実在する!びっくりした親御さんからのクレーム内容、、、
保育園や幼稚園で働いていると、思わず「えっ!?」と驚いてしまうようなクレームを言われてしまう経験をしたことがあるという保育士も少なくありません。
今回は驚いてしまうようなクレーム内容について、筆者の経験談も含めながら紹介していきたいと思います。
思わず驚いたクレーム内容
1.怪我が多すぎる
保育園生活で気を付けたいのが子どもの怪我です。
子どもが怪我をしないように安全管理を行うことも保育士の仕事ですが、子どもが散歩中に転んで出来た擦り傷については防ぎきれないというのが現状で、多くの保護者が「子どもが自分で転んだ怪我ならしかたない」と思ってくれています。
しかし、毎回子どもが自分で転んでしまって軽い擦り傷になっているにも関わらず「怪我が多すぎませんか?転ばないようにするのも先生達の仕事じゃないですか?」と幼児(4歳児)の保護者からクレームを言われたというケースです。
乳児で歩行が不安定な場合には、歩行が安定するまで保育士が手をつないで歩くというのも大切ですが、幼児になると転んだ時には手をつく・転ばないように足をあげて歩くなど、経験しながら学ぶことも大切です。
また、幼児になると鬼ごっこなど遊びが大きくなります。
遊びの中で転ばないように保育士が気を付けられる事は、大きな石はあらかじめ取り除いておく程度の援助しかできないため、難しい内容のクレームです。
対応方法
まずは「すみませんでした。怪我が続いてしまうとお母様も心配になりますよね」と、保護者の気持ちに寄り添います。
その上で「転んでしまうのは散歩で歩いている時よりも、友達と鬼ごっこや氷鬼などをして公園内を走って遊んでいる時が多いです。遊び始める前に公園内を確認し、つまずいてしまう可能性がある大きな石は端に寄せたりしていますが、遊びに夢中になると足がもつれて転んでしまうことが多いです。」と、転んでしまう時の状況を説明します。
その後「散歩の時には保育士の傍で歩くようにして、転ばないように援助していきますね。ただ、遊びの際には友達と遊ぶことが大好きなので、鬼ごっこなどの遊びを制限するというのは私(保育士)的にはあまりしたくないという風に考えているのですが、どうですか?」と保護者に相談をしました。
保護者も遊びを制限させたいというわけではなかったので「そうだったんですね、それじゃあそれでお願いします」と納得をしてくれました。
納得してくれたあとには「ご理解いただきありがとうございます。転んでしまった時にはその時の状況も合わせてお伝えできるようにしていきますね。ご相談いただきありがとうございました」と、理解してくれたことについてお礼をいうことで円滑に収めることが出来ました。
2.洋服の着せ方がダサい
これは筆者の園で同僚が実際に言われたクレームです。
乳児クラスは食事やおやつの際に洋服が汚れてしまって着替える頻度が多く、ストックに入っていた洋服に着替えました。
降園する際に「え、この服にこの服合わせます?これから買い物に行くのに洋服ダサすぎて困るんですけど」と言われました。
余裕があれば多少服の組み合わせを気にすることも出来ますが、忙しい時やストックの枚数が少ない時には組み合わせまで考えてあげることは難しく、保護者も理解してくれている方が多いので、言われた時にはびっくりしてしまいました。
対応方法
「すみません、これからお買い物だったんですね」とまずは謝罪をしました。
その後「別のストックのお洋服持ってきましょうか?」と保護者に確認をし、保護者もそれを望んだため、ロッカーからストックの洋服を全て持ってきて「どれにします?」と保護者に選んでもらいました。
その時に子どもに着せていた服がTシャツが横しま、ズボンが縦しまで、ストックの洋服も全て柄ものだったので、「服の組み合わせまで気がまわらなくてすみませんでした」と再度謝罪をしたあと「これからはなるべく組み合わせも気にして着るようにしていきますね。ただ、その時の状況などで組み合わせまで意識できない事もあるので、その時は今回のようにお伝えいただければ着替える事も可能なのでお声掛け下さい。他の家庭の方だと、ズボンは全て無地にしてくれている家庭もあるので、もし気になるようであればそういった方法もあるのでご検討ください」と、声を掛けました。
3.虫に刺されるから外に行かないで
これは実際に筆者が保護者に言われたクレームです。
夏場は園庭や公園に蚊がいることも多く、園で虫よけスプレーをしてから戸外に出るようにしていても刺されてしまうことがあり、帰りに蚊に刺されて残っているところは伝えるようにしていたのですが、その際に「最近蚊に刺されることが多くないですか?掻き壊してしまうと困るので、蚊に刺されないように外に行くのを控えてもらうこと出来ませんか?」と聞かれました。
他の子との兼ね合いもあるので、「他のクラスで室内活動のクラスがあれば残ってそのクラスと過ごしたり、職員室で園長とお留守番でも大丈夫であれば対応できるか確認してみましょうか?」と聞くと「それだと子どもが可哀想なので、クラス自体で外に出ることを控えてもらえません?」と言われ、驚きを隠せませんでした。
対応方法
「最近暑くなって蚊が増えてきましたよね。外に出る前に虫よけスプレーもしているのですが、刺されてしまうことが多くて困ってしまいますよね」と気持ちに寄り添ったあと、子どもの様子について説明をしました。
「子ども達は外遊びが大好きで、公園行くよと伝えるといつも大喜びで、暑くてもたくさん身体を動かして遊んでいます。そういった子どもの楽しい時間は大切にしたいので、他の子も含めて外遊びを控えるというのは正直難しいです」と、現状を伝えました。
「クラスで週に1回室内活動の日を作ることがクラスでできる最大限の配慮になるかと思います。○○くんが虫に刺されてしまうことで困っているという事であれば、先ほど説明させていただいた通り個別に対応するのが1番現実的な対応になってしまうかと思います」と、園で出来る最大限の配慮について伝えたあと、「虫よけスプレーは園でも散歩前に丁寧に付けるようにしていきますが、例えば虫よけのシールを服に貼って来てもらうなどはどうですか?」と提案もしました。
園での外遊びでの様子を伝えたこともあって、無事に納得してもらうことが出来ましたが、自分の子どもだけでは可哀想だから他の子も一緒に外遊びを控えるように言われて流石に驚いてしまいました。
思わずびっくりしてしまうような内容のクレームを言ってくる保護者もいますが、丁寧に対応することで理解を示してくれる保護者も多いです。
どうしても対応しきれない時には園長や主任に変わってもらうなど、一人で抱えこまずに周りの保育士にも手伝ってもらうことが大切です。