子どもの前での設定保育で緊張してしまう場合の対策
製作やルールのある遊びなど、設定保育を行う際には子ども達の前に出て、作り方やルール、約束事などを説明する必要があります。
また、誕生日会などの行事の時や、絵本を読むときなどにも子どもの前に出て行うことが多いですが、子どもの前に出ることに対して緊張してしまうという保育士も少なくありません。
特に経験の少ない保育士の場合、子どもの前に出てうまくまとめられるのかという不安や、他の保育士にも見られているという思いから、前に出るときに緊張してしまうことがあります。
今回は、子どもの前に出ることに対して緊張してしまう場合の対策について紹介します。
子どもの前で緊張しないようにできること
子どもの前で緊張してしまう時の対策方法について紹介します。
1.事前にシミュレーションをしておく
製作の場合は、どのような工程で行えばスムーズに行えるのか、時間はどれくらいかかるのかなどを確かめるためにも事前にシミュレーションを行っておくことが大切です。
その際に、「ここは苦戦しそう」「ここは個別で対応した方がよさそう」などのポイントを見つけ、どのように対応していくのかを考えておくと当日の不安感が少なくなります。
ルールのある遊びの場合には、遊びのルールを書き出し、どのように子どもに話すと伝わりやすいかを考えていくとスムーズです。
事前にシミュレーションをすることで当日の様子を予測し、不安要素をなくしておくことで緊張感が緩和されます。
2.緊張しても積極的に前に立つ
緊張してしまう理由として慣れていない・経験が少なく不安要素があるなどが挙げられます。
そのため、緊張するから前に立つのは他の保育士にお願いするのではなく、緊張してうまくいかないこともあるかもしれないけれど、積極的に前に立ち、子どもの前に立って設定保育を行う経験を増やしていくことで次第に緊張しなくなっていきます。
3.終わった後に反省会をする
実際に前に出て保育を行った後に振り返りをして反省点や良かった点を出すと、次回前に出る時にはどのようにすればいいのかが分かり、緊張感を和らげていくことに繋がります。
周りの保育士から意見を聞ける環境であれば、第三者の意見も聞いて取り入れるのがいいですが、難しい場合には1人反省会でも大丈夫です。
自分の動きや言動を振り返って、「これは子どもの反応も良かったし次回も取り入れていこう」「この状況では子どもが落ち着かなくなってしまったので次回はこのようにしてみよう」など、振り返ることで次はどのようにすればいいのかが何となく決まってきて、緊張感が緩和されます。
4.手遊びや歌などのレパートリーを増やす
緊張してしまう理由として「自分の話を子どもが聞いてくれるか」「子ども達をまとめられるか」なども挙げられます。
手遊びや歌・絵本など、子どもの興味を惹きつけられるものを何個も用意しておくことで、子どもの視線が自分に集まり、落ち着いて話をすることができます。
他の保育士はどのような手遊びを行っていて、子ども達はどんなものが好きなのかを日頃から見て取り入れたり、新しい手遊びやペープサートを取り入れて行うことで、保育士も子どもも楽しい気持ちで設定保育に入ることができます。
緊張してしまった時の対処法
実際に前に立って設定保育を行う中で緊張してしまった時にできる対処法について紹介します。
1.目をつぶって深呼吸をする
緊張して声が震えてしまう・うまく声が出せないという時には、1度目を瞑り、10回ほど腹式呼吸で深呼吸を行うことがおすすめです。
この時にゆっくりと息を吐くことを意識すると落ち着きやすくなります。
2.手を握りしめる
グッと力を入れて握りこぶしを作り、10秒ほどしたら手を開きます。
緊張した時には身体に力が入りやすく、反対にリラックスしている時には力が抜けている場合が多いです。
そのため、握りこぶしを作って緊張状態をつくり、力を抜いて手を開くことで身体がリラックスして緊張感を和らげることに繋がります。
3.ツボ押し
親指と人差し指の骨が交わるところにあるくぼみ(合谷)は、押すことで緊張感が緩和されるツボとも言われています。
ツボを押すだけなので、前に出て話しながらでも押すことができる気軽な対処法で、少し強めに押すことがポイントです。
4.「大丈夫」と自分を信じる
緊張の大きな要因は「うまくできるか」「大丈夫か」など不安に感じている気持ちです。
そのため、事前にシミュレーションを行い「これで大丈夫」と自分を信じることが大切です。
また、「完璧に行わなくては」という気持ちではなく「最終的に子どもが楽しめれば、少しくらい失敗しても大丈夫」という気持ちで望むことも大切です。
事前に出来ることは行い、あとは自分を信じて前に立つことで緊張感を少なくすることができます。
5.直接目を見て話さない
人からの視線に対して緊張を感じる場合、なるべく直接目を合わせないというのも1つの方法です。
子どもの目を見て話した方が話が伝わりやすいことが多いですが、目を合わせようとすると多くの子どもが自分を見ていることを実感してしまうため、保育室の後ろの方を見るように意識して全体を見渡すようにすると少し緊張が和らぐことがあります。
子どもの前に出て、自分が主となって進める設定保育に対して緊張してしまうという保育士も少なくなく、特に経験の少ない保育士が緊張を感じやすい傾向にあります。
理由としては、経験が少なく場慣れしていないことから成功のイメージがつきにくい・他の保育士も見ているから失敗したくないなどの緊張感を感じていることが多いです。
事前にシミュレーションを行い、心配であれば事前に周りの保育士に当日の流れを確認してもらうこともおすすめです。
緊張すると頭が真っ白になって何を言うか忘れてしまうこともあるため、流れや言う内容など簡単にカンニングペーパーを作っておくこともおすすめです。
緊張したときの症状は人によって異なり、声が震えてしまう・手足が震える・汗が出るなど様々なので、今回紹介した内容も参考にしながら、自分にあった対処法を見つけていくことが大切です。
緊張するからやらないのではなく、緊張しても繰り返し前に立つことで、少しずつ緊張せずに楽しんで前に立てるようになっていきますよ。