エアコンの温度設定が難しい、、、!適温は?大人に合わせる?
エアコンを使って室内の温度を調整する時に、何度に設定したらいいのか悩むという方が多いです。
適温は何度くらいなのか、大人が快適だと感じる温度にして大丈夫なのかなど、今回は保育室の温度設定について紹介していきます。
子どもと大人の体温の違い
体温は寒くても暑くても、ある程度一定になるように体温調節を行います。
夏は汗を書いて放熱したり、冬は身体を震わせて体温をあげたりと、大人の場合は体温が上がりすぎたり下がりすぎたりすることなく調整して、平熱を保つことができます。
しかし、子どもの場合は体温調節をする機能が未熟なため、外気の暑さや寒さの影響を受けて体温が変動しやすい傾向にあります。
発汗して放熱する機能が未熟なために、暑い日には熱が身体にこもりやすかったり、筋肉や体脂肪量が少ないことから身体を温める機能が未熟で寒さをしのぐことが苦手だったりします。
また、大人に比べると子どもの方が平熱が高めである場合が多いです。
体温は1日の中で大人の場合約1度以内、子どもの場合は0.5~0.8度程度変化します。
これを日内変動と言いますが、一般的に起床時が一番体温が低く、夕方にかけて体温が高くなっていき、就寝時にかけて体温が低くなっていきます。
この体温の日内変動は、2歳ごろから見られるようになっていきます。
子どもと大人の適温の違い
大人が適温だと感じる室温は、夏場で25~28度、冬場で18~22度と言われています。
一方、子どもが適温だと感じる室温は、夏場で26~28度、冬場で20~23度とされています。
そのため、大人と子どもの室温についてはそこまで大きな違いがあるわけではなく、大人が快適だと思う温度に合わせても大きな問題はないといえます。
エアコンを設定するうえでの注意点
エアコンを活用する際に注意する点を紹介します。
1.空気の特性を知る
暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へといく傾向があります。
そのため、大人が暖房をつけて暖かいと思っていても子どもたちは暖まっていなかったり、暑いと思って低めの設定温度で冷房を付けていても、子ども達は大人以上に冷えている可能性があります。
大人の体感気温だけで暑い・涼しいを決めるのではなく、比較的低めの位置(子どもの身長に近い位置)に温度計を置き、今保育室が何度あるのかを把握することが大切です。
2.外気温との気温差
また、外気温との差を考えて室内温度を調整していくことも必要です。
例えば冬場は朝方寒いことが多く、つい室内を温めてしまいがちですが、室内が22度ある状態で10度しかない戸外に出ようとすると、室温との気温差が12度もあることになります。
そうすると体温調節の苦手な子ども達は、急な寒さに耐えられずに寒がったり風邪を引いたりしてしまう可能性があります。
そのため、戸外遊びに出る前には室温が上がりすぎないように、室内温度を15度前後に抑えておくといった配慮も必要になります。
3.湿度
湿度も室内温度を調整するうえで大切なポイントとなります。
夏場や梅雨時期の暑さは、冷房で室内を冷やすだけでなく、除湿をすることで体感温度が下がります。
また、冬場は暖房を1日付けていると保育室内の湿度が下がって乾燥し、感染症の流行にも繋がります。
夏場は冷房だけでなく、除湿機や扇風機、サーキュレーターも活用して湿度を下げたり、冬場は加湿器を活用して湿度を上げたりする工夫が必要です。
湿度は50〜60%ほどに保つと快適に過ごせるといわれています。
4.換気を行う
窓をしめることで、素早く冷房・暖房の効果を感じることが出来ますが、窓をしめっぱなしにしておくと、空気がこもってしまい、感染症の流行にもつながるため、定期的に窓をあけて換気を行うことが大切です。
換気は2~3時間に1回、5~10分程度窓をあける事で、充分に換気が出来ます。
朝から戸外遊びに行くまで暖房を付け、外に出る際には暖房を切って窓をあけて換気をしておく、帰園したら再び暖房を付けるような活用の仕方がおすすめです。
5.衣服の調整
特に冬場は、子どもによって着ている服や枚数がバラバラで、温度計を基準にしていると子どもが暑くなってしまう場合があります。
例えば、半袖シャツにトレーナーを着ている子と、ヒートテック素材の長袖シャツに裏起毛のトレーナーを着ている子では、後者の子どもの方が圧倒的に暖かい恰好をしており、前者の子に合わせて暖房を設定すると、後者の子は暑くなってしまう可能性があります。
そのため、子どもがどのような服装をしているのか・何枚着ているのかを把握して子どもの様子を見て、暑くなりすぎないように衣服を調整してあげることも大切です。
また、毎日厚着をして登園してくる子どもの保護者には、室内では暖房を活用していることを伝えて調節しやすい服装にしてもらうことも大切です。
6.体温の日内変動について理解する
始めに紹介した通り、外の外気と同じように朝は体温が低く、日中は体温が上がり、夜にかけて徐々に体温が下がっていくのが体温の日内変動です。
そのため、1日を通して同じ設定温度で暖房を付けていると、日中に暑くなったり、反対に夕方肌寒くなったりしてしまう可能性があります。
そのため、冷房の場合は朝・夕は設定温度を1度あげる、暖房の場合は日中の設定温度を1度下げるなどの工夫も大切になります。
子どもは大人に比べて体温が高めのため、適温は大人と同じでいいのか不安になることもありますが、基本的には快適温度は大人と大きく変わらないといえます。
ただし、体温調節機能が大人に比べて未熟で、熱が身体の中にこもりやすい傾向にあるため、室内温度だけでなく、水分補給や湿度・衣服の調節なども合わせて行うことが大切です。
また、ただ室内を涼しく・暖かくすればいいのではなく、外気温との気温差を考えて温度設定を行うことも重要です。
保育園生活では夏は手足口病やヘルパンギーナ、冬はインフルエンザや胃腸炎など、1年を通して感染症が流行しやすいので、湿度のコントロールや換気も忘れずに行うようにしましょう。
子どもが無理せず快適に過ごせるように、今回紹介した記事を参考に、室内の温度設定を行ってみてくださいね。