体温調節の苦手な乳児さん、、、外遊びの適切な時間は?
子どもは大人に比べて体温調節機能がまだ未熟で、熱中症になりやすかったり、寒さに身体が慣れずに風邪を引いてしまうことが多いです。
特に乳児の場合は体温調節が苦手で、外気の温度に体温が左右されやすい傾向にあります。
丈夫な身体作りにも戸外遊びは欠かせず、保育園で戸外遊びを積極的に取り入れている園も多いですが、外遊びはどれくらいの時間をとるのが適切なのか、外遊びを行うことでどのような効果が期待できるのかについて紹介していきます。

0歳児の外遊びの適切な時間
0歳児の場合は、ハイハイで活発に動けるようになってから外遊びの時間を確保することがおすすめです。
ハイハイをする前では、戸外で自分で動くことが難しいため、散歩カートなどを使って外気浴を行う程度の散歩がおすすめです。
自分で動くことができないため、冬は寒さをしのぐことが難しく、暑い中じっとしているだけになってしまいます。
そのため、ハイハイができるようになるまでは、短時間の散歩のあと室内で遊ぶことがおすすめです。
ハイハイができるようになると、自分の気になるものや気になる遊びに向かって自分で動くことができるようになります。
そのため、ある程度外遊びを楽しめる月齢といえます。
時間としては夏や冬は10~20分、春や秋は30~60分程度の時間を確保してあげられると充分に遊ぶことが出来ます。
1人歩きができるようになると、散歩も自分で歩いたり、公園でも活発に身体を動かして遊べるようになってきます。
夏場は10~20分程度、冬場は20~30分程度、春や秋は40~60分程度の時間を確保してあげると楽しく遊ぶことが出来ます。
ただし、体温調節がまだまだ未熟な年齢のため、夏場は水分補給を行い熱中症や脱水症状を防ぐ、冬場は上着を着たり、子どもの様子に合わせて衣服を調節して体調を崩さないようにする援助や配慮が大切です。
1.2歳児の外遊びの適切な時間
1.2歳児になると活発に身体を動かせるようになり、だんだんと暑い・寒いという気温を言葉で伝えられるようになってくる年齢です。
そのため、夏場は20~30分、冬は30~40分、春や秋は40~60分程度の時間を確保することで、充分に外遊びを楽しむことが出来ます。
また、1.2歳児になると遊びの中でのルールや約束を理解できるようになってきます。
夏場であれば泥遊びや色水遊びなど、「口には入れない」というルールの中で暑さを和らげながら遊んだり、冬にはしっぽ取りゲームや鬼ごっこなどの簡単なルールのある遊びに挑戦してたくさん身体を動かして遊ぶなど、季節に応じて遊びを変えていくこともできるようになります。
0歳児同様に水分補給や衣類の調整などの援助は継続的に行いつつ、季節に合った遊び方を伝えていくことも、外遊びを楽しむためのポイントの1つです。

乳児の外遊びの適切な時間
一般的には1日1.2回、1時間程度の外遊びを行うことが理想と言われています。
そのため、過ごしやすい春や秋は1時間程度外遊びをできる時間を確保してあげられると、子どもが満足して遊ぶことができます。
ただし、身体の体温調節機能がまだ未熟な乳児の場合、暑い時期には熱中症の危険があるため、水分補給をこまめに行い、外遊びの時間は短時間にすることが大切です。
可能であれば、夕方などの少し気温が下がってきた時間に再度園庭などで遊ばせてあげるのもおすすめです。
反対に冬は寒さが厳しい季節なので、日中の比較的暖かい時間に戸外に出て、なるべくたくさん身体を動かして遊び、夕方などの更に気温が下がる時間帯は室内で過ごすことが大切です。
幼児の外遊びの適切な時間
幼児の場合には乳児に比べて体温調節ができるようになってきて、寒さや暑さを言葉で伝えることもできるようになってきている場合が多いため、夏は30~40分、他の時期は1時間程度遊ぶことがおすすめです。
夏場はこまめに水分補給をすることで乳児よりも長い時間遊ぶことが出来ますが、日差しが強く暑さの厳しい日には水遊びなどを取り入れて40分程度、遊具などでの自由遊びの際には30分程度にとどめることで熱中症対策を行うことが大切です。
冬場は寒くても身体を動かして遊べるため、集団遊びなどを設定し、たくさん身体を動かして遊べるような活動設定を行うことがおすすめです。
また、上着を着て戸外に出ることの多い季節ですが、日差しのある日にはたくさん身体を動かすと暖かく感じることも多いため、暖かく感じるようであれば自分で上着を脱いで温度調節ができるように声掛けを行うことも大切です。
外遊びで育つ力
外遊びをすることで子どもの五感を育てることに繋がります。
五感とは、視覚(見る)・聴覚(聞く)・嗅覚(匂い)・味覚(味)・触覚(皮膚で感じる)のことです。
外遊びで得られる効果として、
- 視覚…虫や草木などを通して、見る力を育む
- 聴覚…風や車の音、鳥や動物の鳴き声などを通して、音の大きい・小さいを知ったり、この生き物はこのように鳴くということを知ることができ、聞く力を育む
- 嗅覚…花や土の匂いなど、様々な匂いを感じることで嗅覚を育む
- 味覚…戸外で見つけた野菜や果物などを実際に味わうことで、味覚を育む
- 触覚…水に触れて冷たさを感じたり、芝生や泥、砂などの感触を味わうことで触覚を育む
といった効果が期待出来ます。
また、砂場で玩具を使って見立て遊びをする、自然物を使って遊ぶなどの経験から、想像力や自主性、主体性などを育んだり、自然物に興味を持つことで探求心や好奇心を育むことも期待できます。
戸外でたくさん遊ぶことで、体力がついていき丈夫な身体作りにも繋がっていきます。
乳児は体温調節機能が未熟なため、夏や冬など暑さ・寒さが厳しい季節は長時間戸外遊びを行うことが難しいですが、水遊びや身体を動かす遊びなど、季節に合った遊びを取り入れて時間を調節することで、子どもが充分に戸外遊びを楽しむことが出来ます。
戸外遊びを適切に取り入れることで、五感を育んだり、好奇心や想像力、体力づくりなどの効果が期待できるため、今回紹介した内容を参考に、無理のないように戸外遊びを取り入れてみてください。

