ちあがりしない場合のデメリット

持ち上がりをしない場合にはどのようなメリットがあるのかについて紹介していきます。

1.引継ぎが大変

子ども達の日中の様子や発達について詳しく知っていないからこそ、丁寧に現担任から引継ぎを行う必要があります。

引継ぎ時に確認したい内容として、

  • 1人1人の発達状況や家庭状況
  • アレルギーや持病のある子の確認
  • 給食の好き嫌いや現状
  • 行ってきた集団遊びやその様子
  • 行ってきた製作やその様子
  • 保護者との関わり方

 

などが挙げられます。

持ち上がりの場合はすでに把握出来ているので、1人担任の場合は引継ぎがいらず、複数担任の場合のみ同じクラスの保育士に伝える程度で済むので、大きな手間になります。

2.保護者との関係を築くのが大変

「どのような先生なのか」というのを探るような関わり方をする保護者もいるため、始めは保護者との関係作りに苦労する保育士も多いです。

引継ぎで丁寧に保護者について聞き取りをし、特に対応を丁寧に行わなくてはいけない保護者には細心の注意をはらって対応することが大切です。

担任継続のデメリット

反対に持ちあがりをするデメリットを紹介します。

1.保育に偏りがでる可能性がある

同じ保育士が持ちあがりで保育を行うと、その保育士の保育方針や援助方法が子ども達にも強く出る可能性があります。

乳児クラスのように複数担任の場合には持ちあがりでも、他の保育士と相談しながら保育を進めたり、それぞれの声の掛け方があるため問題ありませんが、2年続けて持ちあがりで1人担任の場合には、その保育士のやり方に偏ってしまうことがあります。

そのため、例えば昨年度は製作に力を入れていたのなら、今年度は身体を動かす遊びに力を入れるなど、保育について見直しをして子ども達がより成長できるようにしていく工夫が必要です。

2.負担に感じる場合がある

1年間を通して保育をする中で、クラスの中での気になる点が出てきたり、気になる子の対応に悩んだりすることがあります。

それでも「今年を乗り切れば」という気持ちで乗り切れることがありますが、持ちあがりとなるともう1年向き合っていく必要があります。

保育士自身が持ちあがりを望んでいる場合には問題ありませんが、そうでない場合の持ちあがりは精神的負担になってしまう場合があるというのは大きなデメリットの1つです。

3.自分にばかり子どもが寄ってくる

乳児の場合は人見知りがある子も多く、どうしても持ちあがりの保育士に助けを求めてくることが多いです。

前に出て保育を進めたい時、給食の配膳をしている時など、子どもと1対1で関わることが難しい場面でも自分にばかり子どもがきたり、自分が行くまで泣き続けたりする姿を見ると大変だと感じることがあります。

筆者の経験談

筆者は持ちあがり、1年あけて再び担任をもつ、2年あけて担任をもつという3パターンを経験しています。

持ちあがりの際にはやはり引継ぎをしなくて良かったり、保護者が「○○先生で良かった」と言ってくれたりして嬉しいことが多かったです。

筆者自身も持ちあがりを望んでいたので精神的負担も少なかったのですが、乳児クラスだったこともあり、やはり自分にばかり子どもが来ることは少し大変でした。

ただ、昨年度から継続して保育を行うことができるので、自分の保育で子どもの成長を実感できると嬉しくなり、やりがいを感じることが出来ました。

個人的に1番楽だったのが、1年あけて再び担任をもつパターンです。

1年で成長しているため引継ぎは必要ですが、基本的な性格や発達速度は理解しており、保護者との関係性もある程度残っているため、スムーズに引き継ぐことが出来ました。

また、1年あくことで「こんなに成長したんだ」と成長を感じながら新たな気持ちで保育できることも良かったです。

 

 

持ちあがりは子どもや保護者との関係性がすでに出来ているので、準備や心構えが少なく済む他に、自分の保育を継続して行うことができるというメリットがあります。

一方で保育のマンネリ化や望んでいない場合には心の負担になる可能性もあるため、今の自分の保育の方法や子ども達の様子を見直して、必要に応じて変化していくことも大切です。